<   2010年 08月 ( 6 )   > この月の画像一覧

----------------------------
Affair with a mouth | メール | WEB拍手 | アンケート | 人気ブログランキングへ |

MY SWEET DOG 第5話(終)

男爵さんによる剣シリーズ雪化粧のスピンオフ作品です。全5話。
まずはリンク先の雪化粧からどうぞ。


宜しければ感想を頂けると嬉しいです。
WEB拍手


第1話
第2話
第3話
第4話

@@

「持てるか?」
訝しげな顔に大丈夫です、とにっこりと微笑みかけた。
カウンター越しに渡されたそれを如何にも重そうに抱え上げる。

実際にそこそこの重量がある。普通の女性であれば上半身と腕の力だけでは持ち上げる事も出来ず、
両脚でしっかりと踏ん張る必要があるだろう。

それをよいしょ。と持ち上げて背を向け、歩き始めるとちょっと待て。と声を掛けられる。
振り向くとカウンターの向こうにいた男が足早に私の前に歩いて来た。
顔の痘痕の跡が痛々しく浮き、片足でびっこを引いたあまり見た目が良いとは言えないスオルムの兵士だ。
「これを・・・」
そう言って顔を歪め、懐から封書を取り出してくる。

「その・・・メニスから聞いたんだ。その、何ていうか、な。」
口ごもる男を見返すと慌てたように言葉を繋いでくる。
「お、お前の同僚に、アプリルというメイドがいるだろ。
これをそいつに渡して欲しいんだ。
その、こいつは、あれだ。俺の気持ちが書かれている手紙なんだ。」
そう言いながらがりがりと頭を掻く。

「判りました。」
そう言って男から笑いながらそれを受け取った。
きっと喜びますよ。と続けると痘痕顔の男は無邪気な笑顔でありがとう、と言って笑った。
笑い顔は案外幼く、見た目よりもきっと若いのだろうと思った。
もしかすると私と同じか、もっと若いのかもしれない。
手紙を懐に入れて、先程渡された剣を背中に回した。

「重いだろう?お、俺がそれ、持って行ってやろうか?」
痘痕顔の男がそう言ってくるのに首を振った。

「いえ、これは私の仕事ですから。」

漸くという風を装って剣を背中に背負う。
痘痕顔の男の視界から外れるまで、ゆっくりと歩く、
男の視界から外れた瞬間、剣を片手で掴んで走った。

@@
私の父親は有体に言えば、アレイストルスの持ち前の明るさや屈託のなさを持たない、
つまりは父親の祖国であるスオルム人の大半の男と同じく、厳格で冷徹な性格の人間だった。
父の口癖は「人は情を用いてこそ動く」だったけれど、
本人がそれに当てはまっていたとはとても思えない。

私の父親はおよそ情で動くような人間ではなく、
寧ろ自らが信じきった理屈のみを元にして動くタイプの人間だった。

女の私に剣術の真似事をさせたのもそれが理由だ。
大半の貧しい家のスオルムの女と同じく年齢が行けば運良く何処かに嫁に行くか、
それともメイドになるか、売春婦となるか(後者の二つは限りなく近いものかもしれないが)
しかない私に子供の頃から剣の使い方を教えたのは「戦争になるかもしれないから」だった。

父は富裕な商人に出入りする職人の一人で、どこかからそんな情報を聞きつけたのだろう。
私の子供の頃は良く「今すぐでなくとも、後20年、いや10年後には大戦争が起こる」と呪文のように唱えていた。その理由は判然とせず、大国である王国が責めてくるのだとか、
スオルムの皇子に忌子が産まれたからだとか、その時々によって父の言う事は変ったけれど、
戦争になる、大きな戦争になるという事だけは父は頑なに信じきっていた。

父は昔戦争に行った経験から戦争においては剣の腕だけが頼りだと信じており、
剣の腕だけが自らを助けるのだという信念を元に息子だけでなく娘にも剣術の手解きをした。
年端も行かない私も木剣を持たされ散々振り回させられたものだ。

無論今こうして城に入り兵士の訓練を見れば父の言う剣術が、
本物の兵士のそれに比べれば随分といいかげんなものだったと判る。
考えてみれば一介の職人の父が教えるものであったのだから
父からして見よう見まねで覚えたのに違いないそれが適当なのは当たり前であった。

それでも、それは児戯というにもおこがましいモノであったとしても
毎朝、毎夕行われる振り下ろし、突き刺し、跳ね上げるその動きは
徐々に石を穿つ水のようにささやかな技術を私に与えてくれ、そして今それは結実しようとしている。

兵士用のまともな剣を重心を上手く置き換えて片手で持ち上げられる華奢なメイドがいるなどと誰が信じるだろうか。

父の言うような大戦争は起こらなかったけれど。
父の理屈は少なくとも今の私には役に立つようだった。

@@
兵士の姿が見える度に私は剣を担ぎ直して歩き、兵士の目が無い所でのみ走った。

今やこのお城の中は殆どスオルムの兵士の巣窟と言っていい。
特にライナルトというあの将校の周囲に至ってはスオルムの兵士にがっちりと固められている。
しかし、兵士達は重そうに剣を抱えた私を咎めるどころか寧ろよたよたと歩く私を気の毒そうにすら見ながら
あっさりとライナルトの居室までの道を開いた。
私が常にコルネリア様の側にいるメイドだからという理由もあるだろう。

しかし、つまりはこういうことだろう。
メイドが持つ剣などというのは彼らにとって武器では無いのだ。

しかし、こうして見るとスオルムの兵達のなんと傍若無人で腹立たしい事か。
あの青年将校の指図なのか、それとも副官が優秀なのか。
剣を持ち、表面上は平静を装いながら歩いてみると
ライナルトの寝室までの要所要所に兵士が何気なく配置されているのが判る。
兵士達は歩哨に立つようにしてはいないし、そして兵士によっては座り込み、
数人で喋っているようなのもいるが、こうして見るとどの兵士もまるでそこが持ち場かのように動かない。
見るべくして見れば明らかにコルネリア様の寝室とライナルトの居室を繋ぐ線を中心として配置されており、
何らかの意図がある事が判る。
コルネリア様は鷹揚であるから気がついてはいないが、
このままではすぐに城中の人間がこの事実に気が付く事になるだろう。
いや、コルネリア様付きとはいえ、ただのメイドの私にすら、こうやって見れば怪しく見えてしまうのだ。
実際は既に気が付いているものもいるだろう。
相手がコルネリア様だからこそ口に出すのも憚られ、噂になっていないに過ぎない。

しかしそれもコルネリア様の王家としての神聖な、不可侵の威厳があっての事。
城中の奥にスオルムの兵士がいる異常事態が続けばその威厳もいずれは落ちてしまう。
今のままでは時間の問題だろう。

しかしそうなったとてあのライナルトという青年将校はなんら痛痒も覚えないのだ。
コルネリア様の名声が地に落ちるだけにすぎない。
あの男はそれまで通りにあの厚顔でコルネリア様の前に立つに違いない。

であればこそ。私の決断は間違えてはいないと今にして思う。
今このタイミングしかなかった。
スオルムの兵士達は所謂田舎兵だ。
あのライナルトという青年将校が部隊の全ての権力を握っているのであれば、
これからの私の行為はもしかするとコルネリア様だけでなく、
アレイストルスをも救う事になるのかもしれない。
私がアレイストルスを救うのだ。
スオルム人の父を持つ、この私が。

@@

コルネリア様の居室の扉には紅いスカーフで封がしてあった。
立ち入り禁止の合図であり、このスカーフが掛かっている場合はメイドだけではなく、
何人たりとも声を掛ける事は許されない。
そして。
部屋の中から何が聞こえてきても、それは聞いてはならない。

コルネリア様の嬌声。
頭が焼ける。

扉に巻きついた紅いスカーフを毟り取った。
剣を鞘から抜く。柄をしっかりと握りながら鞘を投げ捨てた。
後ろから「おい、お前、」と訝しげな声が掛かる。
声の聞こえ方から大体の位置を考え、思い切り剣を振り上げて振り向き様に斬り下ろした。

剣はどこかで見たような髭面の男の左側から顔面に入った。
びしゃん、という粘着質な音と共に男の顔面の半分が吹き飛ぶ。
脳漿と共に斜めに千切れた顔の半分が床に転がる。

想像よりも身体が動いた事に満足する。
思ったよりも剣の重みを感じない。私の力でも振り上げる事が可能だ。
そして重い剣は当たりさえすればこうなる。

兵士の持つ剣に切れ味を考える必要はない。
どちらかと言えばそれは叩き付けるものなのだ。
父に柄を叩き付けるつもりで斬れと言われた事を思い出す。

頭の半分を吹き飛ばされた男が膝をつき、千切れた頭の半分、
丁度口のあった場所から白い歯が何本か見えた。
そこがみるみるうちに血に染まっていくのを見ながらその男の胸を蹴り倒した。
大理石の広い廊下の向こうから何人かが叫びながらこちらに走ってくるのが見える。

それを横目で見ながら重いライナルトの居室の扉を開けて中へ駆け込んだ。

部屋の中ではコルネリア様の裸身が踊っていた。
真っ白な裸身を狂乱の体で振りみだしている。
外の騒ぎにも気が付かなかったのだろう。
いやらしくしっかりとくびれのある腰が前後に踊っている。
今、正に男によってクライマックスを迎えている女の動きを刹那の間、
何も考えずに見ていた。
嫌悪感は無く、ただ、ああ、そうなんだ。とだけ思った。

私は少しだけ、何かを間違えたのかもしれない。と。

だがもう遅い。
がっくりと項垂れたコルネリア様の首に手を廻したあの男の仕草は、
その優しげにも見える仕草は、私の怒りに火を付けるのに充分でもあった。

後ろから怒声が近付いて来る。

だがもう遅い。
どうせ私は死ぬのだし、あの男も死ぬ。
二人ともまだこちらには気がついていない。

ゆっくりと剣を掲げる。口を開くと自然に声が迸った。
「えやああああああッ!」

思い切り叫びながら、私はあの優しかったコルネリア様に触れている男に向かって走った。



[PR]

----------------------------
Affair with a mouth | メール | WEB拍手 | アンケート | 人気ブログランキングへ |
by obtaining | 2010-08-25 10:02 | document

MY SWEET DOG 第4話

男爵さんによる剣シリーズ雪化粧のスピンオフ作品です。全5話。
まずはリンク先の雪化粧からどうぞ。


宜しければ感想を頂けると嬉しいです。
WEB拍手


第1話
第2話
第3話

@@

「ふざけんな、あっち行ってろ!テメエ!!」
メニスの怒号が響くと、ちっという舌打ちの音と共に男が去っていくのが聞こえた。

「まったく。野暮な野郎だぜ。なあ。セレス。」
そう言いながら貫いてくるメニスの首に手を廻して声を上げた。
先程の男はあられもなく声を上げていた私に興味を持ったのだろう。
盛り上がってるじゃねえか、参加させろと言ってきたのをメニスが追い払ったのだ。

重ねてきた唇に唾液を送り返す。その状態で散々腰を使われて、
必死でこちらもタイミングを合わせて腰を上下に動かした。
唇が離れ、閉じた目を開くと、メニスが真剣な表情で私を見下ろしていた。
「今日からは毎日来るからよ。いいな。セレス。他の野郎に抱かれるんじゃねえ。」

とりあえずにっこりと笑みを返した。何と返すのが良いだろうか。
嫉妬を出してあなたも他の女を抱かないでと言うべきか、
それとももっと羞恥して見せるべきか。
正解が判らずに暫く考えてから
「うれしい。」
と言うとそれが正解だったらしい。メニスの鼻の下が伸びた。

興奮しきった様子でぐいぐいと腰を使ってくる。合わせるように声を上げて、腰を上下に振った。

@@
「どうだ?今日はえらく善がってたじゃねえか。」
「ぅんっ・・・凄かった」
「そうか。」
腕枕に頬を乗せて甘えるように顔を擦り、囁くとメニスの手が頭を撫でてきた。
いかにも内緒話。というような私の小さな囁き声にメニスの声も自然と小さくなる。
好都合だった。ここから先は他のメイドや兵士には聞かれたくなかった。
「どうすごかったんだ?」
男の自尊心を擽る為に脇腹を突付いてやる。
「おら、どうすごかったんだ?」
どうしても言わせたいらしいので下半身に手を伸ばして口で一回、
その跡に2回の発射でやや柔らかくなったそれを掴んだ。
「これが、凄かった。こんなにされるの、初めてだったし。凄く太くて、逞しくて。」
そう言うなりメニスに唇を奪われる。
「お前も良かったぜ。」
「奥さまよりも?」
悪戯っぽく片目を閉じてくるメニスの唇に今度はこちらから唇を合わせながら嬉しい。と囁く。

「今までと態度が全然違うじゃねえか。どうしたんだ?」
不審は当然だろう。が、咎める目つきではない。
「ずっと前からそうしたかったんだけど・・・」
「ど、何だ?」
私からの好意は当たり前、といった態度に成功を確信する。
耳元に口を寄せた。
「これは内緒なんだけど。」
「ああ。」
耳を寄せるメニスの耳朶を軽く噛んでから言葉を続ける。
「ライナルト様、だっけ?偉い人」
「ライナルト様か。それがどうした?」
「メイド達、皆怖がっているの。ほら、あの人って怖そうじゃない。
特にメイドに向けてくる視線なんて、本当に冷たいから。
きっとメイドの事、嫌いなんだって、皆思ってるの。
だからスオルムの兵士さんと親しくなったら、あの人に殺されるかもってみんな思ってるの。」

私の言葉にメニスがくっくと笑い声を立てる。
「本当か?」
「ええ。でも本心は違うのよ。スオルムの男の人達って逞しいし、好きな子は多いの。」
「お前みたいにか?」
「ええ、私が好きになったみたいに。だって女だもの。
抱かれているうちに好きになっちゃう事もあるわ。特にこんなのでされちゃったら。」
くっく、と上下に指を使うと人肌よりも熱を持ったそれがむくむくとまた硬くなってくる。
後であと一回は相手をしないといけないだろう。まあそれは構わない。
それよりこの会話に喰いつかせる必要があった。

「そんなに怯える事はねえよ。俺らと仲良くしたからって殺すような事はしねえさ。」
「本当かしら。」
守ってくれる?としなを作って言うとメニスの目尻がにい、と下がった。
「ああ、お前は俺が守ってやるさ。手出しなんてさせねえ。大体俺もよ、あの人は苦手なんだ。生粋のスオルム人じゃねえしよ。」

「そうなの。」
あの酷薄そうな表情から兵士達の全てから好かれるタイプでは無いとは思っていたが、
生粋のスオルム人ではないというのに驚いた。
こく、と唾を飲む。煙草臭い臭いが移ったようで顔をしかめる。
「でも、あの人強そうじゃない。」
さりげなくメニスの目を見る。

同僚のメイド達の目を無視してこんな真似をしてまで私が知りたかった情報こそがこれだった。
剣は強いのか、弱いのか。武術の基礎も出来ない私が後ろから飛び掛って殺せるのかどうか。
本来であれば寝物語にも簡単には聞けない話だが、
今までの会話がそれを可能にしていた。
そして。
「強そうって、何がだ?」
心底不思議そうなメニスの顔つきに必要な情報が手に入った事を知った。
心から笑い出しそうになる顔を抑えていかにも自信なさそうな顔を取り繕った。
「あの、剣術とか。」
如何にもモノを知らないメイドといった感じで。
「はははっ」
メニスが笑う。
「あの人は剣術なんて一つも出来ないさ。」
「本当に?兵士なのに?」
「ああ。お前は知らないだろうがな。なんせああいう類は後ろで手を振ってるだけさ。
前線で戦う俺らと違って剣なんてのはからっきしだ。俺達がいなきゃ何にも出来ねえのさ。
だから心配する事はねえんだぜ。
俺達に気に入られたからって殺されるなんて、そんな事ある訳がねえ。
俺達が嫌だといやあ、ああいったのは頷くしかねえんだ。
女達にもそう伝えてやんな。仲良くしてくれたら、皆喜ぶからよ。
スオルムの男は優しい女には優しいんだぜ。」
自慢げな顔が求めているだろう信頼を浮かべた笑みを顔に広げてやるとメニスがぐっと肩を抱いてくる。

先程から弄っていた隆起はまた急角度で反り返っている。
「また、太くなってる・・・」
お礼の意味も込めてそう囁くと笑顔になって、私に圧し掛かってくる。

こうして見るとメニスの無邪気な笑顔は嫌いなものではなかった。
いつの間にか引き込まれている自分も感じる。
きっと私が何も知らないメイドのままだったら、
コルネリア様と知り合う前の私だったら、好きになっていたのかもしれない。
最後の一回位は私も本当に楽しむ事にしよう。

「大好き」
囁いた言葉は嘘だったけれど、男は喜び私を抱きしめてきた。
私も本当に好きな人とするように、本気で応えた。


[PR]

----------------------------
Affair with a mouth | メール | WEB拍手 | アンケート | 人気ブログランキングへ |
by obtaining | 2010-08-24 09:18 | document

MY SWEET DOG 第3話

男爵さんによる剣シリーズ雪化粧のスピンオフ作品です。全5話。
まずはリンク先の雪化粧からどうぞ。


宜しければ感想を頂けると嬉しいです。
WEB拍手


第1話
第2話

********
@@

当たり前の話だが、メイドに個室などというものは無い。
(メイド長だけは特権として持ってはいるが、
メイド長とはメイドの人事権を持った特権階級であり、私たちからしてみれば同じ身分とは到底思えない。)
では皆、どうやって寝起きしているのかと言うと
全員が寝起きする為のおよそ50M程の長さのメイド用の大部屋が割りあてられている。
そこに2段の大き目のベッドが30ほど饐え付けられ、各人はそのうちの一つを自分のベッドとする。
大部屋は床と壁は冷たい石造りだが、窓だけはきちんとしたものが付いており開ければ風も入ってきて開放感はある。
窓が無ければ石造りのこの部屋は牢獄にしか思えないからこの大きな窓だけは有難かった。

一日の仕事が終わり、部屋の明かりが消えた後に疲れた身体を2段ベッドに横たえて、
枕の上に頭を下ろしながらぼう、と考え事をし始めた所
「あっ!ああっ!いやっ!だめぇっ!」
隣のベッドの下段から切り裂くような悲鳴が上がった。
確か先週から入った若くて可愛らしいメイドがそこで寝ている。きっとスオルムの兵士が潜り込んだのだろう。
叫んでも無駄なのだから叫ばなければ良いのに、と思うが夜這いに慣れていない娘は周りの状況からいつか自分がそうされると判ってはいても必ず悲鳴を上げる。

隣の2段ベッドの上段の子が私の方を向いて下を指差し、肩を竦めてきた。
私も肩を竦めて返す。
スオルムの兵士達がこの城に来るまではこんな事は無かった。
いや、勿論メイド達と兵士達に関係が無かったという訳ではない。
気楽に外に出る事の出来ないここで見つかる男は兵士か使用人しかいないのだからメイドたちの話題は自然見栄えのする兵士や使用人の男になるし、
だからそういう男達と付き合っているメイドも多かった。
といってもこんなあからさまに兵士や使用人が夜這いには来る事は勿論なかった。
昼間のうちに話をして、夜の城の一角で逢引をするのがルールだ。
メイド部屋は治外法権で、もし夜這いなどに来たら皆で叩きのめしていただろう。

しかしスオルムの50人程の兵士達は城を乗っ取るなり今までのルールも何も関係無いとばかり遠慮会釈も無く夜にメイド部屋に潜りこんで来るようになった。
最初のうちは抵抗するメイドもいた。が、そういう娘は寄って集って輪姦される派目になった。見せしめの意味もあったのだろう。
特に激しく抵抗した娘は(可愛らしかったから目を付けられたのだろう、またその娘には決まった相手がいたから抵抗するのも当たり前だった。)
朝まで10人以上の兵士達の相手をさせられ、尻の穴まで使われて次の日には足腰が立たなくなったにも関わらず、連続で3日間に亘って夜になると同じように10人掛かりで輪姦された。
4日目に泣きながら懇願して以降は必ず男を迎え入れるようになっている。

皆もそれがあって以降は抵抗しなくなり、
40歳までの若いメイドは50人程いるから大体1日一人が一人の夜這いを受ける計算になっていて、
つまり今では消灯後のメイド部屋はどこのベッドにも男が入っているという娼館のような様相を呈している訳だ。
誰が誰の相手をするか、そこら辺は兵士達が話し合っているのだろう。
いつも同じ兵士の相手をし、恋人同士のような雰囲気になっている娘もいれば
いつも違う相手の場合も、数人で数人の娘をかわるがわる相手にするような奇妙な秩序が生まれている所もあった。
複数の兵士で一人の娘に夜這いを掛ける事もあり、そう云う時は上手い具合に休みを取れることもある。

私の場合もそうだった。どうやら私は外見から人気があるようで兵士達の間でもある程度は位が上の人間の相手をさせられているようで、
その結果有難い事にそれ程きつい事をされる事も無かった。
複数の兵士の慰み者にされる事もなく、暴力を振るわれることも無い。
私の相手は中隊長と呼ばれているから偉いのだろう、メニスという中年の男が中心で、皆の中ではついている状況といって良かった。

と、隣のベッドの悲鳴が止み、ぎしぎしと音を立て始める頃に私のベッドにするりと男が入り込んできた。
ぐいと抱き寄せられて、髭面が押し当てられ、今日の相手もメニスだと判った。

私が考えている事に丁度いい。そう思った。
「来たぞ。」
の言葉に頷くと、いきなり唇を合わせられ、舌をねじ込まれた。
煙草臭い舌が私の口内を這い回る。この時だけは私は目を閉じるようにしていた。
私にも好きな男の一人位、いない訳ではない。
好きな男は優しい面影の煙草を吸わない男だったから寧ろこうやって抱かれている時よりも唇を合わせられ、煙草臭い舌を入れられている時の方が罪悪感は強かった。

いつものように頭の中で2度、これは好きな男なのだと呟く。
そして唇を奪われながら相手のズボンをまさぐると既にそこは固く滾っていた。

自分からも相手の口内に舌を差し出し、手をズボン越しに当てるようにして隆起を上下に擦る。
今までこうして積極的に動く事が無かったからだろう。相手の身体がぎくん、と緊張するのが判った。
唇を離したメニスが囁いてくる。
「おいおい、どうした?」

それには答えず、汗臭い胸元に顔を寄せながら右手を上下させ続ける。
「サービスがいいじゃねえか。」

まだ返事はしない。男がどうすれば喜ぶのかの大体は理解している。
いや、理解しているつもりだ。本を読めば判る。
本とは男の為に書かれたもので、つまりは恋愛ものに書かれているような女の真似をすれば良いのだ。
私が考えている事にはこのメニスから情報を得る事が必要であり、
その為にはメニスを喜ばせる事が近道のように思えていた。

「おい、どうしたってんだ?」
胸元に無遠慮に突き入れ、慣れた仕草で私の乳房を弄う手を軽く噛んでから自分からシャツのボタンを緩めた。

「お。」
とメニスが呟く。
シャツを外した事で漸く判ったのだろう。ぐ、と抱きしめられる。
「なんだおい、水を浴びてきたのか?」
そう言われてこくりと頷いた。
メイドは大抵朝に水を浴びる。
これはスオルムの兵士が来て夜に抱かれるようになったからというからではなく
山岳の多いアレイストルスでは元々こういう習慣だからだ。
アレイストルスでは水は貴重であり、無論王宮ではそんな事は無いが、
普通の村人達は朝に水を汲んでそれを家では使う。
女が夜に川まで下りるのは危険だし、かといって汲んで来た水を使うのは不経済であるから朝に川に下りて身体を洗うのが当たり前という理屈なのだが、
同じ山岳地帯でも国内に水場の多いスオルムでは違う。

「いい匂いだ。」
私の身体をメニスの手が這い回る。私の身体の石鹸の香りに興奮したのだろう。
そしてそれ以上にスオルムの礼儀に合わせた私の行為そのものにも興奮したに違いない。
ズボンを脱ぎ捨てて荒々しく私の脚を開かてきたメニスを押し留める。
耳元でこう呟いた。
「今日は私の事、奥さまだと思ってください。」
今まで寝物語にメニスには国に結婚したばかりの妻がいるという事は知っていた。
結婚したばかりで戦場に借り出されるというのだから男も大変だ。
妻の方も夫が他国で毎晩女を犯しているとは思っていないだろうが。

こくこくと頷くメニスのシャツも脱がせて私も裸になりぴったりと抱き合う。
両脚をメニスの胴体に絡ませるとメニスがおう、と唸った。
これも普段に無いことだ。大抵は服を着たまま、私のスカートを捲くってメニスは私を犯す。荒々しく抱いた後は暫くベッドの上に横たわり、部屋へと戻っていく。
これは別にメニスが特別に乱暴だからという訳では無かった。
スオルムの兵士達も私達を犯す対象としてしか見ていなかった事もあるが、
なによりもメイド側の態度がそうだったと云う事もある。

犯されれば声も出るし、媚びも売る。
が、このように周りから見える所で犯されている時に必要以上に兵士に媚を売る事は危険も伴ったからだ。
事情は判らずとも幾らなんでもスオルムの兵士達が敵だと云う事位はメイドにも判る。
いついなくなるかも判らないスオルムの兵士に必要以上に媚を売れば後々禍根が残る可能性もあった。
だから大抵のメイドは必ずといって良いほど布団にもぐりこんできた兵士に対してお義理にでも拒むようにしていたし、自ら服を脱ぐような事はしなかった。
イかされる時に声を抑えられない娘や自分から腰を振る娘もいたが、
それは抱かれている時のことであり、ましてや相手は屈強な兵士で体力もある。
無理やりに上らされるのは仕方ない事だし、
またそれは暗黙のうちにお互いが見て見ぬ振りをする事になっていたが、
それでも皆、消極的な態度に終始するのが普通で、
だからメイドの大部屋はそれぞれのベッドを軋ませながらも
暗闇の中で奇妙に抑えた女の呻き声と時折抑えきれず高い声が交差するという
不思議な空間になっていた。

「セレス、俺の事を好きになったのか?」
「・・・言わせないで下さい。」
厚い胸板に身体を預け、男の乳首に舌を這わせながらそう答えると、又もメニスは満足げに唸った。
こうなると男は途端に優しくなる。
私の乳房を弄いながらメニスが「汗臭いだろう。」と気遣わしげに言うのに首を振った。実際は獣染みた体臭だったが。

反り返った隆起に手を添えてゆっくりと上下させながら胸板から首へ、唇へと舌を這わす。
苦くすっぱい男の汗の味が舌の上に広がったがその苦味が自分の目的を果たす為に神が私に与えた試練だと思えば寧ろ望む所だという気分になった。
舌先だけではなく、舌を長く伸ばし、全体を使って腋の辺りを舐めると吐き気とメニスの唸り声と共に自分の心の中からも満足感が浮かんでくる。
「汗、全部舐め取ってあげますね。奥様もそうなさってたでしょう?」
私の顔をちらりと見たメニスの顔つきは驚愕といっても良いものだった。
きっとそんな事はされた事が無いのだろう。
しかしメニスはずるい笑みを浮かべながらうむ。と頷いてきた。
それに合わせて腋から胸元、毛に覆われやや贅肉の乗った腹へと舌を這わす。
へそに舌を捻じ込んで嘗め回す。

獣染みた汗の味は吐き気と共に間違いなく怪しい興奮も運んできた。
メニスに言った事はあながち嘘でもない。
アレイストルスの女にとって好いた男の汗を舐め取るのは
愛撫の一手段として当たり前の行為の一つでもある。
昔からの風習の強い田舎の村では仕事から返ってきた男を裸にして
汗を布で拭うと共に男の身体の一部を女の舌を使って清めるという風習もある。
(女の舌を使う場所は村々で肩であるとか、首であるとか、もっと際どい部分であるとか違っていたが。)
ここまで丁寧には中々しないにせよ、
その気になった相手に対してアレイストルスの女は舌を使う事を厭いはしないし、
そしてそうする事によって自らの興奮が高まるのもアレイストルスの女の性質であった。
腹から下へと唇を進めると同時にメニスの顔を跨ぐとメニスが喜びの声を上げる。
「嫌?」
と聞くと返事の代わりにメニスの舌が私の中を割って入ってきた。
甘い感触が腰から広がってきて思わず仰け反る。

ふと横を見ると先程の隣のベッドの上段の娘が私の方を見て目を丸くしていた。
その子の上にも男が圧し掛かってぎしぎしと腰を振っていたが、
きっと明日には噂になっているだろう。もう構いはしないが。
先程悲鳴を上げていた下段の娘はいや、いやと言いながら器用に男の上で腰を振っている。

逆向きの男のものにちょんと口付けてから、一気に喉の奥まで呑み込んだ。
私からこうするのは初めてだ。相当な快感だったのだろう。そうした瞬間、腿がびくんと震える。
一瞬後に負けるものかという感じで差し入れられた舌を使われた。
口内を占領する熱い男のものを唇で締め付けながら声を出すと私の反応に気を良くしたのだろう。両手で私の尻を揉みながら私の中心に更に舌を使ってくる。
私も負けじと舌を使った。

暫くお互いにそうして汗をかいてから首を持ち上げると後ろを振り向いた。
先程とは逆のベッドの方を視線が過ぎると上段にいる男とメイドが口を開けてこちらをあんぐりと見つめているのが判った。
知った事か。
「ね、飲んであげる。」
後ろに首を回しながらそう言うとメニスはやに下がった笑みを浮かべて私の顔を見た。
「なんだ、こっちには欲しくねえのか?」
パシン、と尻を叩かれる。
「やん・・・一回目は口に。下さい。ね。」
メニスの顔が更に紅潮する。一回目はという言葉に興奮したのだろう。
「可愛いぜ。セレス。」
メニスの言葉を聞きながら顔を戻し、興奮の強さを物語るそれをまた喉の奥まで呑み込んだ。
興奮しきっていたのだろう。メニスが私の口の中で爆ぜたのはそれからすぐだった。
10回以上脈動してたっぷりと口の中に吐き出された精液を、私は全て飲み下した。


[PR]

----------------------------
Affair with a mouth | メール | WEB拍手 | アンケート | 人気ブログランキングへ |
by obtaining | 2010-08-23 10:24 | document

明日は

Yukiさんに連れられていつも通りふとんパスタさんの所でのたくたしていると思います。
東 I - 04 bだそうです。
[PR]

----------------------------
Affair with a mouth | メール | WEB拍手 | アンケート | 人気ブログランキングへ |
by obtaining | 2010-08-14 17:03 | diary

にっき

という事で来月からこのブログはうにさんのワクワク子育て日記になります。
(写真とかをちりばめた感じの)


ならないです。多分。


いつもの如くブログを更新していない期間のほうがぺちぺちぺちぺちと書いております。
個人的には自分が書ける4種類くらいの話(SSエロ、SS普通、SS版権、体験談風一人称)
を同時に書けると幸せなんだろうなあと思うけど難しいよねえ。

トトリは最終的にそれほどグッとこなかったのでグッと来るゲームを探しているのですが、
何か無いですかね。GTA4を始めてしまい、とても楽しいのですがSSにはならなさそうです。

あ、15日はいつもの如くYukiさんに手を繋いで連れて行ってもらい、
ふとんパスタさんの所で楽しく遊びつつ飲んでくる予定です。
[PR]

----------------------------
Affair with a mouth | メール | WEB拍手 | アンケート | 人気ブログランキングへ |
by obtaining | 2010-08-10 13:42 | diary

日記

リアルな話していい?

もうすぐ第一子が産まれる予定なんですが(多分女の子)、どんな名前にしよう。
名前って今まで下手に色々考えてるもんだからいざ自分の番になると本気で悩む。
[PR]

----------------------------
Affair with a mouth | メール | WEB拍手 | アンケート | 人気ブログランキングへ |
by obtaining | 2010-08-06 16:51 | diary