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悪戯が過ぎて大騒ぎ
悪戯が過ぎて大騒ぎの続き
吹奏楽部
昭和
習作
留学

あと色々あった気がするけどとりあえず記憶に残っている分。
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by obtaining | 2009-05-31 20:37 | diary

ペルソナ4 りせ SS

バイクに乗りたい。
小さい原付で良いから、休日にヘルメットを被って海に向かって出発してみたい。
自転車じゃ駄目。ペペペペペって音をさせながら、道路を走ってみたい。

友達とライブに行きたい。招待されたVIP席とかそんなのじゃなくて、気の合う友達とかと、
お洒落して、B席とかで良いから好きなバンドのライブに行って思いっきりおしゃべりしたい。

煙草は・・・いいや。匂い、嫌いだし。

SEXしてみたい。
好きな人とって意味じゃなくて。好きな人とはデートしたり、キスしたりいろんな事をしたいけれど。
そうじゃなくてそういう意味とは別でSEXって行為をしてみたい。
もちろんするなら好きな人としかありえないけれど。

私が言いたい事、わかる?


@@

「んっ・・・・んんっ・・・あはっ・・・気持いいっ・・・」

ピンク色の鶉の卵がぶるぶると震えている。
ゆっくりと周囲をなぞる様にしてから、クリトリスに近づける。
ちょんと触れて、ちょん、と話す。
少しだけくっ付いた瞬間、電気みたいな刺激が頭の頂点まで駆け上って、意識せずに口からんんっ!って声が漏れる。

「やだぁ・・・見ないで、先輩。恥ずかしいから・・・」
膝と膝をくっつけて見せちゃいけない場所を隠す。

最後に残っていたブラを捲り上げる。乳房に引っ掛けて胸が出るようにする。
「いやぁっ・・・」
胸を触る為じゃない。こうすると、なんだかとてもいやらしい気持になるから。

また、そこにちょん、とくっ付けて離す。
「うんっ!・・・」
自分でもびっくりする位甘ったるい声。
胸の上に引っ掛けたブラを外して全裸になる。

「や、先輩・・・」
両膝に手を掛ける。
手に力を入れて、足がM字型を描くように思いきりがばっと広げた。
「ああああっ!先輩っ!いやっ!恥ずかしいっ!だめっ!」

寝転がって両膝に手を当てて、思い切り脚を開いた格好を見られている・・・。
今の自分の格好のあまりの恥ずかしさに顔を横に向けたまま、じっと耐える。
「やだぁ・・・ひどい・・・ひどすぎる・・・私のそんなとこ、見るなんて・・・やぁ・・・見ないで、先輩・・・」
恥ずかしい所をじっと見られてるのを感じて、かあっと顔が紅潮するのを感じる。

「やっ!開いちゃだめっ・・・先輩っ・・・おねがいっ・・・」
右手の中指と人差し指で開いて。
同時に左手でぶるぶると震えてるそれを押し当てる。
「んっ!だめっ!先輩っ!そんな所舐めちゃだめっ!き、汚いからっんっ!あんっ!あっ!ああああっ!」
刺激と同時にきゅうっという感じで不思議な位に私の背中が自然に反りかえってくる。

脚がぴんて伸びる。自分でもちょっと自慢の、皆が形が良いって褒めてくれる脚。
ぶるぶるの振動をぎゅっと押し付ける度に、頭の中に強烈な刺激が送られてくる。
息を吐く度にあん!とかんっ!ていう恥ずかしい声がひっきりなしに漏れ出てきて、
そしていつの間にか腰がはしたない位に持ち上がってくる。

持ち上がった腰が自然に前の方へ、ぶるぶると振動するそれに押し当てようとして
もっともっと、っておねだりするような、なんだかすごくはしたない感じに動く。

「あああっやっそんなっいくっ、いくっいくいくっ。せんぱいっおねがいゆるし・・・・やぁいくっ!
あんっ!凄い、先輩っ!だめっ!すごいっ!ああっいくっ!んっ!大好き!いくっい・・くっ・・・!・・・・んっ!」
歯が自然に喰いしばる形になって、脚がばたんっと布団を叩く。
同時に背筋がぐぐうっと仰け反って、私のそこがきゅうーっと収縮する。
「ああっいっちゃ・・ったぁ・やぁっ・・・」

頭の中で火花が散ったような一番強烈な快感の後、
一瞬止まった息を吐き出すと同時にぎゅんと反った背中が戻る。
トレーニングマシーンで10Km位走った時みたいにはあっはあっと息を吐く。
私のそこが何回も何かを欲しがってるみたいに収縮して、
その度にさっきと同じ火花のような快感が頭の中でぱちっぱちっと弾ける。
蕩けるみたいな幸せな気持。
その気持のまま、ゆっくりと右手を上げて中指と人差し指の2本指を揃えて口の中に入れた。
ゆっくりと先端を舌で嘗め回す。
楽屋の中にあった雑誌に載っていた事。
『最後にお掃除してあげると男の人は喜ぶ』
お掃除ってのはこう云う事。
指を根元まで口の中に入れて、舌を這わせながら時々ちゅう、ちゅうと中指と人差し指の先端を吸う。
先輩の、それを綺麗にしていく。きっと喜んでくれる。

暫く舐め回して、満足いくまで中指と人差し指を唾でとろとろにした後、ちゅぽんっと手を離して、
幸福感で一杯になったまま布団の上で息を整えた。

「はあっ・・・いっちゃっ・・・た。」
「先輩も、気持ち、よかった?」

目を瞑ったままそう言うと、先輩が、頷いてくれる。
私は取っておきの笑顔で笑いかける。
今、私の顔は上気していて、髪はちょっと乱れていて、靴下以外、何も身体に身に付けていない。
だらしなく見えるだろうか。それとも、色っぽい?

胸に手を当てて、息を整えて、上半身をくっと持ち上げて起き上がる。
「りせの事、好き?」
目の前の先輩が、頷いてくれた。
「ああ、りせの事、好きだよ。」

私は幸せな気持になって、目を閉じた。
ゆっくりと頭の中で今の先輩の言葉を反芻するように何回も繰り返す。
目をあけると、先輩はいない。
でも幸せな気持は続いたままだ。

だらんと弛緩した思考のまま周囲を見回すと部屋中に脱ぎ散らかした制服が目に入って、ちょっと溜息が出る。
早く片付けておばあちゃんがお店の片付けするお手伝いしなきゃ。

なんて事を裸のままぼうっと考えながらんんっと伸びをした瞬間、目がなんだか私の脳みそに違和感を訴えてきた。
ん?いつもより、部屋、明るい?
胡乱な頭を振りながら窓の方を見て、そしてカーテンを閉めてなかった事に気がつく。

え、ええええええええ。

弛緩した頭の中が一気に覚醒した。
いまだがくがくしてる脚を抑えながら慌てて立ち上がって窓まで走って、ジャッと音を立ててカーテンを閉める。

み、み、見られてないよね。
窓に向かって思いっきり脚を開いていた事に気がついて一瞬パニックに陥りそうになる。

こんなとこもし見られたら恥ずかしいなんて話じゃなくなる。
記者か熱狂的なファンにでも見られたり写真を撮られたりなんかしたら
インターネットか何かで瞬く間に全国の皆様の間を駆け巡る事になるだろう。

『りせちー虚しく1人遊び!!その衝撃の写真を本誌は極秘入手した!』
週刊誌の煽り文句が頭の中に浮かんで、慌てて頭を振った。

手早く脱ぎ散らかした制服を拾ってブラジャーとスカート、
それからシャツを身に付けながらそおっとカーテンの隙間を覗く。
羽織ったシャツが火照った身体にじっとりと貼り付いて気持ち悪いけれどこの際構わない。
ボタンまでは留められなかったから、胸のところでぎゅっとシャツの前を掴んで閉じる。
眼下にはいつもの商店街。変な所は無し。
右、左、右、と確認すれど変な人影も無し。
ほうっと胸を撫で下ろしてぺたんと畳に座り込んだ。

うう。
カーテン開けたまま1人えっちって。
いくら頭の中でその事ばっかり考えて帰って来たからって、いくらなんでもカーテン開けたままって気、抜きすぎ。
反省する。

なんか、緊張感が薄れているのだろうか。
昔はもっと、こうこっそりとやっていた気がする。
真夜中の、家族が寝静まった後とか。
こんな風に学校から帰ってバッグを置くなりなんて事、してなかった気がする。

はあ。先輩と一緒に帰って、部屋に着くなりカーテンも閉めずに一人えっちって。
痴女かも、私。
いや、でもでも私、処女ですよ。りせは処女です。
おかずも先輩ですから。ご心配なく。
と先輩に向かって言い訳してみる。

うーん。にしたって、最近ちょっと回数多過ぎかも。と思う。
いつのまにか学校から帰った後と、寝る前の1日2回が癖になってる。
休日とか、へ、下手したらもうちょっと・・・
でも昔っからそうだったって訳じゃない。
初めてしたのは小学生の頃。でもその頃はほんの少し触るだけ。それも週に1回とかその位。
それがいつの間にか、そう、アイドルになった頃から日課になって、
今じゃこんなおもちゃまで使っちゃって本格的になる事この上ないという感じになってしまった。
その挙句が、気を抜いてご近所様に大公開なんて事になったらそれこそ痴女じゃないか。

さっきまでの幸福感はどこへやら。ちょっとした自己嫌悪に陥る。
皆こんな事してるんだろうか。
多分してないだろうな。と思う。
こんなにいっぱいしてるのなんて、きっと私だけだ。

私は小学生の頃、内向的な性格だったけれど、でもそれでもどんな事だって出来たから。
だからこう云う事は週に1回で済んだ。他にしたいいけない事なんて、沢山あったから。

アイドルになってから、そうじゃなくなった。

バイクには乗れないし、ライブにも行けない。
煙草、はいいや。SEX、も、多分無理。
それ以外も、買い食いにサボり、高校生がこっそりしてるような楽しい事、全部。
私には出来ない。
そんな事考えちゃ駄目だったから。
りせちーはそんな事、考えてもいけないから。

そうやっていろんなやっちゃいけないやってみたい事を抜いていった後、
私に残った誰にもばれない唯一の反抗的なことがこれって訳。
きっとそれが、理由。

う、ま、まあ、そんな言い訳をしなくても、
1人えっちを止められる自信はこれっぽっちも無いのも確かなのだけれど。

でもこれが、私の唯一の息抜きって事。それは間違いない。

アイドルの時から、アイドルをやめても、それは変わらない。
元アイドルのりせちーはバイクも、ライブも、全部無理。
とりあえずやってみたい事は全部出来ないから、
だから私は私に残された唯一の悪いことのこれをしているって訳だ。


@@

「直斗~。おはよう。」
「あ、久慈川さん。おはよう。」

私が声を掛けるとぴたっと立ち止まってくれた。
折角仲良くなれたのだし、りせちゃん。位は言って欲しいのだけれど
直斗はいつまでたっても私の事を苗字で呼ぶ。
それでも最近は随分話すのにもなれて、こうやって挨拶すると少し嬉しそうにしてくれる。
今日は学校の行きに会えてちょっとラッキーかもしれない。と思う。

直斗とは意外と気が合うような気がしていた。
女の子っていう事を隠したい直斗とアイドルって事を隠したい私。
どっちも何となく、クラスメイトに遠巻きに見られてる感じの存在。
マヨナカテレビの事だけじゃなく、なんだか似たもの同士な気がしてちょっと親近感が湧く。
だから私は時々直斗を昼ご飯を誘ったりして一緒に食べたりしている。

その甲斐あって最近はこうやって挨拶をすると当たり前みたいに2人で立ち止まったり、
一緒に歩いたりして色々と話す事も出来るようになった。
つまり、友達になったって訳だ。
直斗がどう思っているかは判らないけれど、少なくとも私は直斗の事を友達だと思っている。
その、本当の意味で。

今日は登校途中に会ったから、学校へ向かって一緒に歩く事になった。
てくてくと歩きながら直斗の顔を見ると、顔を見られるのが苦手なのか
私の視線に気付くなり少し恥ずかしそうにしてくる。

でもこうやって見ると直斗は男前、というと語弊があるかな。なんだか凄くかっこうが良く感じられる。
顔立ちが整っているし、スタイルだって実は良いし。
ユニセックスな感じなのに、実はおっぱいなんて私よりあるし。む。
お化粧とかしなくてこれだからなあ。
本気で女の子っぽい格好をするようになったらなんか凄そう。

そんな事を考えながら歩いていたら、ふと昨日呼んだ雑誌に沖奈にある喫茶店でケーキ食べ放題が今大人気。
という記事が載っていたのを思い出した。
その時は今日の放課後にでも先輩を誘ってみようか、
駄目だったら1人で行こうかなと思っていたけれど、直斗を誘ってもいいかもしれない。
というか誘って一緒にケーキ食べたい。おしゃべりもしたい。
なんだかすごく良い事を思いついた気がする。
ぴこーんと頭に電球が点いたみたいなナイスアイデア。

「直斗さ、今日の放課後、ケーキ食べに行かない?」
思い立ってそう言うと、直斗はちょっとびっくりした顔をした。
「・・・け、ケーキ、ですか。ど、どうしようかな。ちょ、ちょっと僕は・・・」

そんな事を言いながら首筋が少し赤くなっている。
きっと頭の中で『ケーキ食べたいな。でも女の子っぽく思われるかも』とか
下らない事を考えているに違いない。
ふふふ。探索のプロを舐めてもらっちゃ困る。
敵の弱点を突く事にかけてはちょっと一家言あるのだ。

「チョコレートケーキが凄くおいしいって噂なんだよね。そこ。」
ぴくり、と直斗が横で震えたのを感じた。

「直斗が駄目なら、先輩誘って二人で行く事にしようかなー。」
先輩と二人でに軽くイントネーションを置いてみる。

果たして敵は釣竿に掛かった。
そしたら買い物とか付き合ってもらおうかな。
私下着とか欲しいなーと思ってるんだけど先輩にどんなのが良いか見てもらっちゃおうかなー。
と続けた瞬間、直斗が向き直ってくる。

「そうですね。今日は特に用事も無いですし。ケーキ、にはそんなに興味は無いのですが。」
ふふーん。と自然に笑顔が出てくるのが自分で判る。
「ほんと?嫌だったら良いんだけど。」

「え、いえ。久慈川さんが良いのなら連れて行ってください。
そ、そのぼ、僕も全く興味がない、という訳でもないですし。」
真っ赤になっている。
笑顔が抑えられないのが判る。慌てて横を向く。
もう、超可愛い。直斗。
横を向いたまま言った。

「ん。じゃあ、約束ね。放課後クラスに迎えに行くから一緒にケーキ食べに行こうっ。」

@@

なんだか授業が耳に入らない。
超ハイテンションになってるのが自分でも判る。
あれ、直斗と約束したから?と思って本当にそうである事に気がつく。

うん。そうっぽい。その事ばっかり考えてる。
直斗と、何の話をしよう。ファッションの話?最近のテレビの話?
それとも、先輩の話?
えっと、それとも、1人えっちの話とか。
うそうそ。絶対いえないし。

う・・・何でも1人えっちに関係して考えるの、やめよう。
なんかそのうちぽろっと口に出そうだし。
先輩にでも聞かれた日にはそれこそ悲劇だ。

教壇に立って授業をしている先生の声を右から左に聞き流しながらふと思う。
女の子とただ遊びに行くっていうのがこんなに楽しみなの、久しぶりかも。
ていうか、私が友達になりたくて、私が誘って約束して遊びに行くって、本当に久しぶりかも。

なんか、わくわくする。
直斗も、楽しみにしててくれるかな。
授業終ったらすぐ誘いに行こうっと。

そんな事を考えながら、ふと昨日考えた事を思い出す。

私のしたいことって、こういう事かも。
直斗とか、先輩とか、雪子先輩、千枝先輩、花村先輩、完二、クマとこうやって遊ぶって事。
きっと私が不満なのはりせちーにできなくて、りせに出来るはずの事が出来ないって事なんだ。


バイクもライブも煙草も、う、SEXは、ちょっと、あるかも。あ、でも先輩とだけね。
ん。でも実はそれってそんなに興味は無いんだ。
どっちかっていうと私、根がインドア派だからそもそもバイクなんか無理だと思うし。
皆がやっている事を私も一目を気にせずに(ちょっと気にしながら)やってみたいってだけ。

無理なことがあるのは判ってる。りせちーである事を全部否定する事だってできないって事も。
でも。こうやって毎日皆と遊べば、皆が遊んでくれれば。

その、もしかしたら1人えっちの回数も減るかもしれない。
そう思った瞬間、昨日のあれが頭に蘇って首にかっと血が上ってくるのを感じる。
どんなに盛り上がってても絶対カーテンは確かめる事。
ま、まあ、実は、えっちな自分も嫌いじゃないのだけれど。
・・・そんなに回数、減らないかも。

でも。でも今日はこんなに楽しみだ。
皆がやっているちょっといけない事。
それが一つ出来そうなだけで、こんなに楽しみだなんて。
これからはちょっと、私から皆を誘ってみようかな。と思う。
千枝先輩と二人でとか、結構、面白そう。勿論皆一緒にでも。

りせちーにできなくて、りせに出来るはずの事。
それやって、こうやって一つずつ増やしていければいいなって。

うん。
そう私は思う。




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by obtaining | 2009-05-20 15:37 | document

ペルソナ4 千枝 SS

男勝りだとか、カンフー馬鹿だとか言われるけれど。
あたしだって大方の女子高生と同じく、恋愛くらいはする。

うん。
する。

ん。
まあ、得意じゃないのは確かだ。
雪子とは違う意味で得意じゃないと思う。
雪子は何かこう、男に興味ないって感じだけどあたしは興味ないわけじゃない。
そうじゃなくてんー。
なんて言えば良いのか。こう、女の子扱いされないんだよね。
男女両方から。昔からさ。
だからあたしの方も女の子扱いされない方に慣れちゃって
ますますこうそういうのから縁遠くなっていくっていうか。

何も好き好んでそうかっていうと別段そうでもなくて変えるチャンスを逃したっていうか
これはこれで心地良いかなと思ったりもしなくも無いし。
でも偶に考えるよね。女の子からラブレター貰っちゃったりした時とか。
えええええって感じな訳だ。
だってあたしは普通の女の子な訳だし。だから恋愛対象は当然、男の子だ。
そんなこと言われて、どうすればいいのさ。
ま、あんまり難しく考えるの好きじゃないしさ。
じゃあどうすればいいのかとか判らないし。

でも、あたしだって考える訳。
女の子からラブレター貰っちゃったりした時とか。
女の子と話すのが苦手でどもっちゃうっていう男の子がとても流暢に話しかけてくれた時とか。
体育の授業の時、先生が「お前は男の子に産まれた方が良かったかも知れんな」なんて言った時とか。
あとついつい花村とかの男の子達に混じって馬鹿話しちゃった後とか。

そう、それとあと、好きな人ができた時とか。


@@


「んんっ!いっ・・・く・・いくいく、やっ・・・んっ!」
信じられない位の幸福感。
頭の中がぼんやりとする。
火照ったままひくひくと自分の意志とは関係なく痙攣する体が私の事を女の子だって強烈に主張してくれる気がする。
「んっく・・・・」
はあ、と溜息を吐こうとすると漏れ出る私の女の子の声
動かそうと思っても足の指はぴんと反ったまま頭で考えてもピクリとも動いてくれない。
幸福感に包まれたまま、自分の体が自分の意思で動いてくれないこの不思議な感覚も私はとても好きだ。

その感覚が暫く続いた後、ゆっくりと私の体に実感が戻ってくる。
それも好き。

でも。
「3回目・・・」
あああああ、とベッドにうつ伏せ、枕を頭の上に乗っけて身悶える。
実感が戻ってくると同時に襲ってくるこの猛烈な自己嫌悪だけはどうにかならないものか。

「あーもう。なんで~。」
ちらりと時計を見るともう12時になっている。
お風呂から上がったのが確か10時だった。
お風呂から上がって、テストも来週だしマヨナカテレビにもいかないから
今日は殊勝に少し勉強でもするか、と考えて。
考えて。

考えて。

「あああああああああ」
3回もする事は無いと思う。
1回目はもう欲望のままちょっと乱暴にされる感じで。
2回目はちょっと落ち着いたから優しいイメージで。
3回目はデートの後にいちゃいちゃしながらとか考えて。

「うあああああああああもう、3回も何やってるんだあたし。もう!もう!」
でもなんかもう最高に満足感があって眠くなってくるし。

さすがに裸で寝られないから
立ち上がってもそもそとパジャマ代わりのジャージを穿く。
ばたん、とベッドの上に倒れる。

ふう。
もそもそと毛布の中に包まりながら
満足感と自己嫌悪とまどろみの混じったなんだかごちゃごちゃの頭の中で考える。
皆、こんな事やってるんだろうか。
・・・あたしだけだったりして。

雪子とかどうなんだろ。
するのかな。えー。あの雪子が。
1人で。なんかすごいエッチだな。それ。
してなかったりして。絶対聞けないしな。

ていうか雪子は・・・処女、だよね。
私と一緒で。
うん。そんな一大事があったら私に教えてくれないはずないし。

処女なのにこんなんでいいのかな。
こんな事して。
私エロなのかも。
彼氏が出来たら、きっと許しちゃうだろうな。

雪子はどうだろ。
雪子はきっと許さないだろうな。
雪子が好きな人に・・・
ああ、きっと、雪子の好きな人も、あの人なんだろうな。
デートすっぽかされて怒るなんて。笑っちゃう。
でもとっても可愛かった。雪子。

ああ、でもちょっと悔しかったな。
あたしも特訓とかじゃなくて買い物とかしたいな。
そう思ったの、雪子にもばれたかな。
ちゃんと聞いた事は無いけれど。
いつか、ちゃんと話さなきゃ。

雪子怒るかな。
あたしって駄目な友達かも。
雪子の多分好きな、でもあたしの好きな人でもある人の事考えて・・・

あーもう。頭の中エロバカになってる。

特訓の後とか・・・
あたしがシャワー浴びてたら・・・
後ろから入ってきて。

「何?だめだよ入ってきちゃ。やだっ・・・」

・・・やばい。すぐいっちゃいそう。
手がいやらしい所に潜って来る。
やばい。凄い濡れてるし。
終って着替える体力残ってるかな。

もどかしくジャージの下に手を入れて、さっきまでも触ってた、一番敏感なそこに触った瞬間、
電流が走ったみたいな快感と同時に背筋がぐぐっと反った。

「あーもう、だめっ!そこ触ったらだめだよ・・・ん!ああっ!や!だめっ!
そこって・・・だ、だからく、クリトリス・・・やだ言わせないでぇ・・・ん!んっ!んっ!
んっ・・・やだいくっ!よ、よんかいもっよんかいっ目っんっいくっ!
ダメ、あああああいっちゃうからだめ、触っちゃ・・・んんっ!・・・」

・・・

・・

ああ、

「あたし、馬鹿?馬鹿だぁ・・・」
なんでこんな盛り上がってるのか。
そしてなんだろ、この満足感。
こんなんで満足しちゃっていいのかなあ。
・・・私今、顔すっごいだらしなくなってるんだろうなあ。

いつの間にか瞼がくっ付きそうになっていて、慌ててベッド脇の時計を確認する。
目覚ましはきちんと掛かっている。寝て良し。
ゆっくりと枕に頭を預ける。
そしてなんだか女の子っぽいなあ。と思いながら口に出す。
最近の寝る前の口癖。あまりの自分らしくなさにニヤニヤしてしまうそれ。
ゆっくりと目を閉じる。

「おやすみ、主人公君。なーんて。」



@@

「ねえ、千枝、もしかしたら、もしかしたらなんだけどさ。」

放課後雪子に連れられて、今日もジュネスに来ていた。
本当に私達ってジュネス好きだな、いや、他に遊ぶ所無いからか。
なんて考えながらフライドポテトを摘む。

雪子はさっぱりした顔をしていて、ジュネスに着くやいなや
昨日はありがとう、私も、千枝の事が好きだよ。
なんて事を言ってきた。

もうなんか邪気の全然無い、目尻の下がったすっごく可愛らしい殺人的な笑顔で。

その笑顔を見て、あー、雪子、もてるわけだわとなんだか奇妙に納得してしまう。
色白の肌に艶やかな黒髪と整った顔立ち。着物の似合うスレンダーな体系。
好きだよ、なんて言われると女の私でも胸がきゅんとなる。
それになんだかなんだろう。最近の雪子は明るい。
今日だって昨日の不機嫌さはどこへやら。なんだか雪子には珍しく超ハイテンションだ。

まあ、今日は主人公君とお弁当食べてたみたいですし。
あれまあまあ早速仲直りしたのですかね。
それで上機嫌なのですかね。雪子さんは。
と何故だかなんとなく揶揄したい気分にもなる。

「聞いてる?千枝?あのね、」
「何?」

別に雪子と主人公君が仲直りしたから私が不機嫌になる事は無いのだけれど。
リボンシトロンのストローを咥えながら生返事をした瞬間

「千枝も主人公君のことが好きなんだよね。」

あまりの事にがふっと咳が出てジュースが逆流する。
「な、な、なな、な、な」
何を言っているの雪子と言いたいのだけれど言葉が出てこない。
私の様子を見てか見ないでか雪子は勢い込んで話してくる。

「やっぱりその、昨日考えたの。千枝にはちゃんと言おうって。
その、私が主人公君の事を好きなのは、その、判ってると思うんだけど。
その、千枝も、主人公君のこと、好きなんだよね。」

赤面しながら話を続ける雪子を唖然と見つめる。
今言うか。
こっちは準備整ってないっての。
天然にも程があるだろう。
ていうかなんでばれてってえ?ええ?えええ?

「な、な、なななんで雪子。」
「いや、多分って思ったのは昨日だけど。
考えてみれば千枝、いっつも主人公君の事目で追ってるし。で、そうなんだよね。」

うんうん。と雪子は頷いている。
かああああ、と首に血が上ってくるのを感じる。
やばい、今私きっと否定できない位に真っ赤になってる。

「うん。やっぱりそうなんだ。」
うんうんと頷く雪子に否定するなら今だ、と思うのだけれど体が動かない。
そして私の心の中の何かも認めてしまえ、と言っている様な気がして。
頷きながら私の顔を見ている雪子につい頷いてしまう。

いくら雪子でも好きな人の話をするなんて、とても恥ずかしい。
なんだか雪子の顔も見れなくなって、俯く。

「素直で宜しい。でね。はい。千枝聞いて。私達にはライバルがいます。」
「ら、ライバル?」
このまま黙ってると今日はもう一言も喋れなくなる気がして振り絞って声を出す。

「そう。りせちゃんもそうだし、直斗君も、そうかも。」
「え、りせちゃんはともかく、それはないんじゃない?」
「んーん。こういうのは最大公約数で考えておけば損しないから。花村君もいれておこうか。」
「ないない。あいつはない。」

雪子がぴっと指を出す。
「でね、私考えたの。ライバルは少なければ少ない方が良いって。」
「ど、どうやって?」
「それを千枝と一緒に考えようかなって。」

雪子はずずず、とジュースを飲みながら真剣な顔をしている。
なんだか可笑しくなった。

私の好きな人がばれる時は、きっともっと険悪になるかもしれないと思っていたから。
なんだか嬉しくて笑いかけると雪子もにこっと笑ってくれた。

私も話に乗ってみる。

「まずは、2人でお弁当を作るとか。」
「あ、いいねそれ。」
「で、月曜と水曜は雪子、火曜と木曜は私が一緒にお弁当を食べるの。」
「金曜日は?」
「3人で一緒に。花村の馬鹿とかも呼んでも良いかも。
あ、そしたら金曜日は主人公君にお弁当作ってきてもらおうよ。」
「うんうん。」

雪子は何か考えながら深く頷いている。
いつもの私達だ。

「そしたらあたしと雪子の一騎打ちになるね。」
悪戯っぽく言うと雪子もつんと澄まして負けじと言い返してきた。

「私を選ぶといざって時には将来仕事には困らないから。」
天城屋旅館の一人娘ですから。と言ってくる。

ちょっと考える。
「私はいやらしい事とかOKだし。」
そういうとえええええ、と雪子が目を丸くした。

「わたしは、ちょっと、それは・・・無理。」
「じゃあ、あたしの勝ちかも。」

「でも・・・う、うう。千枝はOKなの?」
「う、突っ込んでくるとは思わなかった。た、多分OK、かな。」
「わ、わたしは恥ずかしいな。ちょっと。」

そんなこと言って。雪子も1人で3回もしちゃったりするのかも。
なんて昨日の事を思い出して馬鹿な悪戯心が湧いてくる。
でもまあそんな事は聞けない。

「じゃ、じゃあさ。明日は水曜日だから私の番だよね。か、買い物して帰ろうかな。」
「いいね。何作る?」
「お弁当、お弁当、主人公君、何が好きだろう。カレーかな。」
「カレーなら肉だね。あたしは明後日、何にしようかな。ステーキとか。」

2人で立ち上がる。
夕暮れが落ちてきてもうすぐ暗くなる時間帯。

雪子が笑いかけてきて、それで私は嬉しくなって、
バスケットボールのシュートの格好をしながら紙コップをゴミ箱の方に向かって投げた。


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by obtaining | 2009-05-18 10:02 | document

SSとか

勢いでペルソナ4SSをばーっと何本か書いた所
身内の方々がペルソナ4買ったりSS書こうとしてたりしてうれしい。
2次SSにはこういう楽しみ方があるのか!みたいな。
ゲーム自体面白かったしSS書きやすいよね。ペルソナは。
買ったゲームクリアしない率85%の俺が2週しているんだから間違いない。


そういや面白いなーと思うのはこういう版権ものSSって言えばいいのか2次SSっていうのは
実際うちのサイトだと反応薄いんだけど結構な数検索リンクから来たりするのね。
(グーグルでペルソナ4 直斗 SSでググると何故かうちがトップに来るんだが俺のマシンだけか)
ハリーポッター辺りも未だに検索で来たりして。
2次SSの方が訴求力みたいんがあるのだろうか。

これからSSサイト立ち上げたい、人も呼びたい。
みたいな人はとりあえず版権ものから入ってくと楽なのかもしれない。
仲間も増えるしー。
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by obtaining | 2009-05-17 23:54 | diary

ペルソナ4 雪子 SS (自慰フェスタ参加その1)


「ううん、別に特に気にしてないから。」

尖ってるみたいに聞こえる声。
意識的に突き放したみたいに口に出した声。
やだなあ。と思う。
性格悪くなったんじゃないだろうか。私。

彼が困った顔をして頭を掻いているのをいらいらしながら見ていると、
廊下をすれ違った同級生が私の顔を見ながら少しびっくりしたような顔で通り過ぎていく。

きっと私の不機嫌そうな顔にびっくりしたんだろう。
昔だったら、取り繕うように笑えたのになあ。
いや、中学生位の頃からは学校で不機嫌そうな顔すらも殆どした事は無かった。
喜怒哀楽は、出来るだけ奥に押し込めていたから。

無難にクールそうに取り繕う態度と、いざと言う時の愛想笑いは
天城屋旅館仕込みの私のトレードマークだから。

ああ、困ったような顔でこっちを見ている。
「りせちゃん、待ってるんじゃない?」
もう一度突き放すように言う。言葉に出した瞬間、ずきん、と胸が痛む。

そう思いながらも彼が頭を掻きながら立ち去るのを見て、また少し、胸の奥がもやもやとする。
これからりせちゃんと楽しく帰るんだ。
どっかで買い物とかしちゃうんだ。
なんかちょっとしたハプニングとかおきちゃったりして
これは先輩とりせの秘密ですね。なんて言われてにやにやしたりしちゃうんだ。

ああ、自分が嫌になる。自己嫌悪に陥る。
「じゃあ、天城といるよ。」
なんて言われたら今よりずっといらいらしてしまう事なんて、判ってるのに。

@@

「雪子がこんなに恋愛体質だとはねえ・・・」

がふっと咥えていたストローを吐き出す。
飲み込もうとしていたコーラが口の端から垂れる。

「ち、千枝?わ、私、そ、そ、そんな事言ってないじゃない。私は私と先に約束したのに、
後から約束した、りせちゃんとの約束を優先するその神経が判らないって言っているの。」

慌てて口を拭いながらそう言うと千枝が私に向かって気だるげに手を振ってみせてきた。
「いーのいーの。判ってるから。あーあ。私の雪子、取られちゃったなあ・・・」

「だから、違うって、怒るよ千枝!」
ばんばん。とテーブルを叩くと、バキッ、と派手な音がした。
そんなに強く叩いてないのに。
なんだかすごくはしたない事をした気分になってかっと顔が赤くなる。
う、プラスチック製の机はこれだから。
フードコーナーと言えども風雪に晒されるんだからもっと丈夫なテーブルと椅子にするべき。
花村君に、テーブルは頑丈にしたほうが良いよ。とアドバイスしようか。
と頭の中で慌てて花村君の所為にする事で、「こんな所、もし見られたら凄く恥ずかしいんじゃ・・・」
なんて事を咄嗟に考えてしまった自分の思考をそらす。

「そういうのじゃなくて、信頼関係の問題でしょう?約束って、そういうものじゃない。
私は真面目な話をしてるの。これでもマヨナカテレビの問題とかだって真面目に考えてるし、
だからこそお互いが信頼できない状態って何笑ってるのよ千枝…」

オレンジジュースのストローを咥えたまま肩を震わせてくっくと笑っている千枝を睨みつける。
と、千枝はひとしきり笑った後、少し笑いながら、少しだけ真面目な顔をした。

「あーあ。おかしい。だってさ。
今までの雪子だったらさ、男の子との約束なんて、そんな事した事あったっけ。
ま、でさ、もし、もしそういうのがあったとしてもさ。
それがすっぽかされたからってそんなに怒る?雪子が?」

「だから、すっぽかされた事に怒ってるんじゃないの。」
「んーん。違うね。すっぽかされた事に怒ってるんだよ。雪子は。」
「な・・・」

被せるような千枝の言葉に絶句した。
「だから、要はさ。雪子は嫌だったんでしょ。主人公君がりせちゃんと仲良くするのが。」
「ち、違うってっ」
思わず叫んだ後、違うもの。と小さく付け足すと、千枝ははあ。と溜息を吐いた。

「じゃあさ、どうすればよかったのさ主人公君。雪子に謝ってきたんでしょう?
しょうがないじゃん。あの子がパパラッチに困らされてるなんて聞いたらさ、
主人公君の性格だったら助けに行こうってそうなるでしょう。
主人公君が、そういうのほっといて雪子と遊ぼうなんて性格じゃないの雪子だって知ってるでしょう。」

「あ、遊びに行くってその、そういう訳じゃないし・・・」
そう。助けを求められたら断れない性格だなんて、そんな事は判っている。
判ってて、でも嫌なんだもの。

「で、そういうの知ってて、それでも嫌なんでしょう。
 はあ。まったく、雪子こういう所は中学生みたいなんだから。」
「な、な、何が中学生よ。」
「えーと。愛情表現の幼さ?」
ふふん。という感じでこちらを見つめてくる千枝に思い切り怒鳴る。
「あ、あ、愛情表現なんかじゃないっ!千枝!怒るよ!ぜ、全然違うよ。」

「違わないって。」
こちらが怒鳴ってもどこ吹く風だ。
これだから親友って言うのは遠慮がなくて困る。
怒鳴った言葉の行き先が何処かへ行ってしまって、でも悔しいから知らない。と言ってそっぽを向いてやる。

「白状してみ。主人公君がりせちゃんと仲良くして嫌だって。うりうり。」
なんだか千枝にそうやって言われると自分が物凄く幼いような気分になる。
ストローを咥えたまま私をからかう千枝に邪険に手を振りながら、
悔しまぎれに反撃するつもりでくるりと向き直った。

「千枝、いじわる。大体千枝だって普段はこういう話弱いくせにさ。
千枝の好きな人の話だって、私まだ聞いてないよ。」

その瞬間、千枝の頬がぼっと染まった。
ボーイッシュな振りをしていても実はこの手の話に千枝は弱い。
すぐに赤くなるし、絶対に本当の事を話さない。
普段なら私がからかう役なのだ。

「ゆ、雪子、わ、私の話はいいよ。」
「散々からかっておいて?好きな人、いるんだよね。さて、誰なのかな。」
「ほ、本当にいいから。」
真っ赤になって横を向いてしまう。
それを見て、また私もストローを咥えた。
今日はここまでにしておく。深追いしないのが私達のルールだ。

暫く黙ったまま、赤く染まった夕暮れを見ながら2人でずずず、とジュースを啜った。
千枝がなんだか真面目な顔で、夕日を見ていた。
ボーイッシュなようで実はとても女の子らしく整っている千枝の顔。
ちょっととんがった唇がかわいらしい。

ぼう、と千枝の横顔を見ていたら
ずずずずずーと下品な音を立てながら最初に千枝が飲み終わった。

もごもごっと口を動かして、それから私の方に少しだけ視線を動かして。
それから千枝はそっぽを向いたまま、こう言って来た。

「わ、私は良いと思ってるんだよ。だって雪子、閉所恐怖症みたいな顔、あんまりしなくなったじゃん。
私は、それだけですっごく嬉しいよ。だから、その、良いと思ってるんだ。
その、上手くいえないけどさ。私、雪子の事、大好きだし。でも、うん。雪子、元気になったから。
だから良いと思ってる。」

これだから親友って言うのは。
ピンポイントで胸に刺さる痛い言葉とこういう優しい言葉を使い分けてくるんだから。
千枝の言葉はとても嬉しくて私の胸に届いてにやけそうになってしまったから、
私は夕焼けを見ながらそれに返事はしなかった。

@@

千枝と話して少しだけ気が晴れて。
でも家に真っ直ぐ帰るって気分にはまだなれなかった。
今日はダイエットとかそういう事は考えない事にしてもう一本、ジュースを買って。
河原そばの公園のベンチで1人座りながら物思いに耽っていると
様々な考えがてんでバラバラに頭の中を流れて行く。


いまごろりせちゃんと楽しく会話してるんだろうな。
外食してたりして。
もしくはりせちゃんちでおばあちゃんと一緒に食べてたりして。

一緒にご飯食べたいな。

恋愛体質。ねえ。
本当にそうなのかな。
私のこれは、恋愛なのかな。

千枝の好きな人って誰だろう。
主人公君かな。
なんか、そんな気がする。
時々見せる千枝の女の子っぽい仕草は、物凄く可愛らしいけれど、
特に主人公君と一緒にいる時に多い気がする。

何かそれはそれでいいな。と思う。
千枝と一緒の人を好きになるって何か、なんとなくありだ。
修羅場とかになるのかな。
でもなんか私達はそれでも仲良くしてそう。
こんなのって願望なんだろうか。
でも例え結果がどうあっても、何か納得できそう、そんな気がする。

千枝とのことで今日みたいな事があったら、私はどう思うんだろう。
やっぱり、こうやって怒るのかな。
嫌な気持になるんだろうか。


真っ暗な夜空を見上げると、星空が光っていた。
ここはあんまり星は見えないけれどそれでもぽちぽちと所々で光って見える星を数える。

ほうっと溜息を吐く。
あーあ。
ぐぐうっと伸びをした。公園には私しかいないから思いっきり行儀悪く。

「そう。」
声に出して言う。

そう、嫌だったな。
だって私と先に約束したんだもの。
買い物に行きたいって思っていたんだもの。
お弁当の材料とか。作り方の本だとか。

買い物が終ったらどっかで買い食いとかして、いろんなお話をして。

それ全部、りせちゃんとやってるのかも。
判ってるけど、でも納得いかない。

でもあんな冷たい態度取って、どう思っただろう。
聞き分けの無い女、なんて思ったかな。
やな感じだったな。私。

「あーあ。」
声に出す。
頭の中がごちゃごちゃ。

それでも千枝と話した事で大分落ち着いていた。
私は、主人公君の事を好きなんだろうな。と思う。

ごめんねって謝ろう。
私がいやだった事、それは置いておいてあんな態度をとってごめんねって伝えよう。
で、その。お詫びに今度は本当においしいお弁当を作って行って。
まあ、今回はお詫びの印だから板前さんとかの力を最大限に借りる事にして。

「うんっ」
そう言って立ち上がろうとした瞬間だった。
後ろから声が掛かった。
「あれ?」

深夜の公園。私は1人。落ち着いた感じの男性の声。
でも声を聴いた瞬間、口元が緩むのを抑えられない自分がいる。

何だ。声だけで判っちゃうんだ私。
1人だけっぽいし、りせちゃんはいないっぽい。

ふうっと息を吐いた。
口元を引き締めてくるりと振り返る。
さりげなさと少しの驚きを顔に表現させようとさせつつ
「あれ?主人公く・・・・」
目に入った主人公君の姿に本当に目が丸くなった。

なんだか全体的に色素の薄い感じの清潔さ。
整った顔立ちと特徴のある目。
雰囲気よりも実際には意外と高い身長。
の主人公君の手に持たれているでっかい魚。

なに、それ。
「いや、ええとそこの川で釣ったんだ。」
いつ?
「いや、一時間前位からかな。」
りせちゃんは?
「学校から送って、その後釣りに行ったから。」
大きな魚を指差しながら矢継ぎ早にそう聞くと律儀に少し考えた後、答えてくれる。

唐突に聞こえるかもしれないけど今しかない。と思った。
何か泣きそうな位安心している自分がいて、変に会話を続けると本当にぽろぽろと涙がこぼれそうだった。

「今日はごめ」
「今日はごめん。」
被せるように言われて思わず顔を見上げた。
「今日、これで弁当作るから、明日の昼ご飯とか、一緒にどうかな。」
くるりと目を回して、凄く律儀な感じに今日の埋め合わせって訳じゃないけれど。
と付け足してくる。

一瞬、固まった。

お弁当を作るから、一緒に食べよう。

って、なんて乙女チックな事をこの人は言うのだろう。


「ぷっ」
思わずくくっと喉が鳴った。
笑いがこみ上げてくる。

お弁当、作ってくるからだって。

「くくっ・・・あはっ、あはははは。」
こうなるともう止まらなかった。
私が言う筈の言葉、お弁当作ってくるからって。言われちゃった。

「あははははははははは!あははっあはっ いいよ、お、お、お弁当、食べようっぷっあはっあははははっ」
戸惑ったような彼の顔を見ながら、身体を折って彼の腕をバンバンと叩きながらお腹が痛くなる位。
「だめ、お腹痛いっあはっあはははははご、ごめ、ごめんね。あはっお弁当楽しみにしてるからっあはっあははははははっ」

お弁当を作ってごめんなさいする男の子なんて、初めて聞いた。
『今までの雪子だったらさ、男の子との約束なんて、そんな事した事あったっけ。』
そうだった。私がこんなに男の子の前で笑うなんて。
『閉所恐怖症みたいな顔、あんまりしなくなったじゃん。』
そう。前は私の人生に価値なんて無いんだと思っていた。
『ううん、別に特に気にしてないから。』
なんて言っちゃって。私、こんなに怒ったの、いつぶりだろう。

明日千枝にもありがとうって言おう。
私の話を聞いてくれてありがとうって。私も千枝の事が大好きだよって言おう。
目の前で困ったような顔をしている私が多分好きな人。
これはまだまだ内緒にしておこう。
千枝にも、私の心にも。

もっともっといらいらして、怒って、
でもこんなに笑える。

戸惑ったような主人公君の前で、私は呆れられる位に笑い転げた。



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by obtaining | 2009-05-14 14:53 | document

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by obtaining | 2009-05-05 22:43 | diary