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35人目 ~2話目 その4

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電話を放り投げると、優子さんはチュポンと音を立ててようやく俺のものから口を離した。
「ん…君が電話の最中にこんな事させるから…、凄い罪悪感で一杯。
帰ったら顔見れないよ。どうすればいいの?…うう…もう…」
そう言いながらも右手では激しく俺のものを扱きあげている。
「優子さんが嘘を吐くよりも俺に無理やりそうされたって方が気が楽かなと思って。」
そういうと優子さんは俺の方を睨んだ。
「それにしたって電話してる最中に口でさせるなんて。」
「それにしては熱心だったと思うけど…それともやめる事にする?
仕事の時間も終わった事だし俺は今からシャワーを浴びる
優子さんは今から服を着て、家に帰るってのはどう?」

俺が冗談めかしながらそう言うと優子さんがうう、といいながら泣きそうな顔になって
俺のものをしごいていた左手の動きを止めて手を離した。
もう一回助け舟を出す。
「優子さんはマグロで、自分からはサービスしないし、フェラもしない。
勿論イったりもしない。そうなんだよね?」
そういうと優子さんはゆっくりと目を閉じた。
「そう。私は君の前じゃマグロで、絶対サービスとかしないし、
フェラもしない。これはお仕事だからイったりなんか絶対しないっ。」
「旦那さんにも言ってあげな。」
「私は梅原さんの前じゃマグロで、絶対サービスとかしてないし、
フェラもしない。仕事で、国の為にしてるんだからイったりなんか絶対しないからっ。」
自分に言い聞かせるようにそう口にする。

「優子さん、この話はおしまい。判った。」
そう言うと優子さんは大きく息を吐いた。
「……ん。うん。私も残るって決めたのに、ごめんね。電話のことは忘れる。
今からこの部屋を出るまで、君のものになるから。」
一度目を瞑ると優子さんはにっこりと笑った。
そしてゆっくりと顔を上げると、俺の耳元に口を近づけて囁きかけてきた。
「私のこと、すっごい可愛がって。」

彼女の言葉を真剣に聞いて、そして俺も優子さんに笑い返す。
すると優子さんから唇を求めてきた。珍しい、というか初めてかもしれない。
素裸のまま、体中を使って抱き合って唇を交わした。
優子さんが差し入れてきた舌を絡め合いながらしばらく唇と唇で遊び合った後、
優子さんは再度、今度は俺に言われも身振りされもせずに自分から俺のものに手を伸ばしてくる。
「……やっぱり凄い硬いっ。うう…」
握った瞬間、優子さんはがっくりと肩を落とながら呟くようにそう口にした。
まだ優子さんの唇は俺の唇から2cmと離れてない所にある。
真っ白な乳房を俺の胸板に押し付けて吐息混じりに硬い。君の硬すぎ。とそう言いながら
優子さんはゆっくりと上下にその手を動かしていく。

「旦那さんのはどうなの?」
舌を俺の口内にゆっくりと捻じ込もうとしてきた優子さんに聞く。
「何が?」
優子さんは指を捻りつつリズミカルに動かしながら聞き返してくる。

「精液は出なくても硬くはなるんでしょ?」
「あっ……ううん。と、その、ね、……硬くはなるんだけど、精液が出ないからなのかな。
なんていうのかな。君がその、出した直後みたいな、芯が無い感じっていうか。そんな感じに思う。」
そう言いながら俺の唇をついばむ様に何度かキスをしてくる。
優子さんはもしかしてキスが好きなのかもしれない。
「こんな風にはならないの?」
「うん。こんな風に硬くならない。」
そう言ってぎゅっと握るようにする。
「硬いの好き?」
「…きらいじゃない。」
そう言うと優子さんは顔を俺の下腹部の方へ持っていった。
握っていた左手の上へと顔を移し、亀頭の部分にキスでもするように唇を這わせてくる
「その…凄い、その、頼もしい感じがする。」
優子さんが横目で俺を見ながら真っ赤な顔でそう言ってくる。
一回ちゅぽんという感じに亀頭を口内に含ませた後優子さんは舌をもごもごと俺の亀頭に這わせ、
それからばっと上半身ごと顔を上げた。

「あああああ、もう!ねえ、精液、やっぱり口にしてもらっていい?」
そういうと又俺の股に顔を伏せて亀頭を舐め回すように舌を動かす。
「どっちでもいいよ。でも今日は残り一回かな。」
「んっ……うそ、ゴメン。今のやっぱりなし。…んん、でも…どうしよう。」
「どっちにする?」
「今考えてる最中っ…んっ…ねえ、梅原君、これから、私達本気でSEXしちゃうんだよね。」
優子さんは声を上げるときだけ俺のものから唇を離し、
自分が喋ると直ぐに唇を俺のものに被せていってしまう。
「俺はそのつもりだけど。」
「……んっ…んんっ……じゃあ、口は我慢する。」

渋々という感じにそう言った優子さんに笑いかけて。
直ぐに唇で締め付けるようにしながらころころと亀頭を転がしてきた優子さんの頭を
ぐっと奥に押さえつけるようにする
「んんっ!」
Mっけのある優子さんは口では嫌がるけれどこうされると途端に体中の力が抜ける。

もはやこれ以上刺激されたら派手に口内に発射してしまいそうだった。
喉の置くまで俺のものを突き込まれた優子さんが辛そうに唇から俺のものを抜く。
「今度は俺の番かな。」
そう言って俺は俺の上でへにゃんと力の抜けた優子さんをベッドに移しながら覆いかぶさっていった。


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先程から何度か電話が鳴っていた。
着信音は所謂ミッキーマウスマーチ。ちゃんらちゃんらと音が鳴っている。
部屋の隅においてある優子さんの鞄の中から聞こえているから俺のものではない。
優子さんの私物だろう。
鳴っている事は確認できるものの鞄越しのため、そう耳に煩く聞こえる訳でもない。

15秒位なると切れ、暫く鳴らなくなる。先程から10分おき位に電話は鳴っていた。
優子さんをベッドに座らせてぐっと両足を開かせた瞬間に鳴り出したそれも無視する。
仕事の連絡か、それともそれ以外か。どちらにせよ暫くすれば諦めるだろう。

「やっ!恥ずかしいっ。あっだめっ!」
思い切り足を開かされた優子さんが慌てて片手でその部分を押さえながら声を上げる。
最初は勘違いをしていた。
優子さんがベッドの上ではMっけがある事を見抜くまでは嫌がられることはやめて置こうと思ったものだ。
他人の嫌がる事はしてはいけない。倫理の先生の教えは守るべきだと。
今はそうじゃなかった。
最近ではMっけが強い優子さんは恥ずかしいという感情と性感が密接に関連していると云う事に気が付いていたからだ。
本気で恥ずかしく、嫌でもあるのだろうが優子さんはここをしっかりと俺に見らそうになる事を心の底ではそこまで嫌がってはいないという感触があった。

今までは言葉のみで優子さんを苛めていたけれど
今日は自分から俺にはっきりと見せるまで仕向けたいとそう思っていた。

M字型に脚を開かせたまま、優子さんの正面に腰を下ろす。
優子さんは上半身を持ち上げてこちらを懇願するような視線で見つめてくるが、脚は閉じないままでいた。
閉じても俺に直ぐに開かれてしまう事は判っているのだろう。
その代り片手をカップ上にさせ、しっかりと抑えるように隠している。
「あああ、いやあ………」
じっくりと見るように優子さんの下腹部に視線をやると優子さんは右手でそこを隠したまま、左手で顔を覆った。
「右手外してよ、優子さん。俺にじっくりと見せて。」
そう言うと両肩をびくりと揺らせる。
「………だめ。本当に恥ずかしいっ。」
顔を真っ赤にさせた後、ぶんぶんと首を振る。
なるほど。と顔を頷かせる。
「優子さんの全然毛生えてないからなあ。恥ずかしいよな。そんな所見られるのって。」
「あああ……言っちゃイや。」
「学生の時、旅行とかそう云う時どうしたの?毛のないマンコで皆と一緒にお風呂に入った?」
「………」
必死で首を左右に振っている。

あまりに恥ずかしいからだろう。胸元まで上気させ、白い肌がぬめったように光っている。
「優子さん、ちゃんと見てあげるから手、外して。」
「ああっ…お願いっ!何でも言う事聞くからぁ!」
足を大きく開いたまま叫ぶように声を上げる。
今までならこれ位で許していたが今日は許すつもりはなかった。
あくまでも優子さんが自分から俺に見せるように仕向けたかった。
「何でも言う事聞くなら手を退かすんだ。
ちゃんと見せれないなら、今日はおしまいにするよ。」

「…どっちもやだ…」
暫くしてから優子さんは何度も逡巡しながら隠している右手を外そうとし始めた。
けれどどうしても恥ずかしいのだろう。
カップ上にした手を数センチ横にずらしては直ぐに又隠してしまう。
「両手を体の脇において。」
「だめ、やっぱり無理。お願い。」
ざっくりとした艶やかな髪を揺らせながらそう訴えかけてくる。
俺が首を振ると又吐息を吐いてゆっくりと右手を外そうとし始める。

このままじゃいつまで立っても決心が付かなさそうなので後押しするつもりで口を開いた。
「見せたらすぐ入れてあげるよ。」
優子さんがぎゅっと目を瞑る。
「ああっもうっ!」
そう言って優子さんはばっと右手を胸の高さまで上げた。
左手で右手をぎゅっと押さえつけるように胸に押し当てている。
顔は右側を向け、ぎゅっと目を瞑っている。
「両手を体の脇において。」
「ああ…やっぱり見ちゃやあ…」
胸から右手を外すのにも何度も躊躇しながらようやく両手を体の脇に下ろす。
右側に向いた顔と唇からは激烈な羞恥心からだろう、吐息のように息が漏れている。
優子さんの両手が体の脇に垂れ、優子さんの真っ白な体の全てが俺の前に見えた。
M字型に足を開き、くすみ一つない両足の付け根部分の全てが俺の視界に入る。
両手は脇に垂れてシーツの上を掴み、バランスを取っている。
突き出すような釣鐘型の乳房とピンク色の先端も全て俺の前にさらけ出されている。
「やぁ…………」
じっくりと俺が見ているのが判るのだろう。
がくがくとM字型にした両足が揺れる。

両足の付け根をじっくりと見ると薄く開いたそこの内部が濡れ光っているのが見えた。
濡れ光っている所ではない。しっかりと見るとそこから糸の様にシーツに向って透明な液体が垂れていた。
優子さんの右手を見ると右手を置いたシーツも濡れ光っているのが判る。

「すごい濡れてる。」
「どうして、ああ、見ちゃいや。やだあ。」
優子さんが唇を噛む。かっと更に首元が赤く染まる。
優子さんは何度も足を閉じそうな動きをし、その度に自分の力で又開いていった。

「優子さん、よく見えてるよ。」
優子さんを褒めるつもりでそう言うとああああああっとうめいてぎゅっとシーツを握り締めている。
暫くして優子さんは、はあっと大きく息を吐くとようやくと言った感じに口を開いた。
「ねえ、ああっ…君、見せたらすぐ入れてくれるって言ったでしょ?
ああ、恥ずかしくて死んじゃうっ。」

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優子さんをベッドの上に寝かせ、正常位の体勢でゆっくりと押し当てていく。
外から見た通り、優子さんの中は既に潤みきっていた。
体温以上に感じられる潤みの中を生でそのまま突き入れていく。

「あんっ…!あっ…!!あっ!!!凄いっ!!」
奥までしっかりと突き入れていくとしっとりと纏わり付くように優子さんの中が俺を包み込んでくる。
最後の奥まで入った瞬間、優子さんはぎゅっと俺にしがみ付いて来た。
「あっ!…んっんっ!…ああっっ!………!」
「ねえ、梅原君、や、約束覚えてる?」
上気しきった顔で俺の方を見上げてくる。
何の事だろう。と首を傾げると優子さんは斜に睨むような顔をした。
何か我慢したような顔もしている。滅茶苦茶にかわいい。
「意地悪。私からいくって。」
「…ああ、勿論。」
どういう意味だろうとは思っていたが優子さんは旦那さんとの時は自分からいくようにしている。と言っていた。
それを俺のときにもしてくれと先程約束させたのを思い出す。
頷くと優子さんは途端に蕩けきった顔をした。
「覚えてる?」
「うん。」
その瞬間、正常位でしっかりと繋がったまま優子さんがぎゅっと抱きしめる力を強くした。
と同時に腰を一度ゆっくりと押し付けるように動かしてくる。
「よかった…ああっ…あっあっあっあっあっ……もういくっ」
温泉の中に浸けたようだった俺のものがきゅうっと締め付けられるように優子さんの中が動く。
優子さんは恥ずかしそうに、でもしっかりと俺の目を見つめている。
「ねえ、知ってる?」
「はあっ…んっ…硬いっ………何?」
「妊娠する時さ、女の人がイっちゃってると女の子になって、そうでないと男の子になるんだってさ。」
きゅうっと締め付けがきつくなる。
「…じゃあ女の子になっちゃう。…あっ!」

喘ぎ声を止めるように一度息を吸い、落ち着かせてからはっきりと優子さんは口を開いた。
「ごめんなさい、ねえ、もういく。」
そういった瞬間、きゅーっとひときわ強く俺のものを絞るように優子さんの中が締まると
膣内がひくっひくっひくっと痙攣した。
全くピストン運動をしないまま、優子さんは強烈にイき始めた。
「あっ……あっ!ああっ!!」
俺ももう我慢できなくなっていた。優子さんがイっているその最中に結合部を押し付けながらどっと射精を始める。
どくっと根元から大きな塊のような感じに射精が始まる。
俺の射精に合わせて搾り取るように優子さんの膣内が動く。優子さんの中の中にまで思い切り射精していく。

「あっあっあっ!!君の出てるっ。……ああっ!!」
優子さんが俺の首に両腕を回して引き付けるように自分の首を上げ、
内部をひく付かせながら声を上げる。
「くっ」
「あああっ………凄いっ…凄いっっ………」
暫くして俺の射精が一段落してから優子さんは俺としっかりと繋がったまま口を開いた。
「ああっ………すごい一杯出てない?」
冷静な口調から寧ろ優子さんの気持ちの高揚を感じる。
優子さんと見つめあいながら言葉を交わす。
「一杯出たかもしれない。」
はは、と笑う。
「…ねえ、あの、梅原君。まずいかもしれない。」
顔を見ると今までないくらい蕩けきった顔をしている。
「何がまずいの?」
「今まで自分からイったって言ったでしょ?」
「うん。今そうやってくれたんだよね。」
そう言うと優子さんは首をゆっくりと振った。
「嘘だったみたい。」
そう言って優子さんは両腕をブルブルとさせて俺にしがみ付いている。
口調だけが冷静だ。
そしてゆっくりと顔を俺の耳元に近づけると、優子さんは囁きかけてきた。
「こんなの初めて。」

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「じゃ、じゃあまた、来週に来るね。」
「またね、優子さん。」
シャワーを浴びた後、優子さんは来た時と同じようになるように化粧をしなおしていた。
時刻は22:30になっている。
優子さんはじゃあまた、と言ったにも拘らず
俺の顔を見て真っ赤になって立ちすくんでいる。

「?どうしたの?優子さん。」
「その、い、今になって恥ずかしくなってきちゃったんだけど…今日の、な、内緒にしてくれる?」
所々つっかえながら搾り出すように声を出してくる。
「その、内緒って言うのは勿論、君の中で。」
今日の私は無かった事にして欲しいの。そうもごもごと口に出す。
「そうじゃないと、私次から君にも会えない。恥ずかしすぎて。」
俺は首を一度傾げてからにっこりと笑った。
忘れる訳がない。優子さん自身も絶対に忘れないだろう。
人生で始めて中出しされた相手が俺なのだという記憶を優子さんには持っていて欲しかった。
「わかった、忘れる。」
「約束してくれる?」
そう言って小指を突き出してくる。
優子さんの小指と俺の小指が絡んだ瞬間、カタン、と廊下の向こうから小さな音が鳴った。
絨毯が敷き詰められた長い廊下の先の方へ目をやるとそこには誰もいなかった。
そもそも45階には俺の住むこの部屋しかなく、セキュリティーは完璧だ。
飛行機でも突っ込んでこない限りは安全だよ。とは山田の言葉だ。
そもそもエレベーターからして政府のエージェントと警備担当位しか上がってこれないようになっている。
恐らく風でも吹いたのだろう。そう思いながら顔を優子さんの方に戻す。

「じゃあまた来週。」
そう言うと、優子さんは更に顔を俯かせた。
「その、楽しみにしてる・・・よ。君と会うの。」

俺もそうだよ。そう言うと優子さんは僅かに顔を上げてからばいばい。と手を振ってきた。

第2話 終
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by obtaining | 2008-06-23 17:08 | document

35人目 ~2話目 その3

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時計を見ると既に18時になっていた。
エージェントとしての優子さんの勤務時間は17時までと決まっている。
俺の家に来るのは優子さんの業務なのだから既に時間は超過している訳だ。
「遅くなるって電話すれば?」
そう言うと優子さんは困り果てた顔をした。
「今日はここに来る日だって知ってるし、
今までそんな事無かったのにそんな事言ったら駄目だよ。」
旦那さんの事か。なるほど。
でも俺の気持ちはもう違った。
優子さんにもう少しだけ、ここにいて欲しいと、そう思っていた。
「もう一回精液出す仕事に付き合うってのでは?」
理由を付けてみようとした俺の言葉に優子さんは逡巡したように一回息を吸った。
2回首を振る。
「うう……ううん。そ、その、私も、その、でもやっぱり帰る事にする。ね。また来週来るし。
その時は遅くなるって最初から言っておけばいいから。」
そういいながらも優子さんは俺のものから手を離そうとしていなかった。
口と行動が伴っていない。いつもの優子さんなら手を離してぱっと立ち上がっただろう。
後一押し。

「今俺が言った口で違う事言うようでなんだけど
実は明日、研究所へは1つ持って行けばいいんじゃないかと思ってるんだけど。
…今日この時間以降は精液は採取キットに出さないってのもありかなと。
ま、そこらへんはコーヒー飲みながら二人で話し合ってもいいし。」
優子さんの肩が揺れる。俺の言っている意味が判ったのだろう。
「もう少し、一緒にいたいんだ。優子さん。」
「うう……その言い方はずるい。」
「もし今日優子さんが残ってくれないなら今後絶対に精液は採取用ケースにしか出さないよ。
さっきの研究所に内緒で口に出すって話も無しにする。」
ゆっくりと俺のほうに顔を向け、俺の言葉を理解しようとするように長い睫をしばたたかせた後、
優子さんは上半身ごと俺の方に向き直った。
信じられないくらい美しい顔で俺を睨みつけてくる。
「イや。絶対イや。」
「優子さんともうちょっと一緒にいたい。」
優子さんが俯いた。
「その言い方は駄目。」
成る程。確かに。しばし考える。
「残ってくれたら優子さんに直接出してあげるよ。」
「……ぁぁ…でもどうしよう……もう……」
1分程考えるように首を折った後、覚悟を決めたように優子さんは一度頷いた。
そして優子さんはゆっくりと顔を上げると聡明ないつもの感じを取り戻した口調で口を開いた。
「判った。残る。残るから。電話借りていい?」

「いいよ。」
勿論そう言ってベッドサイドに置いてあった電話の子機を手渡す。
優子さんは右手で俺のものを握ったまま、左手で受話器を受け取った。
「ここで電話しなきゃ駄目?嘘ついているところ、見られたくない。」
これから俺は優子さんが電話の最中に帰ると言い出さないように
最後の駄目押しをするつもりだった。
駄目だ、という風に首を振ると優子さんはちょっと唇を突き出した後、
諦めた様に左手で自宅の電話番号を押し始めた。
優子さんが電話番号を押して通話ボタンを押したその瞬間に何気ない口調を心がけながら口を開く。
最後のダメ押しのつもりだった。
「優子さん、精液は口がいい?それとも中に出して欲しい?」
俺がそう口にした瞬間、優子さんはぴ、と電話の電源を切った。
呆然としたような顔を一瞬した後、
俺の言った意味が判ったのか優子さんはへにゃりと眉毛が下がったような顔になった。
「……く、くち………うううん。ん…やっぱり口、……ううん。やっぱり中がいい。」
「ちゃんとどこに出して欲しいかさっきみたいに直接言ってみ。」
「うう…中に直接出して欲しいっ。」
「…」
「もう、…お、おまんこに出して欲しいのっ。」

「判った。いいよ電話して。」
俺の許可を経て、優子さんはすうと息を吸ってから左手でもう一度電話番号を押し、
それから受話器を耳に当てた。
今のやり取りが理由かどうかは判らないが、優子さんは大分落ち着いたようだった。
コール音が鳴るまでの間も穏やかな顔をしている。

「………あ、もしもし。私。うん。」
数秒して、旦那さんが電話に出たのだろう。優子さんは話し始めた。
いつもの研究所とは違う、柔らかな話し方だ。
家ではこんな風にいつも話しているのだろう。

「……ううん。違うの。まだ。ごめんなさい、あのね、その事で話があるの。」
たった今おまんこに出して欲しいと言ったその口で、彼女は旦那さんと会話をしていた
しかも俺は優子さんの右手に先ほどからまだ俺のものを握らせっぱなしだ。

またもや悪戯心が湧いてきて、優子さんの右手を掴むとゆっくりと上下させる。
その刺激で多少萎えかけていた俺のものがまた硬度を増した。
「…ううん、違うっ?……の……っっ!ううん、ゴメンゴメン。なんでもない。」
びっくりした顔で俺の方を見る優子さんの耳元に口を近づける。
「優子さん、下着脱いでよ。」
そう言うと、優子さんは俺の方を暫く見てから、諦めたような顔をした。
猫目がちな目がへにゃりと下がると、びっくりする位の美しい顔が、一瞬だけ可愛らしい愛嬌のある表情に変わった。

優子さんは溜息を吐くような仕草をすると右手を俺のものから外し、
それからその手を背中に回すとブラのホックをパチンと取った。
左手の受話器を一瞬耳から外しつつ器用にブラを脱ぐと、優子さんはシーツの上にブラジャーを置く。
優子さんのDカップの釣鐘型の真っ白な乳房とピンク色の先端が全て露わになった。
更に右手を下に回して優子さんはパンツも取り去った。
すらりと引き締まっていながら柔らかさを保つ真っ白なお腹と
エージェントらしいその奥に隠された薄い腹筋、そして
殆ど生えていないと言っても良い、パイパンに近い位薄い陰毛とその下の下腹部が露出する。
下着姿から素裸になっただけなのに全体が下着姿のシャープな印象から一気に全身が柔らかそうな雰囲気に代わり、
猛烈ないやらしさが増幅される。男が一度は好きなようにしてみたいと思うような体。

「ううん。今日は2時からって約束だと思っていたんだけど、
私が勘違いしてしまったみたいなの。それで………ぁっ」
ブラジャーを外した後、間髪いれずに離れていた優子さんの右手を取って
俺のものを先程と同じように握らせると優子さんは慌てたように声を上げた。
慌てて受話器を口から放す。
俺の方を拗ねたような目で一度ちらっと見てから、優子さんはゆっくりと右手を上下に動かし始めた。
お互い素裸のまま、優子さんが受話器を持っている事を除けば完全に前戯の体勢だ。
左手の受話器を元に戻す。
「うん。ごめんなさい。それで梅原さんを待っていたんだけど、
今帰ってこられて、それで約束は19時からだったと仰ってるの。」
上手い言い訳だった。優子さんは如何にも困り果てたという風に話している。
実際困ってもいるのだろう。真に迫っている。

「2時からだったと言っても聞いて貰えなくて、で、これから……うん。うん。
今までは部屋の中で待たせてもらっていたの。…うん。そう。警備の方に入れてもらって。」
ゆっくりとしていた右手の動きが段々と上下に捻りながらしごく動きに変わる。

「うん。梅原さん?え、ええとね。今ここにはいらっしゃない。その、隣の部屋だから。」
優子さんの手の動きで俺のものの硬度が先程より更に増し始め、
完全に硬直しきったその時、
優子さんは右手の動きをゆっくりと握り締めるようにしたまま動きを止めた。
「…え?でも。うん。聞いてみる。うん。判らないけど。ど、どうだろう。…ちょっと待って。」
そう言うと、右手を外し、優子さんは受話器の話口の方に右手を当てた。

「その、変わって欲しいって言ってるんだけど。」
「俺に?」
「そう。」
「怒ってる?」
「……ま、まあ。ね。というよりこれ以上嘘つけないよ私。」
右手を一度上下に媚びる様に動かした後、何とかして欲しい。という感じに俺の方を見てくる。

「いいよ。変わろう。隣の部屋って事になってるんだろう。もうちょっと待ってから取るよ。」
そう言うと優子さんはほっとした顔をした。
覚悟は決めたものの罪悪感的にも嘘をつくのももう限界という感じだ。
俺の言葉に安心した顔をしている。ここからはバトンタッチしてあげるべきだ。
受話器の送信口を胸に当てて押さえてからありがとう。という感じに左手で拝んでくる。
いつも気が強めな優子さんにしては珍しい仕草だった。
暫く待ってから右手で優子さんから受話器を受け取って耳に当てた。

「もしもし、電話変わりました。」
と同時に優子さんの肩をぐいと抱き寄せる。
「あっ!」
優子さんが慌てたように口を押さえる。
俺は構わずに受話器に向って話しかけ始めた。
「すいません、ちょっと席を外していましたので。何かありましたか?」
出来るだけ重々しそうに声を出しながら、一度俺は左手で優子さんの頭を撫で、
それから優子さんを抱きかかえたその格好のまま俺が自分の下腹部をを指差すと、優子さんは辛そうに瞳を伏せた。

優子さんの心はきっと今、揺れている筈だった。
帰れと言われればほっと胸を撫で下ろして帰るだろう。
そしてそうして良かったと後になってそう思うだろう。
そうさせるつもりは無かった。
逆になって欲しかった。
ここにいること選択した事を正しかったとそう思ってもらいたいとそう思っていた。

「おねがい、あとにしよう?」
優子さんが声に出さないようにゆっくりと口を開いて俺に訴えかけてくる。

「あ、梅原さん、光栄です。」
「どうも。」
受話器の向こうの声に答える。確かにイライラとしているような口調だった。
声に棘があった。

そうやって優子さんの問いに答えずに受話器の向こう側と会話を始めると、
優子さんは俺があとにするつもりは無いと思ったのだろう。
一度溜息を吐いてからゆっくりと自分から俺の物に指を絡めてきた。
素裸の体を俺に巻きつかせるように俺に抱き抱えられたまま、
先程と同じペースで今度は勃起しきった俺のものをしごき始める。
先程の俺のものを大きくするための動きとは違う、
既に滾り切った俺のものに快感を与えて射精へと導くという意味の動き。

「今、優子から聞いたんですけれど。今日の仕事は2時からだったのではなかったのですか?
部署の予定表ではそうなっていましたが。」
一応仕事として来ている優子さんは規則として3時間俺の家にいることになっている。
仕事の時間は終わった筈だ。とそういう口調だった。
出来るだけ困惑した声が出るように心がけながら声を返す。
「山田さんには今日は6時からお願いしたいと言ったんですけどね。
伝わってなかったのかなぁ。」

そう言いながら柔らかな右頬を俺の胸に当て、
左手で俺のものをゆっくりとしごき始めていた優子さんに目をやると、
優子さんが何か一点を見つめている事に気がついた。
きっと耳は俺と電話機の方に向けているのだろうが、目線は一点、その方向を見ている。
優子さんのその視線を辿ると、俺の亀頭の先端に行き着いた。
優子さんに先程からしごかれていたそれの先端からは先走りの液が徐々に溢れて亀頭全体を濡らし始めていて、
優子さんは吸い寄せられるように視線をそこに向けていた。

「どちらにせよ梅原さん、勤務時間は終了しています。来週、という訳にはいきませんか?」
左手で優子さんの顎に手をやると、そのままゆっくりと俺のものの方へと優子さんの頭を誘導していく。
鼻先に俺の亀頭が来たとき、優子さんは首を回して俺の方を見て声を出さないようにしながら
「おねがい、でんわのあとにして」
とそう口を開いた。
首を横に振る。優子さんも同じように首を振って、「だめだって」と口を動かす。
再度首を振る。絶対に今優子さんにフェラチオをさせるつもりだった。
俺が再度鼻先に一物を突きつけると
優子さんは一度だけ抗おうとした素振りを見せた後、「もう。」と口を動かしてから
ゆっくりと一度溜息を吐くとゆっくりと舌を出して俺のものをチロチロと舐め始めた。

「困ったな。実はですね。明日中に一回分欲しいと、研究所からはそう言われてるんですよ。」
これは嘘だ。研究所への提出は日曜日の夜12時から次の日曜の夜12時までを週の区切りとして
週に2回以上であればいつでも良いとなっている。
日時を指定して強制される事は無い。
しかしこの事は優子さんも知らないし、受話器の向こうの相手も絶対に知らない事だった。
実は和歌葉ですら知らない。俺と国との契約事項だからだ。
俺が払わねばならない義務とそれに対する国からの報酬については極秘事項にされている。
契約の時には最後にわざわざ内務大臣が出て来たくらいだ、
研究所内でも詳細な内容を知っているのは山田くらいだろう。
そして山田は絶対に身内にでもこの事を話してはいない筈だった。

受話器の向こうは沈黙している。叫びだしたい気分であろう事は俺にも判った。
そんなものオナニーでもして出しやがれ。ふざけるな。
そう叫んで窓を叩き割り、受話器を外に放り投げたくなっている筈だ。
気持ちは判る。
普段、もし本当に優子さんが言ったように俺が時間を間違えたというような状況になったら
俺は優子さんを帰しただろうと思う。
でも今日は違った。
自分が下種な気分になっているのだという事位は判っていたが優子さんを帰すつもりはなかった。

目を下に下ろす。最初こそぎこちない感じに舐め始めたものの、
すぐに優子さんは心の箍を外したようだった。
夢中になったように亀頭全体を舐め回すようにしては先走りを舐め取り、左手では俺のものをしごきたてている。

その光景を暫く眺めていると、受話器の向こうで溜息が聞こえた。
「判りました。そう言う事情ではしようがありません。帰りは10時頃でしょうか。」
充分に舐め回し終わると、優子さんはゆっくりと俺のものを飲み込むように口に含んでいく。
「そうですね。その位で。」
そのまま舌を全体に絡めるように巻き付かせつつゆっくりと首を上下に振り始める。
一度目の上下の動きの瞬間、ストロークの距離を間違えたのかカリのところに唇が引っかかってチュパッという音が漏れた。

「……あの梅原さん、失礼でなければ一つ聞きたいのですが、優子は、
 優子はその梅原さんのお役に立っているのでしょうか?」
歯噛みが聞こえてきそうな声だった。ここでの優子さんの様子を知りたいのだろう。
ここは安心させてやる所だった。

「ええ、勿論。しかしもうちょっと積極的に、とは思いますがね。」
如何にも苦々しげに聞こえるようにそう言うと、
電話の向こうでは明らかにほっとしたような空気が流れた。
その瞬間、優子さんは俺のものに激しく舌を絡めた後、
カリ首に唇を引っ掛けるようにしながら亀頭を強く吸い上げるように唇を動かした。
そして口内に含んだそのまま、亀頭の先端を舌でねぶるように動かしてくる。
思わず腰が浮いた。
優子さんの顔を見ると目を閉じて知らない。というような顔をしている。

「それは申し訳ありません。お国の為に頑張れとは言っているんですけどね。」
受話器の向こうの声は先程より明らかに明るい。
優子さんがくっくっと大きく上下に顔を動かし始めた。
彼女の唾液と俺の亀頭の先端から出ている先走り液が彼女の口内で絡み合って、
クチュッ、クチュッという音を部屋の中に響かせている。
優子さんの釣鐘型の乳房の先端が優子さんが顔を上下させる度に俺の太腿にぴたぴたと当る。
「いえ、大変助かっています。」
うんざりとしている、というような口調を心がける。

今、受話器の向こうではこういう光景を想像しているのだろう。
仏頂面でベッドに横たわる優子さん、もしかしたら上下は脱がず、下着を脱いでいるだけかもしれない。
半立ちで役に立たなさそうなものをぶら下げた俺が圧し掛かろうとするものの優子さんはそっぽを向いたままだ。
俺はうんざりとした顔をしながら優子さんの中に無理やり半立ちのものを押し込む。
すると優子さんの顔が嫌悪に歪む。
そのまま5回ほど上下運動した後、俺は慌ててベッドから飛びのくと
精液採取用ケースを両手で開けて粗末なものをそこに突っ込んでブルブルと体を振るわせる訳だ。

受話器の向こうの相手にとって今日の事は必要以上の恥辱と感じるかもしれなかった。
そんな光景を想像しておいて貰えればまだ気も晴れるだろう。

「じゃあ、申し訳ないけれど。」
そう言って電話を切ることを伝えると
受話器の向こうからはいくらか先程よりも柔らかい声が返ってきた。
「いえいえ、了解致しました。梅原さんもお国の為に宜しくお願いします。
…ああ、最後に優子に代わってもらえますか?近くにいるようだったらでいいんですが。」

近くにいるも何も目の前では素裸の優子さんが仕事以上の熱心さで首を上下に振っている最中だ。
一瞬、受話器の向こうの相手に同情した。
が、今日は自分の衝動の方が強かった。
結婚したばかりの俺より2歳年上、24歳の優子さんを
一時だけでも仕事以外の意味で自分のものにしたいという衝動。
正気じゃない。でも今までの人生の中、
正気を失うなんて経験はこれが初めてじゃあなかった。

「ああ、ちょっと待ってください。」
俺はそう言って受話器を押さえた。
熱心に俺の脚の間で捻るように首を振っている優子さんに声を掛ける。
「電話、変わって欲しいみたいなんだけど。」
優子さんは咥えたまま動きを止め一度俺の顔を見た後に暫く考えるようにして、それから目を伏せて首を振った。
そしてゆっくりと首の上下運動を再開させる。
そもそもシャープな横顔だけれど、目を伏せながら俺のものを咥えてゆっくりと顔を鎮めていくその横顔は凄艶なまでに美しかった。
今度は首をねじらせながらねっとりと啜るように俺のものを吸ってくる。

優子さんの答えを見て、俺はそのまま電話を切ると、受話器をベッドサイドに放り投げた。
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by obtaining | 2008-06-22 14:28 | document

35人目 ~2話目 その2

@@

優子さんは暫くベッドの上に突っ伏したまま荒い息を吐いた後、はあ、と一回息をついてからゆっくりと顔を上げた。
「ちゃんと採取用ケースに出してくれたんだ。」
シーツの上に投げ出してある採取用ケースを確認したのか恥ずかしそうな顔をし、
視線はこちらに向けないまま、ちょっとビジネスライクっぽい口調でそう声を掛けてくる。

「中に出されたかった?」
聞こえなかったかのように返事をしないまま優子さんはこちらににじり寄ってくると
青いジェルでぬとぬととぬめっているまだある程度の硬さを保ったままの俺の一物に唇を寄せてきた。
そのまま全体をぱっくりと口に含ませると、
ジェルをこそげ落とすように俺のものに舌を動かしていく。

これは俺が採取用ジェルを使った時の二人の儀式のようなものだった。
優子さんは喉を動かしながら唇を回すようにして俺のものを綺麗にしていく。
亀頭の部分にも丹念に舌を這わせてぬめりがすっかり取れるまで何度も舌を往復させていく。
射精直後のくすぐったさはあるけれども正直かなり気持ち良い。

俺の一物がむくむくとまた硬度を増し始めると、優子さんは慌てて口を離した。
「こら。だめだよ。」
「そんなこと言ったって、優子さん丁寧すぎ。」
「丁寧にやらないと取れないでしょ。あ、ほらここ残ってる。」
そういうと顔を潜らせるようにして竿の下の方に残っていたジェルを今度は竿を横向きについばむ様にして綺麗にしていく。
暫くして俺の下半身の全てのぬめりを舌で掃除してから、
優子さんはようやく唇を離してベッドから起き上がった。

今の行為で乱れていた信じられないくらい艶やかなストレートの髪を一度かき上げると一度息を吐き、
シーツの上や床に散らばっていた下着を身に付け始める。
165cmの身長にスレンダーな体つき、真っ白な肌に信じられないほどの綺麗なラインでくびれた腰と釣鐘型の乳房。
ちょっと猫目の切れ長な目。シャープで優しげな猫を思わせるようなその風情。
ブラジャーと、セットになっているパンツを身に付けてから優子さんはまたベッドに戻ってきた。

ベッドボードに背中をつけて座っている俺の横に座る。
シーツに放り出されていた採取用ケースを手に取ると優子さんは口を開いた。
「これ私が持って行って良い?」
「え、これから仕事?」
もう17時だ。いくらエージェントとはいえこれから一仕事でもないだろう。
「違うけど、明日持っていけばいいかなと思って。わざわざ研究所来るのめんどくさくない?」
「まあそんな遠くないから別にめんどくさくは無いけど。持って行ってくれるなら助かる。」

俺からの呼び方だけはさん付けだけれど、俺は22、優子さんは24と年齢が近い事もあって
優子さんとは普段はタメ口で話す事にしている。優子さんは大抵俺の事を君。と呼ぶ。
無論研究所で旦那さんが側にいるようなときは別だ。お互いビジネスライクな敬語口調になる。
白色のフリルの付いたブラジャーに包まれた優子さんの真っ白な乳房の上部を見ながら声を返す。
「でもさ、旦那さん気にしねえ?優子さんが俺の精液なんて持って帰ったら。」

「あ」
俺の言葉にそう言いながら優子さんは採取用ケースをベッドボードにおいて手を離した。
「そうか。まずいかな。」
「なら俺が持ってく。…やっぱ気にする?」
俺の言葉に暫く逡巡したように優子さんは目を泳がせた。

「そりゃ結構。ね。何も言わないけど、君の所から帰った日は特に。
大体新婚だよ。私。国の為の大事な仕事とはいっても…、ね。
まあそれを言ったら君は…ああ、和歌葉ちゃんは出来る子だしね。」

俺には和歌葉という恋人がいる。優子さんの上司の山田の娘だ。
山田は髭の親父だが、しかし鷹を産んだレベルではない程に和歌葉は可愛い。
どちらかというとホホジロザメがピンクイルカを産んだレベルに近い。
その和歌葉は日本で唯一の精液保持者である俺の恋人として、
そしてそういう立場にいる俺の公私に渡るパートナーとして一緒にいてくれている。
最初は定期的に精液を研究所に提出しないといけない俺の相手をするという事だったが、
和歌葉の提案もあって、恋人として付き合うことになった。
研究所は渋ったようだったが、兎に角日本人としては唯1人、全世界でも35人しかいない精液保持者だ。
極度のプレッシャーに晒されないように和歌葉が俺の近くにいてサポートする事を優先させたようだった。
和歌葉とはまだプラトニックだ。
そう云う事も込みのパートナーとされている事には違いなかったが、
今はまだ毎日の夜の電話と週末のデート。それから週に何回かは食事を作りに来てくれたり。
そんな風に恋人として二人の時間を楽しんでいる時期だった。

その代り、俺の元へは優子さんが週に2回、訪れる事になった。
優子さんは俺が精液保持者かどうか判らなかった時、研究所が真偽を確認する為に俺に近づけてきたエージェントだ。
エージェント中で一番美人だから、と言う理由で選ばれただけあって物凄い美人かつ可愛い。
見た目だけでも絶対に食べていけるレベルだ。
その上エージェントになる位だから頭も良い。
週に2回俺の所に行って欲しいという山田からの要請には躊躇したようだったが、
結局は愛国心と政府の為に働くエージェントという立場の責任感から承諾してくれた。
別に俺としてはオナニーでも構わないのだが、山田を始め政府の高官は精液とはSEXをして出すものと思っているらしい。
研究所が真偽を確認する為に一度俺と接触しているから気心も多少は知れているだろう。
精液保持者には極端なプレッシャーが掛かる。極力負担を少なくした方がいい。
そんな判断から政府の高官達はリスクが少ないという理由で優子さんを俺の精液を採取する仕事に割り当てたのだ。

新婚である優子さんのプライベートは考慮せず。と言う事か。
さすがは政府高官。国益の為には血も涙もない措置だ。

そう云う訳で俺は週に2回の優子さんの訪問をありがたく受けている。
優子さんの事情もあるし、俺はオナニーでもいい。と言おうかと思った事はある。
しかし優子さんは和歌葉とはベクトルが異なるが正直言って物凄く美人かつ可愛い。
釣鐘型でDカップの乳房と驚くほどピンクのその先端。しかも超感度良し。
スレンダーな体系の上、全身隅々まで一箇所の曇りもない真っ白な肌。
自分を持っている知的な人間らしい恥じらいはあるけれど
興味のある事にはしっかりと反応してしまう猫のようなその性格。
最後にはMっけが強いときている。
俺は金の為に仕事をしているんじゃない!って云う奴も世の中にはいるが、
わざわざ振り込まれた給料を返送したりしないだろう?
そういう事だ。

まあ後は、それとは別に俺と優子さんとはいつの間にか友達になっていたっていうのもある。
あっさりとした性格の優子さんとは色々な事をお互い隠さずに話し合う事が出来たからだ。
その時間も確保したかった。
うん。そういう理由もある。無論そういう理由もあるとも。

実際俺にプレッシャーが無い訳じゃなかった。
お前は核弾頭よりナイーブな存在だ。いきなりそんな事を言われてビビらない奴はいない。
例え政府の仕事で近づいてきたとはいえ、
ここに連れて来られる前から顔を知っていた優子さんと少しの時間でも色々と話が出来るのはありがたかった。
優子さんとの時間が俺にとってはかけがえの無い時間である事は間違い無い。

勿論優子さんとの事は和歌葉には話してある。
というよりもこの件に付いては政府高官と山田が勝手に決め、俺より先に山田が娘である和歌葉に相談していたのだ。
それから俺の所に話が来た。
現在の俺が日本唯一の精液保持者という特殊性を良く判っている和歌葉は
「私が部屋にいる時以外なら。」
という条件付で寧ろさっぱりとした位の態度で俺と優子さんの事を許してくれている。
そうか、と優子さんの顔を見る。
まあ和歌葉なら、それで良いのかもしれない。
山田の娘というのもあるけれど、公式に俺の恋人だし、この事態も一番近くで把握しているいわば当事者だ。
が、優子さんの場合は旦那さんだ。
この事は上司から命令されているだけで自分が当事者な訳じゃない。
エージェントとはいえ新婚早々週に2回も24歳の新妻が俺の所に来るとなって気にならない訳がない。

「ねえ優子さん、旦那さんにはなんて言ってるの?ここでの事。」
「……そ、そういうこと聞く?」
リラックスした感じでペットボトルのジュースを口にしていた優子さんが引きつった顔でこちらを振り向く。
しばらく困ったような顔をした後、優子さんは口を開いた。
「……君のせいじゃないけど。
仕事とは言っても、本当は穏やかじゃないと思う。
…だから、結構嘘ついてる。彼が気にしないように。」

普段の態度がエージェントらしく清廉潔白で真面目、という感じの優子さんがそう言ったものだから多少驚く。
「へえ、例えば?」
お互いベッドボードに寄りかかったまま。
俺は優子さんの方を向いてそう聞いた。
急に恥ずかしくなったのかもしれない。
うう、と言いながら優子さんは両足はベッドに伸ばしたまま、
両手を抱きしめるように前に回して胸を隠すようにして前を向いたまま口を開いた。
「寝てるだけって感じだよ。とか。」
そう言ってから、おずおずと俺の事を上目遣いで見てくる。
俺に対してデリカシーのないことを言ったかもしれないなどと思ったのだろうか。
全然気にしてないという意味を言外に混ぜながら言葉を返してやる。
「マグロみたいな感じって事?」
俺が気分を害してないと判ったのだろう。ほっと優子さんが息を吐き、そして肩を竦める様にした。
「そ、私が寝てて、君が上に乗ってってそう言ってる。」
「はは、5分くらいで終わりってそんな感じで言ってるんだ。」
「うう、まあ、そう。」
「優子さんからはサービスしない事になってる?」
「うう、その、全く嘘つくのは嫌だから口でちょっとだけしてるって言ってる。」
「ちょっとだけか。」
「それでも凄く嫌みたい。それはしないで欲しいって言われてる。」
なるほどね。と頷く。
なんとなく悪戯心が湧いてくる。
「優子さんはあれ以上の事旦那さんにしてるのか。」
言外に今日の前戯で30分に渡って徹底的に舐めてくれた事を含ませながらそう言うと、
その瞬間、かっと優子さんの顔が赤く染まった。
きっとこちらを睨み付け、同時にどん、と肘でつつかれる。

「ごめんごめん。」

「あ、ああいうのは結構無意識だから。じ、時間とか忘れるでしょ!?
それにき、君がさせるからでしょう。
………
もう、よ、良くないよね本当に。うう…無かった事にしてよ。」
ぷいと顔を向こうに向けている。
優子さんの両手がシーツの上で遊んでいて、ピアノを叩くように指が所在無さげにシーツを叩く。

「無意識なんだ。優子さんが良くないと思ってるならもうしてくれないって事か。そうか。」
そりゃ忘れられないな。と冗談めかしてそういうと
またとん。と肘でつつかれた。

「また今度してあげるから忘れて。」
「じゃあ今日のは無かった事にしよう。優子さんは俺にサービスしてない。
あんな事もしなかった。口ではちょっとだけ。」
うん。と頷く。

「じゃあイったりもしてない事になってる?」
どん。
また激しく肘でつつかれる。
「いてえ。」
「イってません。」
優子さんの視線は向こうを向いている。
「そうか、優子さんイってないんだ。」
なるほどね。と頷く。
「やっぱりね。俺もそう思ってたんだよ。ああやっぱりねえ。そうだよなあ。なるほどね。」
うんうんと頷く。

「……」
「………」
「…………」
「………………………………」
「ああ、もう。そういう話する?どうしよう。どうしようもう。約束してるの。」
二人してたっぷり3分以上黙った後、優子さんは頭を抱えるようにした。

「何を?」
そう聞くと、優子さんは頭を抱えた腕の間から俺を見上げてきた。
俯き加減になった所為でブラに包まれた真っ白な乳房の深い谷間が見えて中々に目の保養になる眺めだ。
押し出すような声で優子さんが口を開く。
「ちょっとは反応しちゃう事もあるかもしれないけど、絶対いったりしないって。」
「そうなんだ。」
優子さんがいきたがらない理由を知って、ちょっと罪悪感を感じる。
「で、信じてるのかな?」
「信じてると思う…でも」
「あ、あんな風に君にいかされちゃうと、その後2~3日、ちょっと変なの。
もしかしたら、ちょっとは気が付いてるかもしれない、」

「旦那さんともイくんでしょ?」
「その、イく時も、ある。時々ね。」
うん。と頷く。
普段、大抵の雑談の時は優子さんに言い負けるのでこういう風に悩みを聞くような形になる事は珍しい。
それに普段だったら優子さんはここまで話し込むことはなくて、
暫くこうやって休んだ後にさっさと家に帰っていく。

「でも…っていうか、いく感じが違うの。
その、そう言うときは私がいこうって思っていく感じなの。
君みたいにされて、連れて行かれる感じの時とじゃ、違うみたい。
もしかしたら君みたいにされる時の事が本当にいくって事だったら、どうしよう。って思って。
君が無理やりイかせたりするから私、こんな風に悩むんだよ。」
ふうっと息を吐いてから優子さんは俺の方を見た。

「……って嘘。今のなし。」
優子さんは一度首を横に振ってからぶんぶんと手を振る。
口調が急に真面目な感じに戻る。

俺は一度だけ目をぐるりと回してから口を開けた。
「じゃあ、これからはいかさないようにしようか。」
「君にはいっつもそう頼んでる。」
優子さんはじっとりとこちらを睨んでいる。
優子さんは俺の所に来る前にお化粧をしてくるけれど俺が激しい事もあって
こうやって一度終わるとお化粧はほとんど取れてしまう。
しかしすっぴんでもこうやってこっちを見てくる顔は恐ろしい程美人だ。
むしろ魅力は増しているようにすら思う。
「いや、今度は本当にそうする。」
心に固く決めた。
「うそ。」
「俺、心を入れ替えるよ。今の優子さんの話聞いて思った。マジで。」
「うそだ。」

「いやマジで。倫理って知ってる?人の道って書いて倫と読むらしいんだけどさ。
昔教わった先生が言ってたのよ。良い事言うんだこれが。
まあ聞いてくれよ。んん。ん。いい?
人の嫌がることをするな。………人としての倫を守れ。
なあんていうと君達はこう言うかもしれない。
……」

「ああっもうっ!そうじゃないのっ!」
俺が語りだそうとしたその瞬間、ぎゅっと目を閉じていた優子さんが
大きく息を吐いてからぶんぶんと頭を振った。
「えええええ…聞いてよ。」

「やじゃないの。」
「え?」
優子さんが口をへの字にしながら搾り出すようにして言ったその声に思わず聞き返す。

「き、君にう、嘘言うの嫌だから言うけど。」
「嫌じゃない?」
こくりと頷く。
「………うう……そりゃやじゃないよ。だって凄いんだから。」
そう言ってからぎゅーんと言う感じに慌てて優子さんが上半身ごと窓の方を向いて視線をそらす。
それから早口に付け足すように言葉を発していく。
「その、精液とかのせいって思いたくないんだけど、
その、君のそれ、最後に出すだけじゃなくてその、気持ち良いだけで出てくるでしょ。」
「先走りの事?」
優子さんが俺の言葉にそう。と頷く。

「それダメなの。君のを舐めてて、それだけで何か私、その、女の子になっちゃうって言うか。
何か感じが違うの。もっと出して欲しいってなる。」
そこまで言うと優子さんは耳まで真っ赤にした。

「旦那さんって精液全然でないんだっけ?」
「そ、そうだけど。」
「今まで付き合った人は?」
「彼と君以外としたことない。」
「へえ。」

優子さんは一度俺の顔を見てから首だけを折って下を向き、そしてすうと息を吐いた。
「そ、その、だからかな。君が精液保持者だからなのかもしれないけれど、すっごい満足感があるのっ。
君のを口にしてても私、ずっと心の中で精液出して、精液出してって思ってるのっ。
ずっとおしゃぶりさせて欲しいってそんな風に思っちゃうの。最初っからそうだったの。
そんなだから、君の硬いのを入れられた時なんてもう、何も考えられなくなっちゃって、
いきたくないっイっちゃだめって思いながら、彼の事も思いながら私、
君とのSEX凄い気持ちいいってそんな風に思っちゃってるのっ!」
優子さんは涙ぐんでいた。
ああもう駄目、すごいいやらしい私。と言いながら優子さんは脚をばたつかせた。
ストレートの髪が翻る。

優子さんが信じられないレベルの率直さで俺のチンコと精液について語っていた。
山田に日本で唯一の精液保持者で、君に基本的に人権は無いよと教えられたその時は
よし、金玉潰そうかな。俺これから女性ホルモン入れて女として1から出直そう。
と微かに思ったものだが思い留まってよかった。

優子さんは耳まで真っ赤にさせてああ、言わなきゃ良かった。と頭を抱えながらこっちを見ている。
悪戯心が再度むくむくと起き上がってきて、
俺は彼女の顎をくいと持ち上げて切れ長の彼女の目を覗き込んだ。

「じゃあ、今度からもいかせて欲しい?」
「だめ。それと今の話は別。」
意外ときっぱりと言い切られる。
「今優子さん、嫌じゃないって言ったじゃん。」
「絶対ダメ。やっぱり今の忘れて。」
彼女の顎から手を離す。優子さんの視線が俺から離れる。
俺も目線を話してあげる。前方を見ながら口を開く。
「…次からもいかせて欲しいならマンコに入れてって言ってみ。」
「ぁぁ…おまんこに入れて欲しいっ。…ううううう…」

「うう…」
優子さんが頭を振りながら両手で顔を覆う。
「俺の精液好き?」
「好き。」
「俺に次からも精液出して欲しいならそう言ってみ。」
「うう…もうっ…精液出して欲しいっ。」

「ほう。」
「うう…」
「もう一回言ってみ。」
「どっち?」
「どっちも。」
「ぁぁ……もうっ…君の精液大好きなのっ!……お、おまんこにも入れて欲しいっ。」
両手で隠している手を外して、顔を真っ赤にしながらもはっきりとした口調で優子さんは答えた。
正直に話をする人間は、相手にだけじゃない、自分の信じることが出来るようになるんだよ。
そんな先生の言葉を思い出す。
先生。今、俺のは正しいですか?輝いていますか?
今の優子さんの中々に素敵な答えを聞きながら俺は首をかしげた。
「ほほう。でも条件がある。」
「!君ね、人にこんな事言わせておいてね。」

「さっき旦那さんとの時にいく時は優子さんがいこうとしていってるって言ってたよね。俺のときにもそうして欲しい。」
「もう…ダメそれは。」
「………」
「ダメ。約束してるの。それだけは許して。それだけは絶対ダメ。」
それだけは取っておかないと駄目。そうやって言う優子さんの右手を取って
優子さんのあまりの可愛さに既に屹立しきっていた俺の物を握らせる。
優子さんはビクッと一度震えたものの手を離そうとはしなかった。
暫く握った後、小さく声を出す。
「…うう…硬いっ……」
しかめつらしく頷きながら重大な発表をするかのように口を開く。
「今度、一度口の中に出すってのは?研究所には内緒で。」
その瞬間、優子さんは俺のものをぎゅっと握り締めた。弱弱しく俺の事を見てくる。

「……飲んでいいの?」
「好きにしていいよ。」
「……どうすればいい?」
「俺に抱かれても自分からいくってちゃんと言いな。」
「ぁぁ……もうっ…いく、いくから。ずるい。」
「優子さん、ちゃんと言うんだ。」
「ん、次はき、君にだかれていくから。自分でいく。自分からいく。約束する。」
がっくりと首を折りながら非常に嗜虐欲をそそる感じに優子さんは頷いた。

「旦那さんにはどうするの?」
嗜虐心に満ちた心でそう言うと、優子さんは心底困った顔で顔を上げてきた。
再度俺の方を弱弱しく見てくる。
「な、内緒にするってのはま、まずいかな。
嘘はつきたくないけど、言わないでいいことは言わない。…ってのは」
「まあ、いいんじゃない?」
助け舟を入れてあげる。
「優子さんは俺の家じゃマグロで、自分からはサービスしないし、フェラもしない。勿論イったりもしない。言ってみな。」
「私は君の前じゃマグロで、絶対サービスとかしないし、フェラもしない。イったりなんか絶対しない。」
優子さんは目を閉じて、自分に言い聞かせるように、そして誰かに聞かせるように2回、はっきりとそう言った。

「今日、もう一回していく?」
目を閉じたままの優子さんにそう言うと、優子さんは慌てて左右に首を振った。

「駄目、あ、もう帰らないと。」
そう言って、優子さんは目を開けると時計を確認するように首を回した。
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35人目 ~2話目 その1


「あっ!あっ!あっ!そこだめっ!やっ!やっ!んっ…あんっ!」
優子さんの高く掲げた尻を掴みながら抉る様に腰を突き込む度に優子さんの首がカクカクと揺れる。
俺の下腹部と優子さんの尻がぶつかる度にパン、パンという乾いた音が響く。
優子さんが後背位の体勢からGスポットを捏ねくられるのに事の他弱いのは最近の何回かの経験上判っていた。
見事なまでにくびれた腰を掴んで捏ねるように突き込む度に優子さんの膣内が締め付けるよう動きをしてくるのを感じる。
優子さんと俺が俺の部屋にある無駄に馬鹿でかいキングサイズのベッドに上がってからもう2時間になる。
二人とももう汗まみれだ。

「優子さん、俺イキそうなんだけど。」
「あっあっあっ!やっ!そこいっちゃう。いっちゃうから。
梅原くん早くイってっ!ねえはや…くっい…やあっ!やっ!あんっ!」

プライベートでは結婚したばかりの新妻でもある優子さんは旦那さんに気を使ってか
出来るだけ自分はいかずに俺をいかせようとする傾向がある。
無論俺としては優子さんのその気持ちに最大限の敬意を払う事に吝かではない。
なんといっても彼女は政府のエージェントとして、仕事として俺の相手をしている訳だ。
その上彼女は政府関係者としての知的な風情だけじゃなく
売れっ子のアイドルかモデルとでも言っても通るような透き通るような美人。
びっくりするほどストレートで艶やかな背中まであるロングの黒髪に軽くセニングで削いでサイドに分けている色っぽい前髪。
165cmと女性にしては少し高い身長にスレンダーな体つきと驚くほど括れた腰。
体を見れば全身隅々まで真っ白な肌。
胸は釣鐘型でDカップでその先端は驚くほどピンクで超感度良し。
すらりと引き締まっていながら柔らかさを保つ真っ白なお腹と
エージェントらしいその奥に隠された薄い腹筋。
そして艶やかな髪の毛に比べて体毛は殆ど生えない性質らしく限りなくパイパンに近いっぽい陰毛と
最高の気分を味合わせてくれるそのちょっと下のピンク色のその部分。
年齢は24歳で美人なだけでなく可愛らしさも満載。
新婚なりたてのそんな彼女が旦那さんを愛している事は知っていたし、
そもそも俺は如何にも理系のイケメンといった感じの彼女の旦那さんにも何回か合った事がある。

本来であればいくら俺が精液を生産できる人間だからと言って、
コンドームも付けずに生でバックからこんな風に責めて良い相手じゃあない。
本来であればこんな事をしていては失礼にあたるというものだ。

その旦那さんは今、彼女が俺の所にいる事を知っている。
何故そんな事を彼が俺に許しているのか。そして彼女も俺に許しているのか。
それは彼女達の上司であるチーフエンジニアの山田が彼女達にそう頼んだからという理由があるからに他ならない。
つまり、国は優子さんを俺の精液を採取する仕事に割り当てたのだ。
エージェントとして精液保有者である俺の精液を採る為に。
無論優子さんは大分躊躇したようだ。当たり前だ。
が、政府の命令とあればエージェントとして断ることなど出来なかったのだろう。
まったく。政府のやり口といったら正気とは思えない。
ゆっくりと首を振る。

「ちょっとっ…何考えてる…あんっ…あっあっ!…ねえっ聞いてお願い梅原君早くっ!
あっ…やっやっねっねえっそこだめっっ!梅原くんっ!もうっ!お願いっ!
もういっちゃうから。ねぇ…あっ!あんっ!んっ!あんっ!あんっ!」

リズミカルに優子さんの腰を俺の腰に叩きつけながら考える。

倫理とは何か。
人の取るべき道とかいて倫と読む。とは高校時代の社会科の教師の言葉だった。
年老いてはいたけれどとても情熱的な男の先生で、俺はその先生の話が好きだった。

「人の嫌がることをしてはいけない。人としての倫を守れ。
なんていうと君達はダセエッとかって言うかもしれないね。
僕はそれを否定しない。今はいいんだ。君達がそう思ったって。
何故なら君達はまだ子供だからだ。
体は大きくてもまだ子供だ。自分の事だけに一生懸命だってしょうがないんだ。
今はまだそれでいい。
まあこんな事を言うと逆に君達は反発するかもしれないけれどね。
でもいつか君達が僕の言葉を思い出す事があると僕は信じている。ダセエと思わずにね。
そう、多分君達が大人になったその時、ああ、大人っていうのは20歳になったという事じゃないよ。
例えば君達が父親になった時、それから自分の力でこの社会に両足を下ろす事が出来た時、
そんな時に思い出すと思う。
自分自身がきちんとした一つの個で、そして周りの皆もそれと同じ個で、
勿論君達の子供も同じ個なんだって思った時、そんな時にようやく判るんだ。
その時に思い出して欲しい。その時に思い出してもらう為に僕はここ、君達の前に今こうして立っている。
これから一年間君たちに話すことを、いつか思い出してほしい。
倫理とは今学び、そして一生を掛けて理解していく。そういう事なんだ。」
そんな事を言っていたのをふと思い出す。

人の嫌がることをしてはいけない。
全裸で右手と左手の肘から先をベッドにつき、上半身をベッドにうつ伏させる形となって
俺の方に高く尻だけを持ち上げている格好の彼女を後ろから思い切り突き上げながらそう思った。

変わらぬスピードを保つように気をつけながら優子さんの締りの良い膣内で俺のものを前後に動かしつつ、
時にGスポットのあたりを捏ねくる様な動きも混ぜたりすると
その度に優子さんの膣内から温かい液体が大量に分泌されてくる。

俺の一物が優子さんの膣内で動きやすくなる為にのみ存在するその液体がしっとりと俺自身に纏わり付いてくる。
纏わり付いたその液体の余った分が俺の一物と彼女との間に溜まり、
俺の腰と優子さんの腰が激しくぶつかる度にまるで両手に水を垂らした状態で手を叩きつけた時のようにブチュッという音を立てて弾け、
飛び散った液体が俺の太腿を濡らした。
「ああ…ああっ!いいから…もうっ。ダメだから、ねっ!梅原君お願いっ!
はやくっはやくイってっ!ねっ?あっ!あんっ!あっあっいやっ…あっ!あんっ!」
優子さんの膣内はもはやひっきりなしに俺のものを締め付け、収縮するように動いている。

人の嫌がることをしてはいけない。
そうだ。先生はそう言っていた。
くそっ。なのに俺の今やっている事といったら。
哀しい気持ちになる。俺はどうすればいい?
頭の中で必死に考える。
人の嫌がることをしてはいけない。その意味は?
今の俺ができる事といったら?

「おら、早くイっちゃいなよ。優子さん。」
パン。と音を立てて優子さんの膣内に激しくつき入れ、一瞬だけ動きを止める。
至極冷静な感じに俺の口から出たその言葉を聞いた瞬間、
優子さんの膣内が急激に収縮した。真っ白な背中がぐぐうっと反り返る動きを見せる。
「ああっ………!」
その動きに負けないようにこじ抜く様に腰を後ろに引き、
優子さんのGスポットが充分に捏ねくられるように一物を前にぐっと動かす。
「あっ……そ、そんなっ!あっだめっ!そこだめっ!はやくっねえ、本当にイって!
あっあっあっ!もうそこ凄いっっ!あんっ!」

僅かながら俺より年上の彼女だが、Mっけがたっぷりとある事は知っていた。
優しくするよりも、最後はこう云う風にちょっと乱暴な口調で責められると激しくいってしまう。
人が嫌がることをするな。
逆転させれば人が喜ぶ事をしろ。
この事に気が付いたのは、もしかしたら俺が少しだけ大人になったからかもしれない。
まだ道のりは遠いだろう。いつまでも追いつけないかもしれない。
でも年老いた教師に、その大きな背中に一歩づつゆっくりと近づけていればいい、俺はそう思う。

「どっちに出す?優子さん。」
俺に深く貫かれ、激しく腰を叩きつけられながらも
俺が腰を動かしづらい位にきつく俺のものを締め付け続けている優子さんに声を掛ける。
どっちとは精液採取用のパネルキットに出すか、優子さんの中に出すかどっちにするか。という意味だ。
優子さんの中に出しても最終的には女性用のキットで採取する事になる為、どちらでも構わないと山田には言われている。
しかし今まで俺は優子さんの膣内に出した事は無い。
こう聞くのは俺達の儀式のようなものだった。

俺の激しい動きに優子さんの全身と釣り下がった釣鐘型の乳房が反対方向に揺れる。
右手を伸ばし、激しく揺れている釣鐘型の乳房の先端にある驚くほどピンク色の乳首に手を伸ばした瞬間、
2箇所からの刺激に弱い優子さんの首がカクンと折れる。
驚くほど艶やかなストレートの髪を乱しながら優子さんはぎゅっと目を瞑り俯いたまま叫ぶように声を上げた。
「ど、どっちって…中はダメっ!あんっ!胸、やっ!あっだめっ!そこだめっ!
…嘘っ!イやっ!んんっ!ねえ、お願いっ!は、早くっ!
いっちゃう、いっちゃうから!ねえっ!」

腰の動きは止めない。激しく膣の奥の方を突きたてる動きのまま片手ではピンク色の優子さんの乳首を捏ねくるように指先を動かす。
「ああ………もうどっちでもいいから!ああっ梅原君っっ!早くいって!あっ!
あっあっあっ………もうダメいくっ!いくっ!だめダメ…ああっ!イっちゃうっっ!」

「俺の精子で妊娠しちゃったら優子さんどうする?」
今日本で人工授精以外の方法で妊娠する可能性は0だ。
今日本で人工授精をせずに孕むという事は実際に膣内に俺が射精したという事と同意味になる。
フィニッシュに向けて腰の動きを早めながらそう言う。
優子さんは俺の言葉が聞こえないように激しく首を横に振っている。
「ああっ…ごめん、あっあっあっごめんなさいっ!もういくっ!あっ!もういっちゃう!」
もう良いだろう。俺は優子さんの様子に合わせて腰の動きを最大速にして優子さんの尻に叩きつけていく。
優子さんはがっくりと首を折って、顔をシーツに擦りつけ、両手ではぎゅうとシーツを握り締めていた。
尻だけを高く掲げた格好のままもはやこちらの動きの為すがままになっている。

「ああああああああ…ダメだって…ああ…いくう…いくっ…あっ!あんっ!!
 あああああもうダメっ恥ずかしいっ!ごめんなさい…あっいくっあっ!…あっ!!」
優子さんが今までで最も高い声を上げたその瞬間、ぱしゃぱしゃ。と言う音と共に
優子さんの膣内から温かい液体がどっと大量に出てきて俺のものに絡みついてきた。
それが俺のものにたっぷりと絡みついた後、溢れた分の液体が俺と優子さんの結合部分からつーっ、とシーツに滴り落ちる。
そして優子さんの膣内が、今までとは違う激しくうねりながら絞るような様な動きを見せ始めた。
「あっ…あっ…いやあ。」
優子さんはぎゅっと目を瞑り、シーツを握り締め、尻を高く掲げたまま一度だけ全身を使ってぐぐうっと反り返る様な動きを見せた。
高く掲げた尻が反り返るその動きと共に前方にくっと動く。
優子さんのその締め付けを十分に確認してから俺はベッドボートに手を伸ばしてキットを手にする。

500ml用のペッドボトルを少し小さくした感じの大きさの銀色の硬い金属製の採取用ケースを取り出し、
そのヘッドに付いている開閉口の密封栓をパキンと外す。
プシュッという湿った音と共に真空だったケース内に空気が入る。
ペッドボトルのような形といっても金属製であり、その質感は政府製の特殊機材というだけあって流石に重厚だ。
ピッという音と共に採取ケース上のランプが黄色から緑色のランプを灯した事を確認してから、
俺は上半身をベッドに突っ伏したままの格好の優子さんのきつく締め付け続けてくる膣内から一物を取り出すと、
いきり立ったままのそれを採取用ケースに突き立てた。

ひんやりとしたジェルが一物に纏わり付いてくるのを感じながら充分にケースの奥まで突き立て、その中に力いっぱい射精していく。
「くっ」
思わず声が漏れる。
毎回そうだが、女性の体内に近づけたんだとか自慢げに山田がいう割にはこのキット、
中に入っている冷え切ったジェルはべとべとしているし粘着性も強い為、
ケース内の感触はそう良いものではない。

外に漏れないように最後までキット内に射精してから、
俺は一物を引き抜くと採取用ケースの開閉口を閉じた。
ケース上のランプが緑から赤に変化し、
シューッという音と共に空気が排出され、採取用ケース本体の温度が急激に冷えていく。
真空状態になるとピッという音と共に蓋にロックがかかる。
なんでも一度こうなると研究所のある場所以外では梃子でもこのケースは開かないらしい。
山田曰くロックされた後に無理にあけようとすると中身を破壊する為に
爆発するようになってるから気をつけて欲しい。とか言っていた物騒な代物だ。
そんなものに俺のものを突っ込ませるなと言いたい。
爆発したらどうするんだ。

そんな事を考えていたらどっと射精後の倦怠感が全身を包み込んできた。
真空状態になった事を確認してからケースをベッド脇に放り投げ、
俺は今だ尻を高く掲げたままシーツにしがみ付くようにしている優子さんの横に倒れこんでいった。
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by obtaining | 2008-06-20 15:29 | document

35人目 後編

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秘書と言うには若すぎるきらいのある感じの女の子がコーヒーを持って入ってきた。
黒眼が印象的なエキゾチックな顔立ちで、肩まで切りそろえた髪を揺らしている。
凛とした雰囲気を纏っているが、なんだか見た目は高校生位に見える。
高校を出たばかりでここに就職したのだろうか。
何歳だかは判らないがきっと学生の時にはさぞかし美少女で通っていただろう。
政府機関ともなると就職する女の子もとびきりの美少女を採用するっていう事か。

朝食用のプレートだろうか、湯気を立てているスクランブルエッグにウインナー、
付け合せのサラダとパン、それにコーヒーを俺の前に置くと、彼女は頭を下げて出て行こうとした。
それを山田が呼び止める。

「和歌葉、ちょっと待ちなさい。」
山田は出て行こうとした彼女の肩を抱いて俺の方を向かせた。
「紹介するよ。私の娘だ。和歌葉という。」

「嘘だろ?今日はゴリラが喋る所を目の前で見たばかりなんだぞ。
その上トンビが鷹を産んだみたいな話を俺に信じろって言うのか?」
「何を言っているんだ?」
その時、紹介された少女がくすくすと笑った。
すぐに真面目な顔に戻ったが、
笑ったその時だけ凛とした雰囲気がふにゃりと崩れたように見えたのを俺は見逃さなかった。
とても魅力的な笑顔だったからだ。

俺は自分から手を差し出した。美少女には礼儀正しく。男としての当然のマナーだ。
「梅原です。初めまして。」
彼女はまたにっこりと笑って俺の手を取った。
「和歌葉です。こんにちは。」

そんな俺達をにこやかに見ていた山田が口を開いた。
「お互い第1印象はそう悪くないようだな。和歌葉、安心しただろう。」
何を言っているんだこの髭は。
山田の言葉に彼女は唇をアヒルのように尖らせてなんとも味のある顔をした。
ちょっと小首を傾げた後、ちょっと拗ねたように言葉を出す。
「お父さん、何でもそうやって口に出すのはお父さんの悪い癖よ。」
山田は、はははははなどと笑っている。

「ここからは和歌葉にも同席してもらう。彼女は全ての事情を知っている。梅原君、良いかね?」
俺も連れて来られた身だ。否やはない。
頷くと山田は彼女を自分の隣に座らせてから、自分も椅子に掛けた。

「あ、ここからは食事をしながら、という事にしよう。
目の前の食事は君のだ。好きに食べながら聞いてくれ。」

「今までの話で、君は自分が置かれた立場がどんなものだかある程度掴めたと思う。」

「ああ、俺が女を妊娠させる事の出来る精液を持っているっていう話だろ?」

「そうだ。ここからはもっと実際的な話をしよう。
君を脅かすつもりじゃないが知っておいたほうがいいからな。」
そう言うと山田は手元の分厚いファイルをぱらぱらと捲った。
「我が国は正常な精液を保有する人間を発見した旨を
総理大臣から本日付で各国の首脳に向けて発表する。」

「は?」
「これは超極秘に行われるから近々にマスコミに漏れる事は無い。まあ時間の問題だろうがね。
まあそれでどうなるか。という事だが、
今後全世界から日本が軍事的脅威に晒される危険はほぼ0となった。」
「なんで?」

「判らないかね?もう核爆弾なんて何の役にも立たないんだ。
人間は今後増えないんだからな。
領土を広げる必要も資源を奪い取る必要もどの国にも無いのさ。
どの国も今後、毎年毎年19世紀のちょっとした大戦レベルで総人口が減っていくんだぞ。
100年後には殆ど0だ。
それもこれも新しい赤ん坊が産まれないからだ。
だから各国は自らの人口と文化を守る事にやっきになってるんだよ。
国が守るべきものは領土と資源から文化に変わったんだ。
どの国も間違っても精液保有国を攻撃したりしない。
万が一該当者に死なれた日には世界中から袋叩きに遭うからだ。
それよりも金を支払う方を選ぶさ。
何処の国も君の精液を喉から手が出るほど欲しがるんだ。
現在、正常な精液保有国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、トルコ、エジプト、中国、タイの8カ国だ。
内訳はアメリカが11人、これは白人系が4人に黒人系が7人だ。ロシアは白人系が10人、
イギリスが白人系が4人、フランスが白人系が2人に黒人系が2人とアラブ系が1人。
エジプト、トルコがアラブ系を1人ずつ抑えている。中国、タイがアジア系を1人づつ。
そして日本が9カ国目に躍り出てアジア系1人となる。これが君だ。
この一報が流れた瞬間、世界では大変な事が起こるぞ。
これは私見だが、まず中国の首相と韓国の大統領が何を置いても吹っ飛んでくるだろうな。
総理が電話を切った10秒後には二人とも飛行機に飛び乗っている事は賭けてもいい。
3ヵ月後にはこの国は首脳会談祭りになる。
精液非保有国は元より、精液保有国でも、いやだからこそ多くの種類の精液が喉から手が出るほど欲しいんだよ。」

「なんだかパンダか競走馬みたいだな。」

「パンダどころの騒ぎじゃないさ。現在の正常な精液を保有している34人のうち、
アジア系は君が見つかるまで僅か2人だったんだ。
信じられない事だろうが教えよう。
これも極秘情報だが今、タイじゃ国民に掛ける税金を大幅に減らす事を検討しているらしいぞ。
何処かの大国がこぞってこう言って来るからだ。
そちらの国家予算位わが国で負担致しますよ。とね。
きっとエジプトじゃピラミッドを金色に塗る事を検討しているに違いないと私は思っている。」

「それで?」

「君は今、国際社会において核弾頭よりもナイーブな存在になったんだよ。
我が国はこれから第2次世界大戦後培ってきたのらりくらりとした外交に徹底的に磨きを掛けるだろう。
国内機関は元より、外交に関連する官僚の全てまでもが君の精液をどのようにして国益に繋げるかに頭を絞る事になる。

「ちょっと待てちょっと待て。」
「何だ?」
「俺の人権はどうなる?」
「今の話を聞いていなかったのか?そんなものはない。君の人権を認めたら公共の福祉に反する。
今後の国の未来と国益が君の精液に掛かっている。」

「じょ、冗談じゃないぞ。そんなもんを俺の金玉に掛けるな。
冗談じゃない。冗談じゃないぞ。家に帰らせてくれ。」

「君はもう帰れないよ。」
がたりと立ち上がった俺に山田はこともなげにそう言った。

「何?」
「今までの話を聞いただろう?君はもう核弾頭よりもナイーブな存在になったんだ。
国が攻められることは無くても拉致やテロの対象になるかもしれない。」

「お父さん。」
それまで黙って父親の話を聞いていた和歌葉が窘める様な声を上げた。
「何だ和歌葉、俺は」
「きちんと理由からご説明しないとダメよ。
梅原さんは急につれてこられたんだから、不安に思ってしまうに決まってるじゃない。」
ぴしりと音が出るような勢いでそう言うと彼女は、俺に向ってね、という感じに首を傾げて見せた。

しかし、いや、などと呟いた後、
彼女の言葉に暫く考えるように沈黙してから、山田は一度目を閉じ、深呼吸をした。

「…すまない。娘の言うとおり、私は相手の気持ちを考えずに喋ってしまう悪癖があるんだ。」
俺が黙っていると山田は話を続けた。

「脅かすつもりは無かったんだ。
その、つまりそういう状況である事を君に理解してもらおうと思うあまり、
君に対して無神経な言い方になっていた事は謝る。
私は科学者だから時に人を人とも思わないような喋り方になってしまうんだ。
言い訳にしかならないけれどね。」

「勿論君の人権は最大限に尊重される。寧ろこう考えてもらったほうがいい。
君は超VIPになったんだ。例えばロックスターや芸能人、そういったような人たちみたいにね。
寧ろ既存のそういったものよりも遥かに高いレベルでそうなったと思ってもらっていい。
だから我々は、君にアパートに住んで貰う訳にはいかないんだ。
我々は君が決して不満に思わないような住居を無料で提供する。だからそこに住んで欲しい。
それだけじゃない。君には使い切れないほどの生活費が年金という形で国から支給される事になるし、
それに対して税金を支払う必要は一切無い。」

「それだけじゃないんだろう?俺は何をさせられるんだ?」
俺がそう言うと山田は頷いた。
「そうだ。君は聡明なようだから大体理解した事と思う。
君には今後、国、もっと具体的に言えば我々の研究所に定期的に精液を提供する義務が発生する。」

「どのくらいの頻度でだ?」

「2日、いや3日に一度でもいい。まあそれは交渉次第だ。
年金とは別に提供する度に金銭的又はその他を問わず何らかの報酬が存在する事も約束する。」

俺は溜息を吐いた。
「拒否は出来ないんだな。」
「残念ながら出来ない。事の重大性を理解して欲しいとしか私からは言えない。」
山田はいかにも済まなそうに俺にそう言った。

「外出は許されるのか?」
「勿論だ、護衛は付くが、君の視界に入るような事は無いし、
もし君が身の危険を感じるようだったらぴったりと貼り付ける事も出来る。」

「それ以外は?それ以外に制限は無いのか?」
「生活に対してある程度の制限がつくことを覚悟してほしい。
食事は基本的にこちらで用意させて頂く、勿論マクドナルドで楽しむのも自由だが、
君の健康と栄養を管理する必要があるという事だ。
後、過度な生活の乱れにも意見を言わせて貰うかもしれない。
例えば夜更かしをしすぎるというようなね。後は、言いにくいんだが…」

「何だ?」

「君は今後、性行為を行う相手を自由に決める事が出来ない。」
「お父さん!」
鋭い声を上げた和歌葉に対して山田は焦ったように言葉を続けた。

「ああ、説明が足りないな。我々が恐れているのはこういう事だ、
君が何処かの女性、つまり私達の管理下にない女性と性行為を行い、
結果エイズに罹ったというような場合だ。そういう事は絶対に避けたい。
この為、君が性行為を行う事が出来る相手はあらゆる伝染病、感染症等に罹っていないクリアーな女性のみとなる。
更に言えば定期的に君と性行為を行うような相手は私達の管理対象にもなる。
言い方が悪いかもしれないが、クリーンでいてもらう為に
君以外の相手と交渉を持っていない事を証明できないといけないからな。」

「女性のみなのか?」
俺の言葉に初めて山田は本当に慌てた顔をした。
和歌葉まで思わずという感じに俺の顔を仰ぎ見た。

「冗談だよ。」
俺が手を振ると山田はほっと息を吐いた。
「焦らせないでくれ。全く想定していなかった。」

「どちらにせよそんな相手はいないし、当分出来るとも思えないな。」
「どうしてだ?」
「さあSEXしましょう、つきましてはあらゆる伝染病、感染症に罹っていないか病院に行って検査してもらえますか?
いえいえ気にする事はありませんよ。ただで検査してくれるいい病院を知っていますから、さあ今から行きましょう。
あ、それと俺と一度やると君が浮気をしないかどうか黒い服を着た男が周りをうろつきはじめますけど気にしないで下さい。
実害は無いですから。山田さん、あんたそう言って女を口説ける自信があるのか?俺は無いな。」
俺の言葉に和歌葉がくすくすと笑った。

「…確かにそれは私でも自信が無いな。そういう問題はある。
例えば、仕事やプライベート、何もかもに疲れ果てた時にふらりと酒場に立ち寄って
そこにいた魅力的な女性に声を掛けて一晩を共にする、そういう事は君には出来なくなる。」
和歌葉がぎろりと父親を睨む。

「一般論だ一般論。私はお前もお母さんも愛している。
梅原君。我々もそのくらいは判っている。それに関して対策案も考えてある。
そこでだ。君のプライドをいたく傷つけるかもしれないが提案させて欲しい。
クリアーな女性はこちらで用意しよう。」

「何?」

「クリアーな女性だ。君が良ければこの和歌葉を提案させてもらおうと思っていたんだ。」
「何を言ってるんだ?」

「彼女はクリアーだ。あらゆる感染症には罹っていないし、健康そのもので、処女でもある。」
「お、お父さん。そ、そこまで言わないでよ。」
処女という山田の言葉に和歌葉がうろたえたように言う。

「身内の贔屓目かもしれないが頭も悪くないしそこそこ美人だとも思う。
それに何よりこの事を深く理解している。」

「この事?」

「君は大分理解してくれたが、きっとまだ本当に理解してはもらえていないと思う。
もう一度言うが、君は国家にとって核弾頭よりナイーブな存在になったんだ。
今後この状態に慣れるまで君は極度のプレッシャーをその身に受ける事になる。
無論これは君の判断次第だが、私としてはその時にこの事態を正しく理解し、
そして君と悩みを分かち合えるパートナーが必要だと、そう思っている。
そして彼女は私の娘で年は若いが今回の事の重大性を良く判っている。保証する。」


「それと誤解して欲しくないのだが、これは別に私が娘に強制した事ではない。
娘にはこう言ってあった。この話し合いの中、お前が相手を気に入らなければ直ぐに部屋を出て行っていいとね。
そうなった場合、君には他の女性を紹介する予定だった。」

「…」

「君が和歌葉を嫌というならどんな女でも連れてくる。そう、あの女でもいい。
この前君がコンパで出会った彼女だ。
夫婦でエージェントだからクリアーである事も保障されている。
彼女は人妻だから毎日という訳には行かないが…週に一回位だったら問題ないだろう。私が交渉しよう。」

「何と言えばいいのか俺には判らないな。」
本当に頭が混乱していた。

「そうだろう。それは判る。しかしだな。」
「お父さん。」
和歌葉が父親を黙らせるように腕を横に広げ、山田の前に伸ばした。
父親の方に向いてきっぱりと口を開く。
「ちょっと部屋を出て行って。」
「いやしかし」
「いいから。」


訝る様な山田を無理やり部屋から出すと、和歌葉はそのまま俺の方を向いた。
すうと息を吐く。顔が真っ赤だ。

「梅原さん。」
「何だ?」
「色々混乱されてるでしょうけど、一つだけ。
その、今の話ですけれど、はっきり言っておきます。別に私、殉教者になるつもりはないんです。」
「どういうことだ?」
「その、私も普通の女の子って事です。大人の人が言う今時のっていうそういう奴。
彼氏とか、そういうものに興味があったりするんです。」
「だったら。」
その気になったらいくらでも作れるだろう君ならと言おうと口を開きかけた瞬間、和歌葉に先を越される
「その、私は今日梅原さんを見ていいなって思ったんです。
お父さんとあんな風に、5分5分以上にやりあえる人ってそんなに見た事無かったですし。
とってもかっこいいと思いました。そ、そ、それに私、年上がタイプみたいだし。」
「だ、だ、だ、だから、その、いやいやとかじゃないって事です。梅原さんが私を信用してくれるなら、ですけれど。
でも本当にお仕事とか、世界だとか、国だとかそういう事じゃ無いって事です。
梅原さんがもし嫌でなかったら、お、お付き合いをするみたいな感じで思ってもらえれば良いと思います。」

「そ、その勿論、梅原さんの状況は判っています。その、SEXしないといけない事も。
だ、だからそういう所は普通のこ、恋人とはちょっと違うかもしれないんですけど。
それにその、私はした事がないのでそんなに自信はないんですけど、でも私そういうのも判ってますし、
その、一生懸命お相手しますし、それに、ええとそれにご飯も作れますし、お父さんに許可を貰えればお泊りもできます。ええとだ、だからですね、」
その、私結構お買い得だと思うんです。と俯きながら小さな声で和歌葉はそう言った。
思わず笑ってしまう。

「今、恋人はいないんだ。」
そう言うと和歌葉は顔を上げた。

「それにどうやら君のお父さんの話を聞いて思うに俺は恋人を一生作れそうになさそうだ。
少なくとも付き合う前に病院に行って徹底的に検査することを承知してくれる人が現れるまではね。
そんな人間は世界にもそうそうはいなさそうだし、
第一その検査とやら、結果が出るまでにどの位の掛かるのかも判らない。
正直言って、君のお父さんの言うとおり俺の相手は今のところ世界に君だけしかいないのかもしれない。」

和歌葉が俺の顔をじっと見る。

「まあ、でもはっきり言って俺は自分の状況をまだ良く理解できてない。
まだ今日起きてから3時間しか経ってないんだ。
朝のコーヒーも飲み終わってない状況だ。考える事はいっぱいありそうだしね。」

「はい。」

「とりあえず二人でコーヒーを飲むことにしないか?
それから、もしここの中を歩き回ってもいいなら案内してくれないかな。
もし新しい住処がこの近くにあるならそっちも。
お父さんに違う女性を頼んでみるか、それとも一人きりなるか、
それとも俺の相手は世界で君だけ、という事になるかどうか。
それを決めるのはその大仕事を終わらせてからってことにしよう。」

「はい!」
はっきりと頷いた和歌葉にコーヒーを持ってこさせて俺は和歌葉と並んで朝食を食べた。
食後のもう一杯のコーヒーを楽しんでいる最中、俺はふとある事を言わなければいけないと思って隣を見た。

和歌葉がふうふうとコーヒーを拭いているのを見ながら俺は口を開いた。

「会ったばかりの年下の女の子にいう事じゃないし、正直信じられないテンポだけれど、
君も言ってくれた事だし場合が場合だから先に言っておくよ。
君はとても頭が良さそうだし、君の事はとても可愛いと思う。」
それに。実は俺は年上の美人よりも年下の美少女の方が好みだ。

耳まで赤くしながら呆然と俺の方を見る和歌葉に向けて俺はしかめつらしく頷いて見せた。


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by obtaining | 2008-06-13 01:43 | document

35人目 前編

白衣に身に包んだ髭面の男が椅子に座って喋っている。
ここは何処かの会議室か何かか。
硬材で作られた信じられない位大きい会議用の机の向こう側にその男が座っている。
分厚い資料を見ながら身振り手振りで何かを一生懸命言っているようだったが、何を言っているのか判らなかった。
当たり前だ。
朝、起き抜けに叩き起こされた上に見知らぬ人間から早口で話し掛けられたら誰だってそうなる。

「なあ。」
「と、云う訳だ。そこの所を教えてくれないか?……聞いてるのか?」
「聞いてないよ。」
「何?」
「悪いけどコーヒーか何か無いかな。
朝置きぬけに何の理由も知らされずに数人掛かりでアパートから連れ出され、
車に乗せられた上にこんな訳の判らない所に連れ込まれたんだ。」

俺がそう言うと髭面で白衣のその男は目を丸く見開いた。
「…ああ、ああ。これは気が付かなかった。すまないな。すぐ持ってくる。」
そう悪い男でもないらしい。これは気が付かなかったな。
などと言いながら手元にあった電話の受話器を持ち上げて何処かにダイアルしている。

「ああ、ああ、私だ。すぐにコーヒーか何かを持ってきてくれ。ん?ああ。ちょっと待て。
エスプレッソでいいかな?」
「ああ、何だっていいよ。」
椅子の背もたれに背中を預けると信じられないくらいに体が沈み込む。
絨毯もやたらと毛が長い。しっかり体重を乗せたら足首くらいまで埋まりそうだ。

「ああ、それでいい。後何か口に入れるようなものも幾つか持ってきてくれ。
彼は朝食も取っていないようだからな。」

「お前らが浚ってきたんだろうが。」

「ん。ああ、そうだ。よろしく頼む。……ちょっと待て。コーヒーは和歌葉に持ってこさせろ。ああ。よろしく頼む。」

髭面で白衣の男は受話器を置くとこちらに笑いかけてきた。
細面の顔に年齢は50歳位だろうか。如何にも学者然としている。

「すぐに持ってこさせる。気が利かなくてすまないな。」
「なあ、いったいここは何処なんだ?何で俺はこんな所にいるんだ?
俺は大学生で今日は授業だってあるんだ。」
そう言うと髭面で白衣の男は俺の話を聞いていないかのようににこにこと笑った。

「そうだ、自己紹介もまだだったな。梅原君。私は山田という。
当研究所のチーフマネージャーをやっている。よろしく頼む。」
「俺の質問に答えてくれよ山田さん。」
山田と名乗ったその男が突き出してきた手を突っぱね返すようにそう言うと山田は眉毛を一度だけ上げた。

「大体の事情は梅原君がここに来るまでの間に説明があったと思うが。」
「今日朝起きて目を開けたらスキンヘッドのごついゴリラが2匹、ベッドの上で俺の事を見下ろしてたんだ。
今までの素晴らしい俺の人生の中でも最高の目覚めって奴だ。
首を回すと長髪の男もいて、そいつは何故か知らんが俺のゴミ箱をひっくり返して何かしてやがる。
ベッドから起き上がりつつ何だ手前らと言うとゴリラの一匹が喋った。カルチャーショックだったよ。
知ってたか?ゴリラって日本語喋れるんだ。今度動物園に行ったら是非喋りかけてみる事をお勧めするね。
まあさておき俺の名前を確認しやがったそのゴリラに如何にも俺の名前はその通りだが、君達は誰だね?
という事を至極丁寧に聞いてやったら問答無用で部屋から引きずり出されて目隠しをされ、
車に乗せられてここまでつれてこられたってわけだ。説明なんかあるか。誰だお前。」

俺がそこまで一気に言うと山田は頷きながら椅子に座った。
手のひらを上にしながら椅子に座るように促す山田の仕草に合わせて椅子に腰を掛ける。
「多少の行き違いがあったみたいだな。私は丁重に君の意思を確認した上でここに招いて欲しいと頼んだんだが。」
「どこの動物園に頼んだんだか知らないが丁重って態度とは程遠かったな。」

「まあ、それはお詫びするとして、コーヒーと朝食が来るまで
まずここに来てもらった理由について話をしようか。」

なんだかマイペースな奴だ。そう思いながら椅子に掛けなおす。
人手不足だかなんだか知らないがゴリラの力を借りてまで俺を連れてきたいってのはどんな理由だ。

「まず聞きたいが君はマスターベーションをしているね?」
はあ、と息を吐く。
「朝も早くから何が聞きたいんだ?馬鹿かあんた。」

「至極真面目な話だよ。梅原君。答えてもらいたいな。」
「残念ながらしてるよ。今、恋人がいないもんでね。だからなんだ?
20そこそこの男なら誰だってしてるだろう?」

「そうだな。誰だってしている。だが君はマスターベーションの際、精液を出しているね。」
俺は黙った。

「政府の通達は君も知ってい」
「あの訳のわからねえ病気が流行った後、精液が生産されている男がいたら出て来い。だろ?」
「そうだ。」

俺は椅子に座りなおした。トントンと指でテーブルを叩く。落ち着け。
「黙ってた訳じゃねえよ。大体精液が生産されなくなったとか言ったって出てる奴はいる訳だろ?」

「何故か子供を作れない精液がね。一時期は大分詐欺が流行ったものだよ。」
正常に精液が出る男だって言って女を騙すんだそうだ。そう言って山田は薄く笑った。

「それは俺も雑誌で読んだ。俺だってそういう特殊なパターンの奴らの一人ってだけだろうよ。」
「君の精液は正常だよ。」
「何?」

「まあ細かく言えば【少なくとも正常と思われる。】っていう段階だがね。」
「なんでそんな事が」

「政府は必死なんだよ。政府だけじゃない。世界がと言い換えてもいい。
このままじゃ人類が滅亡するんだ。そりゃ必死にもなる。子供が作れないんだ。
これはもう核戦争っていうレベルじゃない。
もはやどうなろうと人類が衰退するのは間違いない。しかし我々は滅亡は避けたいと考えている。
これは極秘情報だが君には正直に言おう。各国政府が血眼になって探しても
正常な精液を生産できる人間は現在世界で34人しか確認されていない。
全人口の0.00000000005%だ。内訳は白人系が20人、黒人系が9人、アラブ系が3人、アジア系が2人。
我々は君が35人目だと信じている。しかも日本人で始めての発見者だ。」

「どうやってそんな事調べ」
「政府は必死なんだよ。全てをこれに掛けているんだ。
この施設の年間予算は公表してある分だけで今年3兆円を超えた。
日本全国に散らばった調査員が地域の噂話ですら入念に丹念に調査する位には潤沢なんだ。」

「……」
「1ヶ月ほど前、君は大学の飲み会で君の知らない女と出会っただろう?」
宙を仰ぐ。
「まさか、嘘だろ?」
「君の前の彼女と言う人物が君が精液を生産できる人間だと言っていたという噂話が私達の耳に入ったんだ。
我々は彼女を招いて色々と話を聞いた。
そして最近多い詐欺話を全て差し引いたその残りの信頼できるケースの中でも
君に関する情報は特に最も信頼性が高いと判断されたんだ。
まあそう苦い顔をしないでくれ。全エージェントの中で最高の美人を君の為に用意したんだぞ。
彼女はほんの数ヶ月前に結婚したばかりの人妻だが政府の為に快く協力してくれたんだ。」

「ああ、嘘だ、嘘だろ。」
俺はこの1ヶ月というもの飲み会で出会った自分より僅かに年上というその女に恋をしていた。そりゃそうだ。
売れっ子のアイドルかどこかのモデルと言われても全くおかしくないような美人だった。
飲み会の席に着いたとき向かい側に座ったのが彼女で、彼女は俺に微笑みかけてくれた。
最高の笑顔で、俺は一目で恋に落ちた。
これから一生添い遂げてもいい運命の女だと胸のときめきが教えてくれた。
その日は二人で最高に盛り上がり、そしてベッドでも彼女は最高だった。
彼女は朝になると消えていて、教えてもらった電話番号は嘘だったが、俺は確信していた。
彼女とはいつかまた会えるに違いないと。

「これだろ?」
そう言って山田が分厚い資料の中から1枚の写真を手渡す。
そこにはシックなスーツを着こなして仕事向けの笑顔を浮かべた彼女の姿があった。
ああ、こんな形で会いたくは無かった。

思わず両手で顔を覆う。
「ああ、嘘だ。神様、そんな。酷い。」
「君はキリスト教徒なのか?」
「ばあちゃんがそうだったんだよ。くそっ。マジかよ。」

「しかし君はSEXが中々上手いな。うちの若いエージェントも感心していた。」
「見 て た の か!?」
「ああ、勿論だ。君がきちんと射精しているかどうか確認しないといけないからな。
あのラブホテルには全部で50箇所以上の場所に高性能カメラを仕掛けてあった。
ベッドは言うに及ばず、廊下から風呂場、トイレに至るまで全てだ。
特にベッドは20個を超えるカメラであらゆる方向から監視されていた。」

「人権って言葉知ってるか?」
「知っているし最大限尊重したいとも思っているし憲法のその部分で良ければ何なら全て今諳んじてみてもいい。
それに君の言いたい事は重々良く判っているつもりだし
もし私が同じ事をされたら自分が傷つくだろう事も判っている。私はピュアだからね。
だがしかし、この事は公共の福祉に関わる事なんだ。しかも最大級のね。」

「信じられねえ。」
「まあそう言うな。彼女は最大限自分の仕事を果たしてくれた。そして君もね。」
そう言ってから山田はあろう事か俺にウインクをしてきた。
「彼女の旦那も同じエージェントだ。
この計画にはかなりの抵抗感を示していたが彼は旺盛な愛国心と仕事への責任感からこの難局を乗り切ろうとしていた。
そのビデオは私を含めた幹部が確認した後、現場のエージェントも不審点が無いかどうか確認する予定だったが
最終的に彼女の旦那はそのメンバーから外された。理由は判るだろう?
余分な成分が混ざるのを恐れて彼女には絶対にフェラチオをするなと言っていたんだが
2度目以降、彼女はとても情熱的に君のものを口にしていたからね。
部下の家庭内争議は私達もゴメンだという事だ。」

本当に全部見られている。彼女が俺のものを右手でしごきながら舐め回していた時の事を思い出して、
自分の顔が赤く染まるのを感じる。

「な、な、な」

「そういう訳で我々は君の精液を手に入れ、そして入念に検査した。
正常と思われると云う判定が出たのは3日前だ。
勿論彼女の唾液の成分が混じっているだろう物でも正常の判定がなされたよ。
その報せを受けた時の我々の大騒ぎぶりはきっと君に話しても信じてもらえないだろうな。
昼の11時だったが全部門で乾杯の缶ビールが開かれ、書類が宙を舞い、皆が互いに抱き合った。
感極まって泣き出したエージェントも多数いたし、早速盗撮した君の写真を机に飾る奴も出た。
30分後には官房長官から、2時間後には総理から電話が入ってわざわざ俺にまで激励の言葉を下さった。」

山田が自慢げにそこまで話した時、ドアがノックされた。
山田はその時には立ち上がって手を振り回しながら話していたが、ノックの音に口を閉じた。
「さて、コーヒーが入ったようだ。続きはコーヒーを飲みながらにしよう。」
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by obtaining | 2008-06-12 13:42 | document

PainKiller4 そのまた1週間位前の話

「姉さま。由佳姉さま。」
「何よ咲野。」

ぺたんと絨毯の上に座り込んでいる咲野に声を返す。
一番仲の良い後輩だった咲野が拓郎様の所に行ってからもう数ヶ月になるが
咲野は今でも時間があるとこうやって私の所にちょくちょくと遊びに来てくれる。

メイドの仕事は通常考えられているよりも遥かに忙しい。
他の家に行ってしまえば会えるチャンスなど普通は殆ど無いものだ。
それなのに咲野は今もこうやって私の部屋でのんびりとお喋りをする位の時間を貰えたりする。
咲野の顔は柔らかく、そして穏やかなままだ。
咲野は良い所に行ったのだと、そう思う。

「この本、借りていっても良いですか?」
「いいよ。っていうかもう読み終わったからそれあげるよ。」
咲野は私がこの前買ったMaiMaiという雑誌をぱらぱらと捲っている。
私達の仕事は家の中にいる事が多いからちょっとした空き時間なんかの為に雑誌を読む娘が多い。
咲野が読んでいるMaiMaiはちょっとした仕事の工夫の記事だけでなく、
メイド服の着こなし方とかちょっと洒落た礼儀作法についてだとか
ファッション性のある記事なんかも多くて若いメイドに人気の雑誌だ。

咲野はここにいた頃はたしか真面目な月刊メイドマガジンしか買っていなかったはず。
メイド長なんかが好むような伝統的な仕事方法の特集満載の雑誌だ。
辞書みたいな分厚さと辞書みたいな内容に定評があって、ページを開くと辞書みたいに字で埋め尽くされており
辞書みたいに内容が難解だから若いメイドには非常に人気が無い。
その咲野がはーとか興味深げに溜息を吐きながらぱらぱらとファッション記事を捲っている。
そういうのに興味が出てきたかぁ・・・と昔から咲野と付き合っている私には感慨深いものがあった。
私とさほど年齢も変わらないのに今まで咲野は仕事一本やりでこういうものに興味を示す事があまり無かった。
新しい家に行くと考え方も変わるものなのだろうか。
そもそもが化粧っけも殆ど無いのに若手メイドたちの中では群を抜いて美人の咲野だ。
こういった事に興味を持ち始めたら凄いものが出来上がりそうだ。

「こんなの良いんじゃない?」
私も一緒に見よう、と思って咲野の脇にぺたんと座り込みながらメイド服をミニにしたモデルの写真を指差すと、
咲野は目を丸くした。

「こんなの穿いたら高い所でお仕事できないじゃないですか。不便です。」
「だって拓郎様のお屋敷ってお客様とかそんなにいらっしゃらないんでしょう?」
「ご主人様がいるじゃないですか。」
「ご主人様になら見せたって良いじゃない。」
「お姉さま言っている意味が良く判りません。」
大体見せても良くないですし、叱られます。と咲野は生真面目な顔をして言う。

「私だってこれくらい短くしてるし、平気じゃない?」
「姉さまは短くしすぎです。お客様、よくちらちらと姉さまの方見てたりするじゃないですか。
姉さま可愛いんですからそう云う所、気をつけないと。」
「そうそう、この前秋良の若様から食事に誘われたの。今度の休日いかがですかって。」
「だからそれが駄目なんじゃないですか。」
「勿論断ったわよ。ご主人様のメイドが他の男と出歩いてるなんて噂になったら大変だもの。」
この場合のご主人様のメイドとは御前様御手つきのメイドを指す。
案の定咲野は顔を赤くした。
メイドはまあお仕えする家によるけれども、少なくともこの家では恋愛をする事は自由だ。
若いメイドが恋愛結婚して家を出るなんていう事も結構ある。
けれどご主人様のメイドとなると違ってくる。
ご主人様の態度も、仕事に求められる質も、そして自分の気持ちそのものもだ。
それに相応しいものを求められるし、自分でもそうあろうとするようになる。
御手付きは通常メイド達の中でも話す事は厳禁とされ、極秘事項となっているのだけれど
残念ながらその秘密が守られる事は殆ど無い。
まあ当たり前といえば当たり前、若いメイドの間でその手の秘密が保たれる訳が無いのだ。
だから私がご主人様の御手付きである事も、若手メイドの中で唯一の御手つきが私だという事も咲野は知っている。

「そ、そ、そ、そうですよね。お姉さま、御前様のメイドですもの。」
そこまで言って黙り込む。
ふむ。拓郎様が如何に真面目な方とは言え咲野が拓郎様の家に行ってもう数ヶ月。
特殊な嗜好でもない限り若い貴族様が咲野を見て何も感じないという事はあるまい。
普通ならもう手がついている筈、と思っていたのだけれどこの反応、そうでもないらしい。

「咲野、あなた 拓 郎 様 の メ イ ドになってないのかしら。」
ずばりと聞いてみる。
途端に目を泳がせる咲野を見て思う。やっぱりそうか。
「そ、それはそうですけれど、お仕事はきちんとしていますし、
 というか姉さま、別にそれはお仕事ではないかと思うのですが。」

しどろもどろになってそういう咲野を冷たく突き放してやる。
「そりゃあ、仕事じゃないわよ。でもメイドたるもの常にご主人様の一番側にいる事が仕事でしょう?
ご主人様本人よりもご主人様の事が判っている事。ご主人様の求めるもの以上の絶対の忠誠。
そして必要であれば死をも厭わずなんだって喜んで行う行動力。
特に専属メイドにはこの気持ちが必須じゃない。」

「うう…」
「ま、咲野がお食事と掃除洗濯だけで大満足、というのなら話は別だけれど。
でもそれじゃあ拓郎様もご不便でしょう。
お仕事の調整だとか、生活の全てを任されてこその専属メイドじゃないかしら。」
がっくりと肩を落とす咲野に追い討ちを掛ける。

「私達にとってご主人様は街の食堂で売っている食券とは違うの。
私はご主人様を愛しているし、それは仕事でもあるけれど決して仕事だけではありえない。
ご主人様に気に入られる事も然る事ながら自分達がご主人様を気に入れるかどうか。
それが専属メイドには何よりも大事なのよ。
もし咲野が無理なのなら御前様に言って今からでも変えてもらったらどうかしら。
もし拓郎様が宜しいようだったら私からご主人様に言って他の子でも良いし、お許しがあるなら私だって」
「いやです。だめです。姉さま酷い。」
私にだって判っていますし。と言いながら不安そうに私を見上げてくる。
ふむ、判ってはいた事だが咲野も拓郎様を憎からず思ってはいるのだろう。
でもはっきりと安心は出来ないって所か。
私が御前様に言ったら本当に変えられてしまうかもしれない、そんな風に思っているのだろう。
ここで私が同じ話をされたら薄く笑ってご主人様がそう望まれるのならどうぞ。と答えるだろう。

しかしどこまでいっているのだろう。興味はある。
拓郎様が男色、という事もないだろうし
お口で欲望を受け止めて差し上げる、とか体をお見せする位は咲野でもさすがにやっているとは思うのだが。
いや、咲野ならそれだけでも覚悟が決まるかもしれないか。
それとも鈍い所もあるから逆だろうか。
どちらにせよ最後までいっていない事は確実だ。
下世話な話だけれど、専属メイドにとってご主人様に挿れて頂く事は契約と赦しに他ならないのだから。
どんな娘でもそれだけで変わるものだ。
ご主人様が自分を手放したらどうしよう。
そんな事を考える専属メイドなど存在しないのだから。

そんな事をつらつらと考えていると咲野がおずおずと口を開いた。
「そのですね、姉さま、」
「何?」
「その、切欠みたいなのはあったんですか?姉さまの場合。」
「…何の?」
判っているけれどにやにやと笑いながら聞いてみる。
性的嫌がらせかもしれないが、お説教と為になる先輩のお話の御褒美にお礼としてこれ位は良いだろう。

「その、あの、御前様のメイドになった切欠です。」
首筋まで真っ赤になって咲野が呟くように言う。
「咲野はそれを聞いて真似しようという訳ね。」
「いえいえいえいえ違いますよ。そんなんじゃないです。
でもあのそういうんじゃないですけど姉さまの場合、どうだったのかなあーっと思いまして。」

ひょっと床に手をついてから立ち上がる。肩のところで切りそろえた髪が揺れて耳をくすぐる。
髪の色素が薄いところが可愛いとよく他の娘に言われるけれど、個人的には咲野みたいに黒髪でロングにしてみたいなとよく思う。

「しょうがないわね。でもその前にお茶にしましょうか。」
さて、お茶とお菓子と一緒に悩める後輩にアドバイスをしてあげる事としようか。

@@

休日がある、というのがこのお屋敷の素晴らしい所の一つだ。
普通メイドに休憩はあってもそうそう定期的な休日なんてものはない。
お皿を洗わないでいい日なんてものが無いからだ。
このお屋敷はメイドの数が多いからこうやって順番にしかも定期的にお休みが貰える。
その上そのお休みが皆に尊重されるという所が素晴らしかった。
メイド服を着ていない限り、ご主人様をはじめ誰も絶対に手を貸して欲しいなどという事は言わない。
まあ見かねてこちらから手伝ってしまう事はあるけれど大抵は無視する。
他の子が休みの時にも休みを満喫して欲しいからだ。

あ、まあ私はご主人様に夜呼ばれる時だけはこのルールは適用しない事にしている。
そんな事はあまりないけれど、
休みの日にもしご主人様が勘違いをされて私を呼ばれた場合、それは嬉しい誤算、というやつだからだ。

とそんな訳で私は堂々とお屋敷の厨房に入りこんで死ぬほど忙しそうにしている同僚を尻目に
私と咲野の分のお菓子を見繕い、お茶の用意をしてくる事が出来るという訳だ。

部屋に戻ってテーブルの上にお菓子とお茶を並べて咲野とそれを囲む。
咲野はすっかり私の話に期待しきって目をきらきらとさせている。

さて、と気合を入れる。
後輩に為になる話をしてあげる事としようか。
煎餅を5分の1に割って口の中に放り込みながら話を始める。

「そうね、さっきの話の続きだったっけ。私の切欠、ね。」
「宜しくお願いします。」
ぺこりと頭を下げられる。

「ところで咲野、あなた拓郎様に叱られたりはしないの?」
「…?結構叱られますけど。」
少し考えた後、咲野は急に話を変えた私に対して小首を傾げながら答えてきた。

「その時お尻を叩かれたりはしない?」
「お、お尻っ!そ、そんな事しないですよ。」
「お仕置きといえばご主人様がお尻を叩くものと相場が決まってるじゃない。」
私の言葉にうわうわうわと咲野が慌てる。
「えええええ、お尻ってこう、どうやって叩くんですか?」

「拓郎様に叩かれた事無いの?」
「無いです。小さい頃メイド長に叩かれた事位はありますけど。」
「じゃあ、お仕置きのされ方は知らないのね。」
「知らないです。」
教えてください。と咲野が仕事モードにになって私の言葉に喰らいついてくるのを待ってから、
私は一口お茶を啜って口を開いた。

「しょうがないなあ。まずはこう、下着を脱ぐわよね。」
「ええええええ」
本当ですか、と目を見開いた咲野に頷いてから続ける。
「当たり前じゃない。」
「当たり前なんですか?こうお尻を叩くんですよね。何で下着を脱ぐんですか?」
「下着を着ていたらお尻、叩けないでしょ?」
「……?」
咲野がばっと両手を口に当てる。
「まさか…!」
「まさかも何もそうに決まっているでしょう?」

信じられない。という顔の咲野を前に更に話を続ける。
「あ、そうそうあなたまさかご主人様の前で下着を脱ぐ時にご主人様にお尻を向けて脱いだりしてないわよね。」
「まさかもなにも脱いだ事無いです。」
「しょうがないわね。ご主人様を前に下着を脱ぐ時は必ずご主人様の方を向いて脱ぐのよ。」
「そうなんですか?」
頭に?マークを浮かべた咲野に苦笑を浮かべる。

「当たり前よ。ご主人様の顔を見ながらゆっくりとスカートの中に手を入れて下着を下ろすの。
この時不恰好に屈んだりしては駄目。膝まで下ろしたらゆっくりと片足ずつ下着を外すの。私は右足、左足の順番ね。
そのあとはご主人様によるけど、その下着はご主人様に渡すか、たたんで脇においておきなさい。」
「はい。」
「それが終わったらスカートを胸の方まで捲り上げてきちんと下着を脱いだ事をご主人様にお見せするの。」
「えええええ」
「これは昔の武士の作法なのよ。お仕置きを受ける前にこちらが何も武器を持っておらず、
神妙にお仕置きをお受けいたします、という証を見せるという意味ね。」
「そうなんですか。」
へええ、と感心したという感じに咲野が頷く。
「でも、いくらご主人様とはいえ、恥ずかしくないですか?」
そう、ここからが大事な所だ。咲野の言葉に重々しく頷いてから言葉を続ける。

「勿論恥じらいは大事よ。恥ずかしいその事もお仕置きの一つと思いなさい。
だから無表情にお仕事としてこういう事を出来るようになる事は無いわ。
お仕置きをされる身としてご主人様に恥じらいの表情をお見せする事も大事。」

「はい。良かった・・・さすがに私、ご主人様の言いつけとはいえ、淡々とそんな事は出来そうにありません。」
「それでいいのよ。でもご主人様がきちんと確かめられるまで、スカートは下ろしては駄目よ。」
「はい・・・自信、ないですけど。」

「ご主人様がお確かめになられたら、そうしたらスカートを元に戻してご主人様の膝元に進みなさい。
そして椅子に座っているご主人様の脚の部分、太腿の部分におなかの下の部分を当てるようにして
横向きにご主人様の脚に被さるように体を下ろすの。」

「そうすると、頭がこう、下に下がっちゃいませんか?」
「それでいいのよ。ご主人様の脚の上にお尻が来るようにしないといけないもの。
だから出来るだけ体を前に倒してこう、手を床に付いて支える位にするの。
手を床に付けてそうして首を持ち上げれば頭が真下に行かないからぼうっとなる事も無いわ。
脚は宙に上げてしまって構わないから出来るだけ前に体を倒しなさい。」

「お尻を高く持ち上げるんですか……」
自信が無い、と云う風に咲野が俯く。

「それだけじゃないわ。そのままだとご主人様がお尻を叩けないじゃない。
手を後ろに回して、スカートを捲くらないと。」
「えええええええええ」
「なにがえええよ。当たり前でしょう?」
「でも、でもええと、その時は下着を脱いでますよね私。」
「しっかりしなさい。きちんとスカートを捲くって、
そうしてようやくご主人様にお仕置きをして頂く為にご挨拶が出来るという訳。」

「ご、ご挨拶って…」
「それはご主人様によるわね。最初のうちはそう、
〔いけない咲野が本当にご主人様の気持ちをお判り出来るようになるまで思い切りお仕置きくださいませ。〕
って所かしら。そうすればご主人様はきっとお仕置きして下さるわ。」

「なんかもうそんな格好でご主人様の膝の上に乗るだなんて叩かれる前に泣いてしまいそうなんですけれど私。」

「泣いては駄目よ。最後にご主人様の足元に接吻するまでがお仕置きだもの。
それまではどんなに厳しくお仕置きされてもそれを受けなくては駄目。」
咲野が眉をひそめる。
「そんなに強く叩かれるんですか?」

「それはご主人様のお気持ち次第ね。私のご主人様の場合だと…」
「ご、御前様の場合はど、どうなんですか?」

「そんなに強くはお叩きになられないの。でもゆっくり叩かれるのよ。」
「じゃあ、痛くはないんですね?」
ほっとしたように息を吐く咲野を見ながら話を続ける。

「痛くないから良い、という訳じゃないわ。」
え?と顔を上げる咲野に頷いてみせる。

「ご主人様はゆっくりと叩かれるの。勿論お仕置きをされるのだから部屋の中は静まっている訳。
そんな中ご主人様に横向きに抱かれてお尻を見られている訳でしょう?」

「は、はい。」
咲野は拓郎様に横向きに抱かれている事を想像しているのだろう。
もうはや首筋まで真っ赤にさせている。

「そしてゆっくりとお尻を叩かれるの。叩かれた時はぴしゃりって云う音が自分の耳に聞こえる訳。
思い切り叩かれたのなら痛みで全てを忘れられるかもしれない。でもそうじゃないの。
叩かれたって判るくらいの鈍い痛みと共に叩かれた音が聞こえるだけ。
しかもご主人様は連続して打っては下さらないの。一回打ったら30秒くらいは何も仰らずにそのままなのよ。」

「そうすると叩かれている私は色々な事を考えてしまう訳。
ご主人様に恥ずかしい姿を見せてしまっている上にお仕置きをされている訳じゃない。
もう恥ずかしくて、頭が混乱して、ってそんな時に又叩かれるの。
毎回ちょっとづつ力を変えてそうやっているうちに恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなくて
顔とか首筋まで真っ赤になっているのが自分でもわかるくらい。」

はあーと咲野は息を吐いている。

「でもお仕置きされている時にこちらからご主人様に声を掛けるなんて事は赦されないからお許し下さいとも言えない。
だから部屋の中にはご主人様が私を叩かれる音と、叩かれたその時に出てしまう私のはしたない声だけが響く訳。
そうやってご主人様がお許しくださるまでお仕置きを受けて、反省しなくてはいけないの。
だから寧ろされている時は思い切り叩いて欲しいとすら思うわ。
そうすれば痛みで恥ずかしさはなくなると思うから。」

咲野がごくっと唾を飲んだのを確認してから私は口を閉じた。
きっと咲野は拓郎様もご主人様と同じタイプだと考えているのだろう。
私もそう思う。だからこの話をしたのだ。
「そ、それは判りました。す、凄いお話でした。
で、でもこれと御前様と姉さまの切欠とどういう関係が・・・」
「あら、判らないの?鈍い娘ね。私が今まで話した事で、大体判るでしょう?
お仕置きされて見も心もご主人様に委ねている状態、
しかもご主人様はお仕置きの時は少なからず興奮されている訳じゃない。」

「あ。」
と咲野が声を上げるのに合わせて頷いてみせる。
「そ、そうなんですか。」
そういう訳でしたか…と咲野は納得したように何度も首を上下させているのに合わせて私は続けた。

「そうなったらお仕置きのときと同じ。ご主人様の仰る事に全てお任せしていれば良いのよ。
まあ、細かい所は省くけれどね。」
咲野は尊敬しきった目で私を見ている。
中々優越感をくすぐる視線といえる。
先輩の醍醐味だ。

「まあ、これは一つの例、と思っておけばいいわ。そうね、咲野に特別なものをあげる。」
咲野の頭をぽんと叩きながら立ち上がると私は本棚から1冊の雑誌を取り出した。
ずい、と咲野の前に置いてやる。
「これも持っていきなさい。」
表紙に夜の特選メイドと書かれている雑誌を咲野は宝物でも見るかのような目で見ている。
「こ、これはなんですか姉さま」

メイドの真面目な仕事に関する記事はほぼ0、もの凄っっくいい加減でかつ扇情的な記事と
非常に偏った方向にとても詳細な説明がされている袋とじ特集が若手メイドに人気の雑誌だ。
これを買っていることを知られるとメイド長にものっ凄く怒られるが、
大抵どのメイドも休みの日にわざわざ遠くまで買いに出たりして1冊は自分の部屋に隠し持っている。

「大事な事が書いてあるわ。咲野の役に立つかもしれない。私の話は私の話。
お仕置きされたときに作法通りにするのは大事だけれど、勿論お仕置きされるのはいけない事よ。
参考程度にしておいて咲野は咲野で拓郎様の専属メイド足りえる実力を身に付けなくては駄目だよ。
例えば…拓郎様は朝が弱いと仰っていたじゃない。
もしかしたら、そういう事のヒントが書いてあるかもしれないわ。
そういう事をきちんとやっていくうちに拓郎様も咲野に全てを任せよう、そう思って下さるかもしれないからね。」

さくやははい。と言いながら瞳を輝かせて雑誌を両手で持ち上げた。
私はいそいそと鞄の中にMaiMaiと夜の特選メイドの2冊をしまう咲野に温かな笑みを浮かべながら、
拓郎様にご迷惑にならないように今日はそろそろ行きなさい、とそう口を開いた。

@@

「またいらっしゃい。」
「はい、由佳姉さま、今日は本当にありがとうございました。」

ぺこりと頭を下げてから廊下の絨毯の上を歩いていく咲野を見送る。
ぐぐっと手を天井に伸ばすと息を吐いた。

さて、気合を入れて嘘を吐くのも疲れるものだ。
素直で美人で、可愛くて可愛くてしょうがない後輩にも言えない事だってある。
そのうちに咲野にも判るだろう。
どんなに可愛い後輩にだって話せないこと。
ご主人様と私の事なんて、本当に本当に自分の中にだけ大事にしまっておく、とっておきの秘密に決まっているじゃないか。
そうそう簡単に教えてもらおうだなんて、そうは問屋が卸さないのだ。

ま、嘘を吐いたと言っても本当の初めての時の話をしなかったと云うだけで他はまるっきり嘘という訳ではない事だし。
咲野には我慢してもらおう。

くつくつと笑った。
どちらにせよ、今日のお屋敷での夕食のテーブルの話題は私の独り占めになりそうだ。
さあて、皆にどうやって話してやろうか。
そう思いながら私はもう少し残った休日を楽しむ為に、ゆっくりとドアを閉めた。



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by obtaining | 2008-06-07 22:45 | document

PainKiller3 Kiss

咲野、ちょっとこっちに来てそこに座りなさい。
メイド服に包まれた後姿にそういうと、咲野は抱えていた長い箒と共にびくりと体を振るわせた。

「なんでしょう?」
1秒ほど完全に停止した後、振り向きざまにそう言って咲野がてててと走ってくる。

「まあいいから座りなさい。そこに。」
台所に置いてあるテーブルの対面を指差しながらそう言うと何故か咲野は逡巡したようなそぶりを見せた。
普段なら咲野はそういう仕草はしない。
何かをしろというと咲野は驚くほど従順にそれを行い、疑問点や何かはまずやった後に聞いてくる。
ことメイドの仕事となると咲野は何かをしろとこちらが言った時に絶対に戸惑ったようなそぶりを見せない。
その位の事は最近判るようになっていた。
それがこの逡巡。
やっぱりそうか。

「はい・・・あ、じゃあお茶でも入れて参りま…」
「いいから座りなさい。」
び、と再度テーブルの対面を指差す。

渋々と腰を下ろす咲野に時間を与えないように畳み掛けるように聞く。
「咲野、何をした?」
「……」
「何をした、と聞いている。」
「…………」
咲野は俺の顔を見ながら微動だにしない。すっと切れ長の目をぴたりと俺の口元に向けている。
判ってはいたが中々のタマじゃないか。
大人びて見えるとはいえこれで17歳とはとても思えない。
「咲野、答えなさい。」
「……何の事でしょうか?咲野にはご主人様の仰っている事がさっぱり判りません。」
「ほう、そうくるか。それならこちらにも考えがある。」
とん、と机を叩くと咲野が5度ほど瞬きをした。
視線を逸らさないあたりは流石だが目が微かに泳いでいる。

「最近、といっても1週間前位からのことだ。」
そう話し出すとびくり、と咲野の右腕が震えた。
やっぱりそうだ。

「咲野も知っているだろうが確かに俺は目覚めが悪い。いや悪いという段階にない事は自分で判っている。」
「……」
「毎朝毎朝いつまで経っても起き上がれんし起き上がってからも暫くは身動きがとれない。
自分でも何とかしたいとは思っているんだがこればっかりはどうにもならん。
学生時代からずっとこうだったからな。」
「………」
「それだけじゃない。起きた直後は頭痛がするし視野も狭くなって真っ直ぐ歩けない。
水死体になったかのような気分だ。
俺はあまり酒を飲まんが二日酔いというのはああいう状態をさすんじゃないのかと思っている。
だとしたら酒も飲まんのに毎朝毎朝そういう状態になる俺はなんなんだ、と常々思っていた。」
「…………」
「それがだ。先週末頃からの話だ。ぴたりと目覚めが良くなった。」
「……っ……」
「今までの苦労が何だったのか、という位だ。」

「まあ咲野に起こしてもらっている所は覚えていないのと
部屋が明るくなっている事で何とか覚醒するっていうのは今までと変わっていないんだが
しかし先週から起き上がった後の体調が違う。
ああ、部屋が明るいなあもう起きる時間か・・・などと思ってから体を起こしても
頭痛がしないし真っ直ぐ歩ける。ついでに言えば朝飯も美味い。」

そう言った瞬間、俺を見つめていた咲野の表情がかっと赤く染まる。
やっぱり何かある。疑惑が確信へと変わっていく。
「そ、そ、そ、それは良い事ですね。」
そう言ってついと目を逸らした咲野にび、と指を突きつける。

「何かしているだろう。咲野。」
「……な、何の事でしょうか。さ、咲野にはさっぱり判りません。」
まだ誤魔化すか。

「今日、御前様の所に行った。御前様は嬉しそうな顔でにやにやと俺の顔を見てな。
どうだ?最近は目覚めなんかが良いんじゃないか?なはははははははは、と俺を指差して笑ってくださった。」
「…………あ、あの、私はあの何も…」
「不審に思ったが事実は事実。確かにそう云えばそうですね。何かご存知で?と聞くと
お茶を持ってきたメイドが噴出すわ御前の脇に座ってたメイド長が腹を抱えて震えるわで大騒ぎになった。」

「あ、あの」

「そこで思いついたわけだ。そういえば先週末に咲野は一度御前様の所に行っていたなぁ。と。
そしてその日どうだった?と聞いた俺に咲野は言った。
今日は先輩から色々な事を教わってまいりました。と。」

俺は立ち上がり、咲野の後ろに回った。ぽんと肩に手を置く。
「いいか、観念しろ。喋ったら楽になるぞ。」
そう言うと咲野はがっくりと肩を落とした。

@@

目の前には数冊の本が置かれていた。無論咲野が自分の部屋から持ってきたものだ。
咲野は顔を真っ赤にして俯いている。

1冊を手に取る。
「MaiMaiか・・・メイメイとでも読むのかなこれは。」
「はい…」
ごめんなさい・・・と小さな声で呟く咲野に被せるように声を上げる。
「カワイイ系メイドの5つの約束。モテ系メイドの秘密に迫る…か。何だこれは。」

「それはまだ読んでな・・・」
「そんな事は聞いてない。」
「あのですね。先輩から貰ったんです。信じてください。いつもはそっちじゃない月刊文芸メイドマガジンを買ってるんです。
そっちは本当に真面目なお仕事の特集とかばっかりで、ほらこっちの本なんですけど投稿コーナーの私のご主人様っていうのがとっても面白くて」
ぱたんと本を閉じてもう一冊を手に取る。

「ああああああああああそれはそれはそれは」

「夜の特選メイド・・・随分とけばけばしい表紙だな。ん?
『これで目覚めスッキリ!出来るメイドは夜と朝が違う!夜のお勤めベスト10に、朝のお勤めベスト10!』か。」

「返してください返してください返してください」
ぴょんぴょんと飛び上がりながら本を奪おうとしてくる咲野を避けつつ読み始める。

「メイド服を着ていれば大丈夫、若くて女の子だから自分は平気、そんな風に思っていませんか?
もしあなたがそんな風に考えているのなら、もしかしたら黄色信号かも。と、
そりゃそうだろうな。家事が出来ないと厳しいだろう。その点咲野は大したものじゃないか。
何の心配もないんじゃないか?
夜のお勤めだってマグロじゃ…夜のお勤め?なんだこれ。」

「違うんです違うんです違うんです違うんです」

「事例別特選マル秘テクニック一挙公開。あ、袋とじになってるな。なんだ開いてあるじゃないか。」
「あああ、ああ」

「中々寝てくれない我侭なご主人様にはと・・・・・・・・・えええええええ!凄いなこれ。」
「あああああああああ」

「うわ、いやいやいやちょっとこれはどうだろうな。こんな事を好む奴がこの世の中に・・・御前・・・いやまさか。
俺は御前になんて失礼な。いやちょっと特殊じゃないのかこれ。」

「そのページダメですそのページああああ捲っちゃダメですってご主人様、ああああああ」

「ねぼすけご主人様への朝のご挨拶はこれに決ま…………ん?意外と科学的なことが書いてあるな。
朝起きた時、人間の口内には唾があまりありません。と、
殺菌効果のある唾が少ない事は人間の体内に様々な悪影響を及ぼします。と。」

「掃除に戻ります。」
「ちょっと待て。」
箒を抱えて歩き去ろうとする咲野の襟元をひっつかむ。

「唾が足りない事、その事が体調の悪化を招く事すらあるのです。そこであなたの出番!と。」
「窓も拭かないといけないんでした。」

「咲野・・・?」
「違うんです違うんですご主人様絶対変な感じで思ってるでしょ違うんです。」
「咲野・・・?」
「ぺっとかしてないですよ。ちょっとだけ興味があってそれでそしたら本当にからからだったから
ちょっとだけって思ってでも怒られるかもしれないからって思ってたんだけどどうせならって思って
だから毎日15分くらいだけなんですだってそれでご主人様がスッキリ目覚められたらとってもいいなって
勿論興味がなかった訳じゃないんですけどでもそんなつもり全然無くてご主人様のためにだってだって
それに舌とか出すとご主人様もん、とかいって可愛くてだって」

「ちょっとこっちに来なさい。」
「嫌です絶対怒ってますしご主人様。」

「怒ってるに決まってるだろう?」

「うわああああああん御前様の馬鹿ああああああああ」



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by obtaining | 2008-06-04 22:24 | document