剣3 Destruction その2


=*=*=*

「よく締まっていたぞ。サクヤ。」
アイスベルクはサクヤに後ろから挿入したまま腰を押し付けるようにしている。
サクヤが達したにも関わらず、いや達したからなのか
アイスベルクの口調にはまだ余裕の色があった。

「いやぁ・・・嫌です。勇者様。」

「まだ締めてるな。」
声音に笑いの色を含ませながらからかうようにアイスベルクがそう言うと
サクヤは床に顔を突っ伏せるようにした。
恥ずかしいのだろう。首筋が更に赤く染まる。

「か、身体が勝手にしているのです。わ、私がしているのでは…」
「そうか、勝手にしているのか。じゃあ締めて見せろ。この前のようにやってみろ。」

「やあ・・そんな・・・」
サクヤが頭を振る。
この前、との意味は判らなかった。サクヤとアイスベルクの間にそう云う事があったのだろう。と言う事だけは判る。

アイスベルクは動こうとしない。
と、サクヤは諦めたように吐息を漏らした。
「んっ」
と声を漏らすと床に垂らせた手を握り締めた。
腰に力が入ったようにアイスベルクのものへ更にくっ付けるようにサクヤの腰が動く。
「や・・・恥ずかしい・・・」
アイスベルクが何も言う前からサクヤは声を漏らした。
更に腰を押し付けるように動かす。
先程とは違う、更に淫らな光景だった。
アイスベルクは一言も発せず、腰は微動だにしていない。
サクヤが自ら腰を動かし、アイスベルクの物に自分のそれを纏わりつかせるように動かしていた。

「やぁ・・・恥ずかしい・・恥ずかしいです。見ないで・・・」
腰を動かしながら耐えられないようにサクヤが声を漏らす。

「いいのか、サクヤ。」
「動いて、動いてください。勇者様。いやぁ。凄く恥ずかしいんです。」
サクヤが頭を振る。
ハルトの手はいつの間にか俺の手から離れていた。
こちらからはサクヤの腰が動いているのが判る。

「サクヤが動かしているんだろう。」

「ああ・・・酷い・・勇者様が・・・んっ・・・ご命令したのではないですか・・あっ」

「店主の前では見せたくないとお前は俺に言っていたな。」
アイスベルクの声にサクヤが喘ぎながら首を上下に振る。
「はい。あっ・・・ありがとうございます。勇者様。んっ・・・」

「なら今は問題ないだろう?正直に言うんだ。サクヤ。」

「ああっ・・・あんっ・・・」

「さっきより締まってるぞ。いいのか、サクヤ。」

アイスベルクの言葉が引き金になったのか、サクヤがあああっと声を上げながら首を前にがっくりと折った。
絞るような、しかしアイスベルクにだけ向けた言葉をサクヤが発した。
「いいっ、良いんです。凄く、凄く気持ち良いんです。だから恥ずかしっい!いや・・・あっ・・・」
「気持ち良いのか?」
「あっ…は、ん・・・はいっ…さっきからの激しいので・・・あっ気持ちいいです。
凄い、凄く・・・ああ・・・あっ勇者様のが、わ、私の一部になったみたいなんですっ!」

「動いてやろうか。」

そこまでを聞いてアイスベルクは腰を大きく引いた。
サクヤとアイスベルクとの接点がぬとぬとした液体で覆われているかのように重い水音を立てる。
サクヤがアイスベルクによって濡らしたその液体の音が。
「ああっ…お、お願いしますっ・・勇者様っんっ!ああ・・・抜かないで・・また、またいやぁ・・・」
サクヤの声に合わせてアイスベルクが腰を突き上げるように動かす。

「あーーーー・・ああっ!だめっ!声、あ、ああっ!・・・あんっ!」
「どうだ?いいのか?」
「凄い、凄い。太くて・・・ああ、勇者様・・・だめ、だめですイヤあ・・・あっ!。」

そのままアイスベルクがリズミカルに動き始める。
「あっあんっ!あっあっあっもう、もうダメになっちゃう、ダメになっちゃいます!いやあ!気持ちいい、気持ち良いんです。そこダメぇ!」
サクヤが首を振ったことで見えた表情の悩ましさに一瞬見とれた。

「締まってるぞサクヤ。イかせてやる。判ってるな。サクヤ。」
アイスベルクは唸りながらがくがくと腰を揺らせる。

「あああああ、イク、あたし、ああ、だめイク!」

「ご主人に頼みがある。」
耳元で囁かれた言葉にビクンと背を反らせた。
はっと振り返るとハルトが俺の顔を覗き込んでいた。
黒く瞳孔の大きな目。
ハルトは低い声でゆっくりと俺にたいして言葉を放ってきた。

「明日は出立だ。ご主人、世話になった。」
「い、いえ。何のお世話も出来ませんで…」

「あっダメです。あっ凄い、ああっ勇者さ、勇者様。早く。あっ・・・お願いしますから。んっ!」
サクヤの方へと向かう視線を無理やりハルトに向ける。
唇を噛み締める。
「十分なお世話をしたのをご主人は判っているだろう。」
「いえ・・・」
認めるつもりはなかった。俺が、サクヤがしたのは税であり、義務だ。
税に十分も満足もない。

「はは。謙遜する事はない。ご主人。でだ。少し我々も考えた。我々にご主人に対して出来る事が何か無いかな。と。」
「そんな、町をお救い頂けるだけで十分でございます。」
ある意味本心だった。その為にサクヤは。
「いやいやいやいや。それはそれ。それはそれだ。」
そう言うとハルトは机の上にどんと鼠色をした大き目の袋を置いた。
何かがずっしりと入っているのだろう。重たげな音が起こる。

「いやっんっ!んっ!んっ!また、また、ああ・・・あんっ!」

「我々の気持ちだ。受け取ってもらいたい。」
ハルトが眉を持ち上げ、袋を指差す。
ハルトの声に促され、袋を開いた。中を見る。
「っ!!受け取れません。勇者様。お代は十分に頂いております。
ここでの勇者様の掛かりは王国から補填される事となっておるのです。」

袋の中には実際、見たことも無い位の大量の金貨が入っていた。
ぱっと見ただけだが宿屋の売り上げの2年分位にはありそうな量だった。
いくらなんでも多すぎる。

「更になんでも我々が泊まった宿というのは箔が付くのだそうだな。」
「そうでございます。その上このようなものを頂く事は出来ません。」
笑顔で袋から手を離す。
嫌な予感がしていた。
これを受け取ってはいけない。
これを、受け取ってはいけない。
丁重に頭を下げた瞬間、その手を掴まれた。袋に押し付けられる。

「ご主人。我々は町の人々とは違ってな。金などいらんのだ。」
その口調に思わず顔を上げる。
と、ハルトは頷いてきた。

「王国は我々が町に着く度に金を寄越す。これで準備をしてモンスターを殺せ、とな。
しかしこの町もそうだが、我々Mutから金を取ろうという奴はおらん。
食べ物、飲み物その他必要なものに関してはどの町も殆どが支払いを免除する。
払うと言ってもそうだな。武器や防具の手入れ、精々がその辺り位のものだ。」

「それはそうで御座いましょう。勇者様のおかげで、町が救われるのです。」

「貰えるものは貰っておけ。という話かもしれないが。」
「そうで御座います。」

「だがな、貯めておいてどうなる。ご主人。」
俺の手を掴みながら冷えた声でハルトは続けた。
俺が絶句するに十分な位、冷えた絶望的な声。

「手当たり次第に殺し、旅をして殺す。しかしモンスターは根絶する気配も見せん。
鼠を追いかけているような物だ。冬に姿を見せなくなっても春にはまた顔を出す。」

「し、しかし」

「確かに叩きのめせば奴らは暫くはなりを潜める。だが、5年もすれば又顔を出す。」
「そ、そんな」
そんな話は聞いた事が無かった。
勇者様に解放された町の住人はその後幸せに暮らしているのではないのか。

「ご主人。我々は町の人々とは違う。蓄えてもしょうがないのだ。モンスターが出れば殺しに行く。
こちらがやられるか、それともいつか奴等がいなくなるのか、それまでずっと続くのだ。」
そこまで言うとハルトはにいと笑った。
熊のような巨体が揺れる。

「だからだ、ご主人。我々の価値観は町の人とは違う。ご主人は後ろめたく思う事は無い。
ご主人はそれだけの事をしてくれたのだ。だから受け取ってくれ。な。」

そう言って無理やり袋を俺の手に握らせる。
袋はずっしりと重いどころではない。下手に片手で持ち上げたら支えきれずに床にばら撒いてしまいそうな重量を持っている。
何といわれようと、受け取る訳にはいかない様な重みがあった。
しかしここまで言われて無下に断る事も難しい。

「では、半分頂きましょう。」
「いや、是非全部受け取っていただきたい。」
「ハルト様、一介の宿屋には過ぎるお代です。」
そう言うとハルトは笑った。

「ではご主人。これでどうだ。半分はご主人が受け取る。
もう半分はサクヤが受け取れば良い。うん。」
そう言って笑う。

暫く考えてから俺は首を縦に振った。
勇者様には勇者様の価値観があるのだろう。
あまり断るのも何だった。
それにその代金に全く魅力が無い訳ではなかった。

頷いた俺に向かってそれでいい。とハルトも頷いてきた。
そしてハルトはもう一度俺の顔を覗き込むようにしながら言葉を続けた。

「その代り、という訳では無いのだが頼みがある。いや何簡単な事だ。」
「何でしょうか。」
嫌な感触がした。

「我々は明日、次の街へと旅立つ。」
「はい。」

「旅路はきつい。無論我々が旅をするのだから危険は無い。それに次の町はそう遠い所ではない。」

「はい。」

「しかし何がきついと言って旅の間は食事がな。食事だの洗濯だのとそういった部分がどうしても手間がかかる。」

すでにこの時点で俺は首を振っていた。
違う。今日までだ。
今日までのはずだ。

勇者様のお役に立つなら。いや違う、税は払ったはずだ。
十分過ぎる税を。
全てを。
町の安全の為に、町の平和の為に。

「次の町までの間、サクヤを借り受けたい。」
「それは。」
「それは、ご勘弁下さい。」

がくんと身体が椅子に沈み込んだ。
一瞬の後、自分の手から力が抜けて座り込んだのだと気がつく。
首を上げるのも重い。
血の気が引いたようになって俺は何度も首を振った。

「ご主人、何も帰さんとは言っていないのだ。旅には女手も必要。そう言っているまで。
1週か2週、精々が数ヶ月。次の街へ行けばサクヤは必ず戻す。」

首を回した。

「そら、いくぞサクヤ。いくぞ。」
アイスベルクがラストスパートのように激しく腰をサクヤに叩きつけている。
「あっ!あっ!あっ!・・・あんっ!た、逞しいです、いや、やっ・・・凄い。
んっ!また、またイきそう、イく。いやあイくっ!だめっ!
あっイク、イクうぅ・・・ああんっ!」
尻だけを叩く掲げさせられた格好でサクヤが責め抜かれている。
二人とも身体にねっとりとした汗を浮き立たせている。
もう一度首を回す。
アイスベルクが終れば、ハルトがサクヤを抱くのだろう。

それで終わりだ。それで終わりのはずだ。これで。
それ以上は無理だ。無理だ。絶対に。
「お願い致します。どうかそれはご勘弁を。」
口から搾り出すように声を出した。
精一杯口を開いているのに口から中々声が出てこない。
「どうか、どうかそれはご勘弁下さい。お願い致します。どうか。」

ハルトの顔を見る。ハルトが首を横に振った。
そこで気がついた。そのつもりだったのだ。
言う事を聞いたらサクヤは帰ってこないかもしれない。
恐怖心が全身を襲う。
サクヤが目の前で抱かれていてもいい。
それでもそばにはいた。
例え地獄のように感じられてもそこにはサクヤがいたのだ。
サクヤがいなくなったらどうすればいいのだ。

身体に力を入れた。椅子から立ち上がる。
「どうした?ご主人。」

その言葉には答えず、足に力を入れて厨房へと向かった。
厨房を通り抜け、自分の部屋兼事務室として使っている部屋へと向かう。

駄目だった。絶対に。
絶対に受け入れる訳にはいかなかった。
払うべきものは払った筈だ。

廊下が長かった。何度も、何度も往復した廊下。
お客様の為に厨房へ向かい、お客様の為に玄関まで走り、
そしてそこにはサクヤがいた。
にこにこと笑って。
悪戯っぽく通り抜け様にそっと俺の袖を握って。

部屋へと入り、剣を手に取った。
町の武具屋に旅人の方に頼まれてなどと吐かずとも良い嘘を吐いて手に入れた
何の変哲も無い薄い細身の剣。
何度も、何度も研いだ剣を。

鞘を外す。
何度も素振りをしてみた。
俺が勇者様だったら。
俺が町を救えたら。
俺がサクヤを守れたら。

俺が、俺にそれがあったら。
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by obtaining | 2008-09-19 09:28 | document

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