35人目 ~2話目 その3

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時計を見ると既に18時になっていた。
エージェントとしての優子さんの勤務時間は17時までと決まっている。
俺の家に来るのは優子さんの業務なのだから既に時間は超過している訳だ。
「遅くなるって電話すれば?」
そう言うと優子さんは困り果てた顔をした。
「今日はここに来る日だって知ってるし、
今までそんな事無かったのにそんな事言ったら駄目だよ。」
旦那さんの事か。なるほど。
でも俺の気持ちはもう違った。
優子さんにもう少しだけ、ここにいて欲しいと、そう思っていた。
「もう一回精液出す仕事に付き合うってのでは?」
理由を付けてみようとした俺の言葉に優子さんは逡巡したように一回息を吸った。
2回首を振る。
「うう……ううん。そ、その、私も、その、でもやっぱり帰る事にする。ね。また来週来るし。
その時は遅くなるって最初から言っておけばいいから。」
そういいながらも優子さんは俺のものから手を離そうとしていなかった。
口と行動が伴っていない。いつもの優子さんなら手を離してぱっと立ち上がっただろう。
後一押し。

「今俺が言った口で違う事言うようでなんだけど
実は明日、研究所へは1つ持って行けばいいんじゃないかと思ってるんだけど。
…今日この時間以降は精液は採取キットに出さないってのもありかなと。
ま、そこらへんはコーヒー飲みながら二人で話し合ってもいいし。」
優子さんの肩が揺れる。俺の言っている意味が判ったのだろう。
「もう少し、一緒にいたいんだ。優子さん。」
「うう……その言い方はずるい。」
「もし今日優子さんが残ってくれないなら今後絶対に精液は採取用ケースにしか出さないよ。
さっきの研究所に内緒で口に出すって話も無しにする。」
ゆっくりと俺のほうに顔を向け、俺の言葉を理解しようとするように長い睫をしばたたかせた後、
優子さんは上半身ごと俺の方に向き直った。
信じられないくらい美しい顔で俺を睨みつけてくる。
「イや。絶対イや。」
「優子さんともうちょっと一緒にいたい。」
優子さんが俯いた。
「その言い方は駄目。」
成る程。確かに。しばし考える。
「残ってくれたら優子さんに直接出してあげるよ。」
「……ぁぁ…でもどうしよう……もう……」
1分程考えるように首を折った後、覚悟を決めたように優子さんは一度頷いた。
そして優子さんはゆっくりと顔を上げると聡明ないつもの感じを取り戻した口調で口を開いた。
「判った。残る。残るから。電話借りていい?」

「いいよ。」
勿論そう言ってベッドサイドに置いてあった電話の子機を手渡す。
優子さんは右手で俺のものを握ったまま、左手で受話器を受け取った。
「ここで電話しなきゃ駄目?嘘ついているところ、見られたくない。」
これから俺は優子さんが電話の最中に帰ると言い出さないように
最後の駄目押しをするつもりだった。
駄目だ、という風に首を振ると優子さんはちょっと唇を突き出した後、
諦めた様に左手で自宅の電話番号を押し始めた。
優子さんが電話番号を押して通話ボタンを押したその瞬間に何気ない口調を心がけながら口を開く。
最後のダメ押しのつもりだった。
「優子さん、精液は口がいい?それとも中に出して欲しい?」
俺がそう口にした瞬間、優子さんはぴ、と電話の電源を切った。
呆然としたような顔を一瞬した後、
俺の言った意味が判ったのか優子さんはへにゃりと眉毛が下がったような顔になった。
「……く、くち………うううん。ん…やっぱり口、……ううん。やっぱり中がいい。」
「ちゃんとどこに出して欲しいかさっきみたいに直接言ってみ。」
「うう…中に直接出して欲しいっ。」
「…」
「もう、…お、おまんこに出して欲しいのっ。」

「判った。いいよ電話して。」
俺の許可を経て、優子さんはすうと息を吸ってから左手でもう一度電話番号を押し、
それから受話器を耳に当てた。
今のやり取りが理由かどうかは判らないが、優子さんは大分落ち着いたようだった。
コール音が鳴るまでの間も穏やかな顔をしている。

「………あ、もしもし。私。うん。」
数秒して、旦那さんが電話に出たのだろう。優子さんは話し始めた。
いつもの研究所とは違う、柔らかな話し方だ。
家ではこんな風にいつも話しているのだろう。

「……ううん。違うの。まだ。ごめんなさい、あのね、その事で話があるの。」
たった今おまんこに出して欲しいと言ったその口で、彼女は旦那さんと会話をしていた
しかも俺は優子さんの右手に先ほどからまだ俺のものを握らせっぱなしだ。

またもや悪戯心が湧いてきて、優子さんの右手を掴むとゆっくりと上下させる。
その刺激で多少萎えかけていた俺のものがまた硬度を増した。
「…ううん、違うっ?……の……っっ!ううん、ゴメンゴメン。なんでもない。」
びっくりした顔で俺の方を見る優子さんの耳元に口を近づける。
「優子さん、下着脱いでよ。」
そう言うと、優子さんは俺の方を暫く見てから、諦めたような顔をした。
猫目がちな目がへにゃりと下がると、びっくりする位の美しい顔が、一瞬だけ可愛らしい愛嬌のある表情に変わった。

優子さんは溜息を吐くような仕草をすると右手を俺のものから外し、
それからその手を背中に回すとブラのホックをパチンと取った。
左手の受話器を一瞬耳から外しつつ器用にブラを脱ぐと、優子さんはシーツの上にブラジャーを置く。
優子さんのDカップの釣鐘型の真っ白な乳房とピンク色の先端が全て露わになった。
更に右手を下に回して優子さんはパンツも取り去った。
すらりと引き締まっていながら柔らかさを保つ真っ白なお腹と
エージェントらしいその奥に隠された薄い腹筋、そして
殆ど生えていないと言っても良い、パイパンに近い位薄い陰毛とその下の下腹部が露出する。
下着姿から素裸になっただけなのに全体が下着姿のシャープな印象から一気に全身が柔らかそうな雰囲気に代わり、
猛烈ないやらしさが増幅される。男が一度は好きなようにしてみたいと思うような体。

「ううん。今日は2時からって約束だと思っていたんだけど、
私が勘違いしてしまったみたいなの。それで………ぁっ」
ブラジャーを外した後、間髪いれずに離れていた優子さんの右手を取って
俺のものを先程と同じように握らせると優子さんは慌てたように声を上げた。
慌てて受話器を口から放す。
俺の方を拗ねたような目で一度ちらっと見てから、優子さんはゆっくりと右手を上下に動かし始めた。
お互い素裸のまま、優子さんが受話器を持っている事を除けば完全に前戯の体勢だ。
左手の受話器を元に戻す。
「うん。ごめんなさい。それで梅原さんを待っていたんだけど、
今帰ってこられて、それで約束は19時からだったと仰ってるの。」
上手い言い訳だった。優子さんは如何にも困り果てたという風に話している。
実際困ってもいるのだろう。真に迫っている。

「2時からだったと言っても聞いて貰えなくて、で、これから……うん。うん。
今までは部屋の中で待たせてもらっていたの。…うん。そう。警備の方に入れてもらって。」
ゆっくりとしていた右手の動きが段々と上下に捻りながらしごく動きに変わる。

「うん。梅原さん?え、ええとね。今ここにはいらっしゃない。その、隣の部屋だから。」
優子さんの手の動きで俺のものの硬度が先程より更に増し始め、
完全に硬直しきったその時、
優子さんは右手の動きをゆっくりと握り締めるようにしたまま動きを止めた。
「…え?でも。うん。聞いてみる。うん。判らないけど。ど、どうだろう。…ちょっと待って。」
そう言うと、右手を外し、優子さんは受話器の話口の方に右手を当てた。

「その、変わって欲しいって言ってるんだけど。」
「俺に?」
「そう。」
「怒ってる?」
「……ま、まあ。ね。というよりこれ以上嘘つけないよ私。」
右手を一度上下に媚びる様に動かした後、何とかして欲しい。という感じに俺の方を見てくる。

「いいよ。変わろう。隣の部屋って事になってるんだろう。もうちょっと待ってから取るよ。」
そう言うと優子さんはほっとした顔をした。
覚悟は決めたものの罪悪感的にも嘘をつくのももう限界という感じだ。
俺の言葉に安心した顔をしている。ここからはバトンタッチしてあげるべきだ。
受話器の送信口を胸に当てて押さえてからありがとう。という感じに左手で拝んでくる。
いつも気が強めな優子さんにしては珍しい仕草だった。
暫く待ってから右手で優子さんから受話器を受け取って耳に当てた。

「もしもし、電話変わりました。」
と同時に優子さんの肩をぐいと抱き寄せる。
「あっ!」
優子さんが慌てたように口を押さえる。
俺は構わずに受話器に向って話しかけ始めた。
「すいません、ちょっと席を外していましたので。何かありましたか?」
出来るだけ重々しそうに声を出しながら、一度俺は左手で優子さんの頭を撫で、
それから優子さんを抱きかかえたその格好のまま俺が自分の下腹部をを指差すと、優子さんは辛そうに瞳を伏せた。

優子さんの心はきっと今、揺れている筈だった。
帰れと言われればほっと胸を撫で下ろして帰るだろう。
そしてそうして良かったと後になってそう思うだろう。
そうさせるつもりは無かった。
逆になって欲しかった。
ここにいること選択した事を正しかったとそう思ってもらいたいとそう思っていた。

「おねがい、あとにしよう?」
優子さんが声に出さないようにゆっくりと口を開いて俺に訴えかけてくる。

「あ、梅原さん、光栄です。」
「どうも。」
受話器の向こうの声に答える。確かにイライラとしているような口調だった。
声に棘があった。

そうやって優子さんの問いに答えずに受話器の向こう側と会話を始めると、
優子さんは俺があとにするつもりは無いと思ったのだろう。
一度溜息を吐いてからゆっくりと自分から俺の物に指を絡めてきた。
素裸の体を俺に巻きつかせるように俺に抱き抱えられたまま、
先程と同じペースで今度は勃起しきった俺のものをしごき始める。
先程の俺のものを大きくするための動きとは違う、
既に滾り切った俺のものに快感を与えて射精へと導くという意味の動き。

「今、優子から聞いたんですけれど。今日の仕事は2時からだったのではなかったのですか?
部署の予定表ではそうなっていましたが。」
一応仕事として来ている優子さんは規則として3時間俺の家にいることになっている。
仕事の時間は終わった筈だ。とそういう口調だった。
出来るだけ困惑した声が出るように心がけながら声を返す。
「山田さんには今日は6時からお願いしたいと言ったんですけどね。
伝わってなかったのかなぁ。」

そう言いながら柔らかな右頬を俺の胸に当て、
左手で俺のものをゆっくりとしごき始めていた優子さんに目をやると、
優子さんが何か一点を見つめている事に気がついた。
きっと耳は俺と電話機の方に向けているのだろうが、目線は一点、その方向を見ている。
優子さんのその視線を辿ると、俺の亀頭の先端に行き着いた。
優子さんに先程からしごかれていたそれの先端からは先走りの液が徐々に溢れて亀頭全体を濡らし始めていて、
優子さんは吸い寄せられるように視線をそこに向けていた。

「どちらにせよ梅原さん、勤務時間は終了しています。来週、という訳にはいきませんか?」
左手で優子さんの顎に手をやると、そのままゆっくりと俺のものの方へと優子さんの頭を誘導していく。
鼻先に俺の亀頭が来たとき、優子さんは首を回して俺の方を見て声を出さないようにしながら
「おねがい、でんわのあとにして」
とそう口を開いた。
首を横に振る。優子さんも同じように首を振って、「だめだって」と口を動かす。
再度首を振る。絶対に今優子さんにフェラチオをさせるつもりだった。
俺が再度鼻先に一物を突きつけると
優子さんは一度だけ抗おうとした素振りを見せた後、「もう。」と口を動かしてから
ゆっくりと一度溜息を吐くとゆっくりと舌を出して俺のものをチロチロと舐め始めた。

「困ったな。実はですね。明日中に一回分欲しいと、研究所からはそう言われてるんですよ。」
これは嘘だ。研究所への提出は日曜日の夜12時から次の日曜の夜12時までを週の区切りとして
週に2回以上であればいつでも良いとなっている。
日時を指定して強制される事は無い。
しかしこの事は優子さんも知らないし、受話器の向こうの相手も絶対に知らない事だった。
実は和歌葉ですら知らない。俺と国との契約事項だからだ。
俺が払わねばならない義務とそれに対する国からの報酬については極秘事項にされている。
契約の時には最後にわざわざ内務大臣が出て来たくらいだ、
研究所内でも詳細な内容を知っているのは山田くらいだろう。
そして山田は絶対に身内にでもこの事を話してはいない筈だった。

受話器の向こうは沈黙している。叫びだしたい気分であろう事は俺にも判った。
そんなものオナニーでもして出しやがれ。ふざけるな。
そう叫んで窓を叩き割り、受話器を外に放り投げたくなっている筈だ。
気持ちは判る。
普段、もし本当に優子さんが言ったように俺が時間を間違えたというような状況になったら
俺は優子さんを帰しただろうと思う。
でも今日は違った。
自分が下種な気分になっているのだという事位は判っていたが優子さんを帰すつもりはなかった。

目を下に下ろす。最初こそぎこちない感じに舐め始めたものの、
すぐに優子さんは心の箍を外したようだった。
夢中になったように亀頭全体を舐め回すようにしては先走りを舐め取り、左手では俺のものをしごきたてている。

その光景を暫く眺めていると、受話器の向こうで溜息が聞こえた。
「判りました。そう言う事情ではしようがありません。帰りは10時頃でしょうか。」
充分に舐め回し終わると、優子さんはゆっくりと俺のものを飲み込むように口に含んでいく。
「そうですね。その位で。」
そのまま舌を全体に絡めるように巻き付かせつつゆっくりと首を上下に振り始める。
一度目の上下の動きの瞬間、ストロークの距離を間違えたのかカリのところに唇が引っかかってチュパッという音が漏れた。

「……あの梅原さん、失礼でなければ一つ聞きたいのですが、優子は、
 優子はその梅原さんのお役に立っているのでしょうか?」
歯噛みが聞こえてきそうな声だった。ここでの優子さんの様子を知りたいのだろう。
ここは安心させてやる所だった。

「ええ、勿論。しかしもうちょっと積極的に、とは思いますがね。」
如何にも苦々しげに聞こえるようにそう言うと、
電話の向こうでは明らかにほっとしたような空気が流れた。
その瞬間、優子さんは俺のものに激しく舌を絡めた後、
カリ首に唇を引っ掛けるようにしながら亀頭を強く吸い上げるように唇を動かした。
そして口内に含んだそのまま、亀頭の先端を舌でねぶるように動かしてくる。
思わず腰が浮いた。
優子さんの顔を見ると目を閉じて知らない。というような顔をしている。

「それは申し訳ありません。お国の為に頑張れとは言っているんですけどね。」
受話器の向こうの声は先程より明らかに明るい。
優子さんがくっくっと大きく上下に顔を動かし始めた。
彼女の唾液と俺の亀頭の先端から出ている先走り液が彼女の口内で絡み合って、
クチュッ、クチュッという音を部屋の中に響かせている。
優子さんの釣鐘型の乳房の先端が優子さんが顔を上下させる度に俺の太腿にぴたぴたと当る。
「いえ、大変助かっています。」
うんざりとしている、というような口調を心がける。

今、受話器の向こうではこういう光景を想像しているのだろう。
仏頂面でベッドに横たわる優子さん、もしかしたら上下は脱がず、下着を脱いでいるだけかもしれない。
半立ちで役に立たなさそうなものをぶら下げた俺が圧し掛かろうとするものの優子さんはそっぽを向いたままだ。
俺はうんざりとした顔をしながら優子さんの中に無理やり半立ちのものを押し込む。
すると優子さんの顔が嫌悪に歪む。
そのまま5回ほど上下運動した後、俺は慌ててベッドから飛びのくと
精液採取用ケースを両手で開けて粗末なものをそこに突っ込んでブルブルと体を振るわせる訳だ。

受話器の向こうの相手にとって今日の事は必要以上の恥辱と感じるかもしれなかった。
そんな光景を想像しておいて貰えればまだ気も晴れるだろう。

「じゃあ、申し訳ないけれど。」
そう言って電話を切ることを伝えると
受話器の向こうからはいくらか先程よりも柔らかい声が返ってきた。
「いえいえ、了解致しました。梅原さんもお国の為に宜しくお願いします。
…ああ、最後に優子に代わってもらえますか?近くにいるようだったらでいいんですが。」

近くにいるも何も目の前では素裸の優子さんが仕事以上の熱心さで首を上下に振っている最中だ。
一瞬、受話器の向こうの相手に同情した。
が、今日は自分の衝動の方が強かった。
結婚したばかりの俺より2歳年上、24歳の優子さんを
一時だけでも仕事以外の意味で自分のものにしたいという衝動。
正気じゃない。でも今までの人生の中、
正気を失うなんて経験はこれが初めてじゃあなかった。

「ああ、ちょっと待ってください。」
俺はそう言って受話器を押さえた。
熱心に俺の脚の間で捻るように首を振っている優子さんに声を掛ける。
「電話、変わって欲しいみたいなんだけど。」
優子さんは咥えたまま動きを止め一度俺の顔を見た後に暫く考えるようにして、それから目を伏せて首を振った。
そしてゆっくりと首の上下運動を再開させる。
そもそもシャープな横顔だけれど、目を伏せながら俺のものを咥えてゆっくりと顔を鎮めていくその横顔は凄艶なまでに美しかった。
今度は首をねじらせながらねっとりと啜るように俺のものを吸ってくる。

優子さんの答えを見て、俺はそのまま電話を切ると、受話器をベッドサイドに放り投げた。
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by obtaining | 2008-06-22 14:28 | document

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