Swastika Eyes 1-2


「そうだ。だんだん上手になってきたじゃねえか。もっと下の方も丁寧にやりな。」
「こ、こうでしょうか?」
言われるがままにだらりと垂れ下がったそれに舌を這わせると、男はぶるりと太腿を振るわせた。

「そうだ、もっとしっかり舐めろ。舌をたっぷり使ってだぞ。おら。」
ベッドの上に大の字に横たわり脚をMの字に開脚して、腹の突き出た醜い姿の男は
股座に顔を埋めている私に向かってくいくいと下腹部を押し付けてくる。
先程から15分も掛けて私が行った行為によっててらてらと濡れ光っているその部分が
私の目の前で卑猥に上下に動く。
男の喜ぶ場所。
硬く隆起したそれを避けるようにして顔を股の奥に差し込み垂れ袋の部分にゆっくりと舌を這わす。
唾を舌の上に乗せるようにして、垂れ袋に塗すようにしながらゆっくりとゆっくりと舐り回す。

「おお、そうだ。もっと舌を使え。おら、そこだけじゃねえ。もっとしっかり下の方までやるんだよ。」
「はい・・今すぐ・・・」
さらにぐっと腰を持ち上げた男に促されるままに顔を下へ、奥へと差し込む。
そして男の汚れた肛門の上、垂れ袋との境目に舌を付ける。
舌に力を入れて押すように動かすと、男が呻いた。
もう、この男がこの場所を喜ぶ事は知っていた。
肛門部分に舌を使う事を事の外喜ぶ事も。

この兵隊達が町へとやってきた後町の人別合わせと称して女達が集められた時にいきなり手を掴まれ、暗がりに連れ込まれた。
あの子を連れて町へ買い物へ出た時に同じこの男に見つかり、町外れの小屋に連れ込まれた。
あの子を目の前から遠ざける代わりにと教えられたその事。
強要されたその行為。

慣れる事はなかった。
当たり前だ。こんな事、慣れる筈なんて無い。
あの人にだって、した事の無いこんな行為。
頭を空っぽにしないとこんな事は出来ない。
そう、頭を空っぽにしないと。
はあ、と息を吐いてからゆっくりと又顔を男の下腹部に沈める。
つんとした汗と、男の体臭が鼻に付く。

--だから、頭を空っぽにしないと。耐えられない。

頭を空っぽにしないと、耐えられないそれ。
ゆっくりと舌を付ける。
男の尻がぶるりと揺れるのを確認してから、舌を下へと移動して行く。
獣の様な毛を舌で割っていきながら肛門の方へと舌を這わす。
舌を動かすと、油っぽい苦味が口内に広がる。

男の満足そうな唸り声にほっとする。
私の行為で、満足している証のその声は私にとって重要な事だった。
私がすべき事を、出来ているその証拠。
それだけあの子から、あの人から遠ざかるであろう、危険。

ゆっくりと柔らかく中央の窪みに舌を当てる。
くすぐるように動かす。
男の呻きに合わせて唾を舌に乗せて差し込むように舌を出し、上下に、そして回すように動かす。
ゆっくりとゆっくりと焦らすように周囲を5秒位掛けてくるりと舐め、
それから唾を乗せて舌先で塗すようにゆっくりと上下に動かす。

暫くそうしていると、後ろから伸びてきた手が私のスカートを捲り上げてくるのを感じた。
いきなり乱暴に腰まで捲くり上げてきて、私の下着が露にされる。
すう、と太腿に風が当たる。

男の野卑た声が後ろからする。
私の惨めな格好をあざ笑っているのだろう。
ベッドの上で、男に傅くように四つん這いになって頭を男の下半身に沈めている私の格好。
両手を男の太腿に当て、顔を男の下半身に沈めている私の格好。
スカートを腰まで捲り上げられ、尻を持ち上げている私の格好。

浅ましいと思う。
このいきなり町にやってきた兵隊達は私を、どこまで辱めれば満足するのだろうか。
頭が焼け付くようだ。
恥ずかしいなんて感情を超えた、恥辱。
戦争だから、
無理やり、
そんな頭でわかっていたってなんら気休めにならないそれ。

理由なんて関係ない恥辱。
女がとってはいけない、少なくとも愛する人にのみとる事を許される格好を見られる事。

それでも、私は私がすべき事を出来ている事を考える。
脚に空気が当たって、少し寒い。
太腿を後ろから来た手が這う。

その感触を振り払うようにまた前の男に顔を沈めた。
今度は舌を上に動かす。
垂れ袋の所まで舌を上げて、今度は口を開いて私の唾でぐしょぐしょになったそれ全体を口内に含み込むと男が呻いた。

私がすべき事。
頭を焼きつかせて、空っぽにして。

と、その瞬間太腿を這っていた手がいきなり下着の中に入ってきて、
私は慌ててぽんと音を立てて男のそれから口を離して首だけを回して後ろを振り返った。
触られるのは嫌だった。そんな事をされたら出来なくなってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってください。ん・・・」

懇願する私の言葉など聞いてくれない。
判っていてもやっぱり私は懇願するような声を出して、
そして後ろのその男はやっぱりその私の声など知らないように指で私のそこを嬲った。

「ん・・ぅぅ・・」
男の指が撫でたその衝撃で、思わず声を漏らす。
嫌だ。触られるのは嫌だった。
それなら男の肛門を舐めている方がまだ良い位だった。
慣れる筈なんて無いけれどそれでも自分で覚悟を決めてやることだからまだ我慢できた。
触られて私の意志では無い声が漏れて、あの人と同じように声を出すのは我慢できない。

それでも私の懇願なんて聞き入れられない。
これから男達は嬉々として私の体を弄りまわして、
そして私はどうしても我慢できなくて声を漏らしてしまうだろう。
あの人でない男の指の感触なんて、虫唾が走るほど嫌だというのに。

後ろから入ってきた男の指がくじる様な動きをする。
人差し指と中指を使って、私のそこを広げるような動き。
慣れる事ができれば、いいのかもしれない。
若しくはせめてそれが痛ければ、苦痛を伴うものならどれだけましだろうか。
でもどうしても慣れなくて、どうしても声が出てしまう。
それだけが悔くて。
どうしても反応してしまう自分が嫌だ。
自分の女の部分が、あの人じゃなくて、こんな奴らにまで反応するのが悔しくて、
罪悪感があって、嫌で嫌でしょうがなかった。


「・・・んうっ!・・・はあっ・・・んっ!」
指を突き立てられた瞬間、やっぱり声が漏れる。
私の動きは、私がすべき事。
頭を空っぽにして、すればいい事。
それだけを呪文のように頭の中で念じる。

でも無駄だった。

後ろから私の中に指を入れている男が手を動かしてくる。
ぐっと突きたてられた瞬間、下半身に感じた衝撃に思わず前の男から舌を離してしまう。
「んっ!んっ!・・・う・・ぅんっ!」

くいしばっていても思わず漏れる声。
男達が、後ろの男と私の前であの人と私のベッドに大の字になっている男、が嬉しそうに笑った。

「しゃぶるだけでこんなに濡らしやがっておら。そんなにこいつのが美味かったのか?」
含み笑いをしているような声で後ろから私に声が掛かる。
「たまらねえんだろ。こいつがよ。欲しくてしょうがねえんだろうが。」
そう言って男が硬く屹立したそれを誇示するように下半身を揺らした。

男達の言葉を脳裏から追い出して、自分が為すべき事を頭に浮かべる。
絶対相手にしてはいけない。考えてはいけない。
私がすべき事を思い出して頭に浮かべる。
それは男の自尊心を満足させることだ。
そうすればこの兵隊達は、あの人にも、あの子にも町の人達にも手は出さない。

後ろから私を嬲っている指がかき回すように動く、
頭のてっぺんに向かって伝えてくる甘い感触を首を振って一度振り払って、前の男のそれに口を付ける。
今度は垂れ袋より上。硬く屹立したそれの下の部分。
男のあの部分。
これから私に入ってくる性器。

「あっ!あっ!んっ!」
唇をつけた瞬間、又私の口から声が漏れる。
甘く聞こえるだろう、いや、今私の耳にもどうしようもなく甘く聞こえた声。

男達の自尊心を満足させる為に出しているだけ。
そう言い聞かせる。
本当の声なんて、あの人にしか聞かせない。
だから、これは嘘の声なの。
そう言い聞かせる。

「ん・・ぅん~っ!やっ!ああっ!」
--ああ・・・
違う。
どんなに言い訳してもこの声が演技じゃない事位自分でも判る。
これは、どうしようもなく身体が興奮してすごく感じているときにどうしても出てしまう声。
こんなに乱暴にされて、好きなようにされて、恥ずかしくて悔しくてそれなのに。
一生懸命食いしばって耐えても何故か私の口から出てしまう、
甘えるみたいに、この男達に気持ち良いと思い切り伝えてるみたいに聞こえるいやらしいこの声。


でも言い聞かせる。
これ、私の声じゃない。

ゆっくりと舌を這わせながら一度唾を飲み込む。
舌の上に塗してばかりいるから唾の行き渡らない喉に唾を送ると喉に引っかかるような感じがした。
その瞬間また後ろから私の中に入っている指がくいと私の中を引っかくように上下されて思わず上半身毎身体が跳ね上がる。

「・・・っつあっ!あんっ!んっ!・・・うんっ!」
私の声に後ろの男がかさに掛かったように手を動かしてくる。
指が深く入る度にびくんと私の背が反る。
きっと、私の反応は凄くいやらしく見えているだろう。
そうされる度に私の体はどんどん火照りを帯びて、男達を迎える準備を進めて行く。
私の中に入れている男の指が馴染んで来ているのが自分でも判って、思わず俯く。

腕の力が入らなくなって、前の男の股間に顔を突っ伏してしまう。
ゆっくりと、前後、上下に動かすその指が私の中で私の中を押す度に
私のそこから頭の中に向かって、その感触が、甘い感触が響く。
舌を突き出して、目の前の男の性器に被せようとする度に声が漏れる。

胡乱な頭で考える。
後ろの男の手の動きが激しすぎて、このままじゃ、前の男を満足させられない。
満足させなきゃいけない。
私の為すべき事を、しないといけない。

「お、お願いします。手、手を動かさないで・・・んっ!ぅん!やっ!あっ!」
「気の強そうな顔の割には可愛い声出しやがる。」
「おら、喜んでねえでしっかり舌ぁ動かせ!おら!」

判っていた事なのに。こんな事を言えば相手を喜ばすだけだって。
私の言葉に喜んだように後ろの男は手の動きを激しくさせた。
「あんっ!いやぁっ!んっ!…あっあっ…ああああああっ!…」
男の手の動きにあわせて私の体がどうしようもなく激しく前後に揺さぶられる。
その動きで、突き出した私の舌が前の男の隆起したあれの表面を滑った。

手を動かされる度に、声が漏れる。
「んっ!うんっ!ぅん!…っ!あっ!あっ!やあっ!あんっ!・・・んっ!うんっ!んっ!!」

こんなの、私の声じゃない。
私の声。
だって嘘の声だもの。
嘘じゃない。

嘘じゃない声。
私があの人に抱かれる時と、同じ声。
いや、もっとかもしれない。
こんなはしたない声は多分出した事、ないから。
だって、こんな声、家中に聞こえてしまう。
あの子に聞こえてしまう。

「あっああああっ!手、いやあっ!あんっ!でき、出来ませんから。
 お願いっ・・・あっ!うんっ!んっ!・・・あっ!」
あの子に聞こえてしまうから。
だから夜はこっそり。
あの子が外に遊びに行った時、あの人がたまたま仕事から早く帰ってきた時に慌てたみたいに。
凄く素敵なその事。
町の多くの女の子達と同じように16で結婚して24歳になる今まで。
その時に私はこんなはしたない声は出したことない。
それなのに今、2人掛かりでこんな風にされて私は今まで出した事の無いようないやらしい声をだしている。

男の手が動くそこからいやらしい音がしてる。
こんな風に四つん這いになって男の性器を口でさせられて。
そして後ろからも好きなように身体を触られて。
後ろの男の手の上下の動きに合わせて私の腰が上下に跳ねるように動く。

「んっ!うんっ!ぅん!いやぁ!ああああああ!いやっ!いやっ!いやっ!だめえええええ!」

こんなに胡乱な頭でも感じるくらい恥ずかしい動き。
いつの間に知られたのか私の苦手な所を責めてくる捏ねくるような上下の動き。
どうしても声が出てしまう所を押してくる。
声が、甘い感触が下から這い登ってきて、声が出てしまう。
やだ、いやだ。私の意思に反して私の腹筋がゆっくり動く。
私の意思に反して男の指を締め付けているのが自分でも判る。
自分の意思に反して、身体が上り詰めて行くのを感じる。

判ったのだろう、男が私の苦手なそこを集中的に押すようにして動く。


こんなの嘘。嘘だ。
まだ、抱かれてなら、貫かれてなら判る。仕方ない、って言い訳できる。
男の自尊心を満足させてながら、それでなら。
私のすべき事って思えばいい。
それなのにこんな風に嬲られて指だけでいかされるなんて嫌だ。
男達に笑われながらなんて。

「ああっ!ああっ!あっ!・・・・い、・・」

その瞬間、前の男に髪を掴まれた。
霞んでいた目の前に男の下半身が映った。
「おら!喜んでねえでしっかり口も使え!おら!」

口に男の性器がねじ込まれるように唇に押し付けられる。
それでゆっくりと意識が戻った。
幾度か目をしばたたせる。

「あっ!は、・・んっ!はいっ・・・や・・・うんっ!」

慌てて男のそれに舌を乗せる。
首を持ち上げて、唇を開いて、上から被せて咥える。
男の突き出た腹に似合わぬ、兵隊特有のみっしりとついた筋肉に覆われた太腿に手を乗せる。

私の口に余るそれを咥えて吸い込むように唇を進ませる。
それに舌を使う事によって、それに集中する事によって少しだけ自分を取り戻す。
首を上下に振って、カリ首の所に舌を巻きつかせる。
後ろの男の手の動きは先程と変わらない位の快感を伝えてきてはいるけれど
私は懸命に首を振って私の口に入っている、男の先端から漏れるそれの苦味を感じながら
それを追い払おうとした。


「そうだ。大分いい顔するようになったな。なあ、こいつのこの気の強そうな顔がたまらねえんだ。」

舌を動かし始めると、上から満足そうな唸り声が聞こえた。
「こっちもいい感じに錬れてきたぜ。いい感じに締めてきやがる。」
下卑た声で罵られる。

「おい、その調子だ。舌ぁ休めるなよ。」
「ん・・・ぷはっ・ん・は・・はい・・・」

「亭主とガキを外に出せばしっかり相手するってお前の約束を守ってやったんだからな。」
「・・・はい・・・んっ!あっ、あり、ありがとう、ございます。」
唇を離すと、すぐに私の身体は男の指に集中してしまう。
慌てて唇を被せる。ゆっくりと舌を巻きつかせる。

「そうだ。そうやってしっかり王国の野郎どもからこの町を守ってやる俺達に感謝して、
 このくれえするのがお前らの務めってやつだ。」
「亭主もお前が俺達の役に立てばさぞ喜ぶだろうぜ。」
「んっ・・んっ!・・・や、うんっ・・!・あ、ありがとう、ございま・・・んっ!。」

2人が野卑た笑いを上げたその時、ドアがバタンと開いた。
「おうおう、いいじゃねえか。」
「し、失礼します。」
士官なのだろうか。上等な帽子を被っていた男と、今いる兵隊達の中でも一際若い男が
分厚い筋肉と傷に覆われた裸の上半身に湯気を上げながら寝室に入ってくる。
今私の前にいる二人の男よりも偉いらしいこの男は家に入るなり風呂の場所を聞いてきた。
ようやく今、風呂から出てきたのだろう。
目の前の男達より年齢は若干若いくらいかもしれないが、男達の中では一番雰囲気がある。

「隊長、お先に頂いてます。」
「お先に頂いてます。隊長。」

ベッドの上で大の字に寝ている前の男と、それに傅く四つん這いの私の後ろから嬲っていた男が
この状況には似つかわしくないような声で入ってきた男に挨拶をする。

「お前らが見つけたんだ、俺に構わずやれ。」
はい。と2人の男が答える
「・・しかし、それにしてもいい女だな。テッセル人らしく色も白いし、小柄な所も俺好みだ。
 亭主やガキがいるようには見えねえ。お前らにしちゃ上出来だ。」
男の言葉にほっとしたように前の男と後ろの男が息を吐いた。
そして私の中で止まっていた指が又いやらしく動かされた。


頂いてます。
何を?
私をだろう。
あの人と、あの子を寒空に追い出して、この男達は私の目の前で私の事を頂いていますなどと言う。

私はこの男達にとって食事か何かと一緒なのだろう。
一日の仕事の後に饗されるそれと何ら変わる事は無いのだろう。。


死ねば楽なのかもしれない。
人別合わせとかの時に最初に襲われた時に思った。
あの子を連れて町に買い物に出た時、町外れの小屋に連れ込まれた後にも思った。
でもその度に思った。私が死んだらあの子とあの人はどうなるだろう。
腹いせに殺されるかもしれない。

それに、私の変わりに町の他の娘も犠牲になるだろう。
若くて、綺麗な、未婚の娘までがその犠牲になるだろう。

町の掟として。
いや、町じゃない。普通に考えればこんなの当たり前だ。
順番っていうだけ。
誰が犠牲になるかの順番っていうだけだ。
私がその順番になったのだ。

あの子とあの人を腹いせに殺させなんて絶対させない。
未婚の可愛いあの子達だって犠牲になんて絶対させない。
可愛い年の幼い娘達が兵隊達に処女を捧げるなんて、そんな事、させられない。
私が犠牲になればその分だけ、彼女達が犠牲になる可能性が減るから。
相手を出来る女がいなくなればいなくなるだけあの子達が犠牲になる可能性が増える。
果ては相手の出来ないような小さな娘まで犠牲になる。

だから私は私がすべき事をする。
子供がいない、いても小さな、若い兵隊達を満足させられる事のできる女。
処女じゃない、結婚している20代前半の女なのだから。
少し位の私の犠牲なんて。
少し位喜ばせてあげれば、あの人もあの子も手は出されない。
少しだけ私が我慢すれば。

・・・
でも、あの人だけの身体だったのに。
他の人になんて、見せた事も無かったのに。

今日は4人の男が家にまで来たのだ。
今までの事は、あの人にも言っていなかったのに、これで判ってしまったに違いない。

あの人は今ここで何が行われているか、きっと理解しているだろう。

4人のこの兵隊達に。私が。

目の前の男は町の人別合わせと称して女達が集められた時に私を見つけて物陰へと連れて行った男だ。
後ろの男はあの子を連れて町へ買い物へ出た時に目の前の男に見つかり、
あの子を見逃す代わりにと町外れの小屋に連れ込まれた時に一緒にいた男だ。
そして後2人。その二人が連れて来た、一番偉そうな傷だらけの男と若い男。
これから私がその4人の男に抱かれるのをあの人はきっと理解してしまっている。


頭ではわかっている。
うん。しょうがない事。
私が我慢しなくちゃいけないことだから。
私が死んだら、未婚の可愛い娘達が困る。
あの子が困る。そして、きっとあの人も困る。
だからしょうがない事だ。


でもやっぱりそれでも頭の中はどうしようもなく恥ずかしくて、どうしようもなく悲しかった。
見ないで欲しい。気付かないでも欲しいと頭の中で叫ぶ。
早く終らせて、元に戻りたい。
助けは来ないから、だから私はすべき事をするから。
だから早く終ってと叫ぶ。
頑張るから、満足させるから、だからあの人とあの子には手を出さないで。

そして、私の大好きなあの人には出切れば私が何をされているか、気付かないでいて欲しい。
こんな恥ずかしい私は絶対見て欲しくない。
今私が家の中にいて、兵隊達の食事でも作っている。そう思っていて欲しい。

傷だらけの上半身をした男が、ベッドサイドの椅子に腰を掛ける。
その男の目が好色そうに私の体をなぞるのが判った。

私の為すべき事をしなくちゃいけない。
でももう、心が折れそうだった。

「おら、隊長殿に聞かせてやれ。」
「ああっ!いやっ!・・・ああんっ!ああああああ!」

私の中に入れられたもう、完全に私の体に馴染んだ指がまた激しく上下に捏ねくるように動いて、
私にどうしようもない快感を送ってくる。
嫌になるくらい甘い声が私の口から出て、私は激しく頭を振った。



@@

家の中から笑い声が聞こえて、僕は父さんの方に顔を上げた。
父さんは僕の事をぎゅっと抱きしめている。

父さんは僕の顔を見て、僕の頭をその大きな手で撫でてくれた。
「ねえ、父さん、お母さんは何の話をしているの?まだかな?」

切り株に座った父さんの膝の上に座っているのだけれど、それでもお尻が痛かった。
ぼくでこうなんだから、身体の大きなお父さんはごつごつした切り株の上に座って、
もっと痛いんじゃないのかな。と思う。
とってもお腹もすいた。
それなのに家の中からは笑い声が聞こえてくる。
なんの楽しい話をしているんだろう。
「もうちょっと我慢しなさい。」
震えたような父さんの声が聞こえる。

僕を怒る時みたいな、でもちょっと違う声。
なんだか父さんに話しかけちゃいけないみたいな声。
でも僕はお腹がすいてしょうがなかった。

何で笑い声が聞こえるのだろう。
兵隊さんたちは何をしているのだろう。
話をして、早く帰れば良いのに。
僕と父さんがこんなに寒い思いをしているのに。
それなのに。

やっぱり我慢できなくて、僕は父さんの袖を引いた。
「お腹すいたよ。僕。おうちに戻ろうよ。」

「ロタール。我慢できないのか?」
父さんは僕の言葉に僕がいつも我侭を言った時みたいに、困ったような声を上げる。


「我慢できないよ。おなかすいたよ。」
本当に我慢できなかった。早くお母さんの作ったシチューを食べたかったし、
身体が冷え切ってしまって、温かいミルクも飲みたかった。

父さんは暫く僕を抱きしめていた後、僕の頭にぽんと手を載せてきた。

「判った。父さんが貰ってきてやろう。だから、ロタール。お前はここで待っていなさい。」
「おうちに戻れないの?」

そう言うと父さんは大きく息を吐いた。
そして、立ち上がってしゃがみ込むと僕に怖い顔をした。
「お母さんは、大事な話をしているんだ。兵隊さんたちとね。父さんが食事と、上着を貰ってくるから、
ここで待っていなさい。絶対に動いてはいけない。」

父さんの声が、顔が怖くて、今までに見たことも無い顔で。
僕は父さんの袖を引っ張った。
「い、いいよやっぱり。僕我慢するよ。」

「・・・いや、・・・」
父さんはそこまで言ってぎゅうと目を瞑った。今までに見たことの無い顔。
なんか苦しそうな顔。


「お母さんの話は、長くなるかもしれない。食事を貰ってくるから、お前はここで待っていなさい。」
そう言って僕を座らせ、父さんは僕に上着を被せてくれた。
そのまま父さんは立ち上がって家のほうを向く。
急に心細くなって、僕は父さんの背中に呼びかけた。

「やっぱり・・いいよ。父さん、一緒にここにいようよ。」
「いいから、ここで待っていなさい。」

父さんはそう言って、家のほうへと歩いて行く。
僕のいる暗い切り株の上じゃなく、明るい家のほうに。
何だか嫌な、お母さんのものでも父さんのものでもない笑い声のする家のほうに。



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by obtaining | 2008-12-09 18:35 | document

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